レビュー
» 2008年08月25日 13時51分 公開

必要なのは勇気と戦略と、たまにリセット? ニンテンドーDSで元祖ロールプレイングシミュレーションを「ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣」レビュー(1/3 ページ)

18年前に発売された「ファイアーエムブレム」シリーズ第1作が、ニンテンドーDSで復活! ファミコン世代には懐かしく、若いユーザーには新鮮なロールプレイングシミュレーションは、通信対戦も兼ね備えている。新世代のマルス王子よ、仲間を失くさないように気を配りながら、アカネイア大陸を突き進むのだ。

[仗桐安,ITmedia]

18年の時を経て……名作、復刻!

 名作というのは、何度遊んでもいいものだ。そんなことを思いながら「ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣」をプレイした。

 本作は“新”とついていることからも推察できるかとは思うが「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」という作品のリニューアルである。そして本家である「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」は、「ファイアーエムブレム」シリーズの記念すべき第1作だ。

 ファミリーコンピュータで登場した名作がニンテンドーDSで復活したということを、まずは素直に喜びたい。「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」が発売されたのが1990年の4月なので、実に18年ぶり、かつ、シリーズ初のリニューアル作品となる。発売当時に生まれた人もいまや18歳……。ということは、もちろん若い世代の人であれば、「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」をプレイしたことがなく、本作で初めてその世界に触れるという人も多いだろう。ファミコン世代でも、未プレイの人もいることと思う。

 「ファイアーエムブレム」シリーズは、ロールプレイングシミュレーション(一般的にはシミュレーションRPGという名称もメジャー)の草分け的存在だ。複数のユニットをフィールドに配置し、それらを移動させ戦闘していくウォーシミュレーションの要素と、各キャラクターが成長しドラマティックな物語が展開していくRPGの要素を兼ね備えた内容は、18年前から根強い人気を保持している。

ファミコン世代感涙のリニューアルなのです

 実際、シリーズ作品は「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」以降、順調にリリースされており、スーパーファミコン、ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーゲームキューブ、Wiiと任天堂のさまざまなハードで「ファイアーエムブレム」の世界を楽しむことができる。既に10作品以上が発売されていて、永くファンに愛されているシリーズなのだ。

 そして今回ニンテンドーDSで登場したのが、本作「ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣」だ。シリーズ新作でないというのは残念といえば残念だが、ニンテンドーDSでの完全新作が出ることにも期待しつつ、温故知新、シリーズ1作目を改めて(もしくは初めて)プレイしてみるというのもいいのではないだろうか。

ファンタジー世界でのトライアンドエラー 〜ロストしたらリセット!

 「ファイアーエムブレム」シリーズは、西洋の中世をベースにした独自のファンタジー世界を描いている。本作の舞台となるのは、架空の大陸・アカネイア大陸だ。

 アカネイア大陸では、100年前にアリティア王国のアンリが神剣ファルシオンで暗黒竜メディウスを討伐し、平和な時代を迎えていた。しかし、復活したメディウスが魔王ガーネフと手を組み、再び世界を暗黒の渦へと巻き込む。アリティア王国のコーネリアス王が打倒メディウスを掲げて出撃する中、その息子であるマルス王子は父の帰りを待つ……。

 本作の主人公は、勇者の血を引くアリティア王国のマルス王子。マルス王子は戦渦に身を投じ、難敵に立ち向かい、幾多の戦闘を乗り越えて成長していく。そういう意味ではマルス王子を主人公に据えたRPGではあるのだが、本作は同時に“シミュレーション”でもある。マルス王子は騎士団を指揮し、仲間を従えて、進軍していくのだ。最初は少ない仲間とともに敵陣を突破していかなくてはならないが、プレイの進行に伴って仲間は増えていき、仲間たちもマルス王子と同様に、戦いの中で経験を積み成長する。

マルス王子は、勇者の血をひく主人公だ
その他にも個性的な仲間たちが登場する

ちょっとした判断ミスが命取りだ

 ファンの間ではもはや常識と言ってもいいことだが、「ファイアーエムブレム」の世界では、一度ロストした(本作では仲間を失うことをロストと言う)仲間は二度と戻ってこない。マルス王子が倒れればゲームオーバーだが、他の仲間がロストしてもそのままゲームは続く。一般的なRPGであれば、パーティの仲間が力尽き倒れたら、呪文やアイテムなどで蘇生することができるだろう。RPGによっては、敵に倒されても死亡せず戦闘不能状態になるだけ、というものもあるくらいだ。その真逆をいく非情なるシステム、これこそが「ファイアーエムブレム」シリーズの大きな魅力だとも言える。

 プレイヤーは、味方のユニット(仲間のキャラクター)をなるべく失いたくない。手塩にかけて育てたユニットならばなおさらだ。それを前提に戦いに挑むので、必然的にプレイに緊張感が与えられる。最初のうちは難易度も易しめになっているので、さほどピンチになることもないかもしれないが、戦闘が進めば進むほど仲間を失う可能性も高くなる。ひとつの移動、ひとつの戦闘が大いなるミス、仲間の喪失につながることもある。プレイ次第で戦局は大きく変わるのだ。

ロストした仲間はマルス王子に一言残して去っていく……。こうなったら、んも〜、やり直し! もちろんさっさと進めていってもいい

 仲間のロストを受け入れ、胸に刻み、涙をこらえながら先へ進む……というのも劇的でいいかもしれない。しかしゲームをプレイする身としては「ここで君に死なれては困るのだよ」、「このキャラは気に入ってるのに、油断してたらやられてしまった!」と切実な状況に立たされることもしばしば。というわけで、ゲームにはゲームの解決法があるッ!とばかりにリセットして、セーブしていた地点からやり直す、というのはもちろん“あり”なわけだ。

 ファミコン時代、スーパーファミコン時代の「ファイアーエムブレム」シリーズをプレイしていた時などは、何度本体のリセットボタンを押したことか。“なるべく仲間を失わない”という自ら課した目標に挫けそうになりながらも、ロストしてはリセットし、リセットしてはまたロストして、トライアンドエラー(試行錯誤)を繰り返しながら少しずつ進んでいったものだな……と遠い目をしながらプレイしていたが、いやいやいや、今回だって条件は同じですよ自分! と言い聞かせ、事実仲間がロストする度にDSの電源を切ってはプレイをし直す筆者がいた。「わー、またやられた」、「くそっ、今度はこいつが倒された」と、にっちもさっちもいかなくなることもあるが、光明はどこかにあるはずだ。そう思いながら戦略をああでもないこうでもないと考えるのが楽しい、骨太なゲームなのである。

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