シネマティックとはこういうことだ――フロム・ソフトウェア「NINJA BLADE」トークイベント東京ゲームショウ2008 フロム・ソフトウェアイベント

「天誅4」と並び、フロム・ソフトウェアブースの目玉となった、Xbox 360用忍者アクションゲーム「NINJA BLADE」。フロム・ソフトウェアブースでは、本作のプロデューサーである竹内将典氏によるトークイベントが開催された。

» 2008年10月11日 03時04分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

「TGS 2008」2日目のフロム・ソフトウェアブースでは、先日の「マイクロソフト メディアブリーフィング」でその存在が明らかにされたばかりの、Xbox 360用アクションゲーム「NINJA BLADE」のステージイベントが行われた。

 本作は、現代の東京を舞台に、摩天楼を忍者となって超スピードで駆け抜けていく「シネマティックアクション」ゲーム。新宿や六本木、東京タワーなど、ステージはいずれも東京の名所を忠実に再現したものとなっており、プレイヤーは実在する街並みをバックに、まるで映画のようなアクションを楽しむことができる。

 ただし「映画のような」と言っても、本作の場合それは「ムービーシーンが多い」という意味ではない。プロデューサーの竹内将典氏によれば、今回特にこだわったのは、アクションからムービーシーンへ、ムービーシーンからアクションへと、すべてをシームレスにつなげるということ。さらにユーザーがムービーシーンに干渉できるようにすることで、「“映画を見る”のではなく、まるで“映画を体験している”のような感覚が味わえるゲーム」を目指したのだという。

 主人公のキャラクターデザインには、「ロストプラネット」シリーズのデザイナーであるカプコンの中岡恵司氏、ゲーム楽曲制作には「メタルギアソリッド3:サブシスタンス」「龍が如く2」などを手がけた日比野則彦氏、イベントシーンのアニメーション演出にはプロダクションIGの川崎逸朗氏をそれぞれ起用した。残念ながら中岡氏は都合により来られなかったが、ステージには日比野氏、川崎氏の二人もゲストとして登場。互いの視点から、作品の見どころなどを語ってくれた。

imageimage Wii「天誅4」に続き、「NINJA BLADE」でもプロデューサーを務める竹内将典氏(左)、「このためだけに東京のあちこちを取材しました」という、プロダクションIG・川崎逸朗氏

 演出面で川崎氏が心がけたのは、意外にも「カメラをあまり動かさない」ということ。3Dだとカメラワークに制約がないため、ついクルクルと回したくなってしまうが、あえてそうしないことで映画的なカメラワークを目指したのだという。また日比野氏は、今作の楽曲イメージを「海外から見た日本」と表現。いわゆる日本的な忍者ではなく、アメリカンヒーローのような忍者を思い描いた時に、ぴたりと本作のイメージにハマったのだそうだ。

 またイベントでは、アーティストの小柳ゆきさんが歌う主題歌「beanstalk」も初披露に。「beanstalk」とは、直訳すれば「豆の茎」。最後には切り倒されてしまった“ジャックと豆の木”のように、「よかれと思ってしたことが裏目に出たり、信じていたものに裏切られたりといったせつなさを込めた曲」(日比野氏)だという。「おとぎ話のようなやさしさと、現実のせつなさとが入り交じった曲。いろいろな表情や気持ちを表現できて、歌っていて楽しかったです」と、小柳さんも曲の内容にはかなり満足していたようだ。

imageimage 楽曲担当の日比野氏。「やりたかったことをやれました」と自信たっぷりに語った(左)、ステージでは見事な歌声で観客を魅了してくれた小柳さんだが、実は大のゲームファンなのだとか

 ちなみに今回、同社ブースでは12台の「NINJA BLADE」試遊台を出展。時間にすればおよそ10分程度だが、実際にゲームの冒頭部分をプレイしてみることができた。

 ゲーム開始早々、いきなりヘリから飛び降り、眼下の摩天楼に向かって降下していく主人公。普通のゲームならまだまだオープニングの1シーンといったところだが、先ほども触れたとおり、本作ではムービーシーンもゲームの一部。しばらく空中を落下していくと、いきなり翼を持った敵が空中で主人公に迫り、同時に「Xボタンを押せ」との指示が出現。ここで見事指示どおりボタンを押すことができれば、華麗に空中で敵を倒して着地、失敗すれば降下するところからやりなおしとなる。ちょっと例えが古いが、「シェンムー」のQ.T.Eシステムのような印象だ。

 着地後は、刀や大剣、手裏剣などを駆使して戦う、文字通り「地に足のついた」普通の格闘アクションとなるが、ホッとしたのもつかの間、周囲の敵を一掃すると、今度は窓ガラスを突き破ってビルの壁面を猛スピードで駆け下りていく主人公。どんだけアグレッシブなんだ。ここでもやはり途中で様々なボタンを押すよう指示が出され、成功するとカギ縄のようなものをひっかけて次の建物へ移動したり、空中で襲いかかってきた敵を一撃で葬り去ったりと、思わず見とれてしまうようなアクションが目まぐるしく展開されていく。

 基本的には「アクション→ムービー→アクション→ムービー……」の繰り返しでゲームは進んでいくが、上記のようにムービー中にも様々なアクションを要求されるため気が抜けない。また竹内氏も言っていたとおり、アクションとムービーのつながりは非常にスムーズで、時おりムービーシーンもまるで自分が操作しているかのような錯覚に陥る。忍者+摩天楼という素材を活かした、ダイナミックな演出も一見の価値アリだ。

 このあとしばらく進むと、巨大なクモのようなボスと戦闘になるが、体験版でプレイできるのは残念ながらここまで。この先を見たい人は、ブース内のクローズドシアターにて、初公開シーン満載の特別映像も上映されているので、そちらもぜひチェックしてみてほしい。

imageimage マイクロソフトのノーマン・チャック氏。海外市場での販売はマイクロソフトが行う形となる(左)、やや奥まったところにあり、やや見つけにくい試遊台。時間は短いが、かなり濃密なプレイが楽しめた

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2407/24/news014.jpg 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  2. /nl/articles/2407/25/news017.jpg 「これが生えたら庭終了」 プロも降参する“何をやっても全部ムダな最恐雑草”の正体が400万再生「ほんとこれ厄介」「土ごと変えないと不可能」
  3. /nl/articles/2407/26/news151.jpg イトーヨーカドー春日部店が閉店へ 「クレヨンしんちゃん」に登場するスーパーのモデル 「残念」「寂しい」惜しむ声
  4. /nl/articles/2407/25/news012.jpg 夜、山中の側溝をのぞいてみたら…… 思わず声がもれる“あらぬ生物”の姿に「ヤバいw」「生で見てみたい」
  5. /nl/articles/2407/25/news007.jpg 水槽の中で卵を発見→慎重に見守って1カ月後…… 小さな命の誕生に飼い主も視聴者もメロメロ「まじで可愛すぎるほんとに可愛い」
  6. /nl/articles/2407/25/news138.jpg 「お父さんはママのオタクだった」 母親が「元・おニャン子」のタレント、アイドルとオタクが“つながっちゃいけない理由”を問いかける
  7. /nl/articles/2407/25/news050.jpg 「立体的に円柱を描きなさい」 中1の“斜め上の解答”に「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」
  8. /nl/articles/2401/26/news015.jpg スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
  9. /nl/articles/2407/26/news119.jpg 工藤静香、15歳の愛犬が天国へ 感謝の言葉つづるも……「泣いてばかり」「心が追いつかない」と悲痛な思い
  10. /nl/articles/2407/26/news008.jpg 外国人が来日して“3年後”…… マクドナルドの“オーダーの変化”に「胃袋が日本人のそれなんよw」とツッコミ
先週の総合アクセスTOP10
  1. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが360万再生「凄すぎて笑うしかないww」「チーズが、、、」
  2. 6年間外につながれっぱなしだったワンコ、保護準備をするため帰ろうとすると…… 思いが伝わるラストに涙が止まらない
  3. 「お釣りで新紙幣来た!!!!!と思ったら……」 “まさかの正体”に「吹き出してしまった」「逆に……」
  4. 赤いカブトムシを7年間、厳選交配し続けたら…… 爆誕した“ウルトラレッド”の姿に「フェラーリみたい」「カッコ良すぎる」
  5. ダイソーで買った330円の「石」を磨いたら……? 吸い込まれそうな美しさが40万回表示の人気 「夏休みの自由研究にもいいのでは?」
  6. 「これ最初に考えた人、まじ天才」 ダイソーグッズの“じゃない”使い方が「目から鱗すぎ」と反響
  7. もう笑うしかない Windowsのブルースクリーン多発でオフィス中“真っ青”になった海外の光景がもはや楽しそう
  8. アジサイを挿し木から育て、4年後…… 息を飲む圧巻の花付きに「何回見ても素晴らしい」「こんな風に育ててみたい!」
  9. スズメの首は、実は……? 「心臓止まりそうでした」「これは……びっくり!」“真実の姿”に驚愕の声
  10. 【今日の計算】「8×8÷8÷8」を計算せよ
先月の総合アクセスTOP10
  1. 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
  2. 日本人ならなぜかスラスラ読めてしまう字が“300万再生超え” 「輪ゴム」みたいなのに「カメラが引いたら一気に分かる」と感動の声
  3. 「最初から最後まで全ての瞬間がアウト」 Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラとのタイアップ曲に物議 「誰かこれを止める人いなかったのか」
  4. 「値段を三度見くらいした」 ハードオフに38万5000円で売っていた“予想外の商品”に思わず目を疑う
  5. 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  6. かわいすぎる卓球女子の最新ショットが730万回表示の大反響 「だれや……この透明感あふれる卓球天使は」「AIじゃん」
  7. 「これはさすがに……」 キャッシュレス推進“ピクトグラム”コンクールに疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は
  8. 天皇皇后両陛下の英国訪問、カミラ王妃の“日本製バッグ”に注目 皇后陛下が贈ったもの
  9. 「この家おかしい」と投稿された“家の図面”が111万表示 本当ならばおそろしい“状態”に「パッと見だと気付けない」「なにこれ……」
  10. 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」