「プリンス・オブ・ペルシャ」のプロデューサー・Ben Mattes氏に聞いてみた:東京ゲームショウ2008(1/2 ページ)
10月9日、東京ゲームショウ開催中にインタビューの機会を得た。ヒロイン「エリカ」役に成海璃子さんが起用されたことも発表。そんなエリカについても聞いてみた。
10月9日から幕張メッセにて行われた東京ゲームショウ2008にて、ユービーアイソフトのXbox 360、プレイステーション 3向けソフト「プリンス・オブ・ペルシャ」のプロデューサー・Ben Mattes氏に会期中インタビューすることができた。E3でフィーチャーされ話題を呼んだ本作だが、すでに完成度90%という。
初めて来た日本で、週末は1日京都で寺周りをするらしいBen氏。初めての日本で東京ゲームショウと京都観光とは豪勢な出張だ。プロデューサーである彼に、「日本のゲーム」について、また、本作を開発するにあたってのさまざまな開発背景について聞いてみた。
―― 唐突ですが、日本のゲームについてどう思いますか?
Ben氏 日本のゲームはとてもクリエイティブだと思うよ。「プリンス・オブ・ペルシャ」チームも日本ゲームのファンだし。でも、日本ではウケてもアメリカではウケないということが多いのは残念だと思う。なぜならストーリーやゲームデザインメカニックはすばらしいからね。今回「プリンス・オブ・ペルシャ」がとても影響を受けたゲームとして3つあげるとすれば「大神」、「ICO」、「ワンダと巨像」、すべて日本のゲームだよね。これらのコンバットシステムやカメラの動きには非常にインスパイヤされたよ。
ムービー部分に関してはファイナルファンタジーかな? このような日本ゲームのいい部分をウェスタナイズして、欧米にウケるようにアレンジしたのが「プリンス・オブ・ペルシャ」だと言えるね。そういう意味では日本でもウケてくれるといいんだけどな。「プリンス・オブ・ペルシャ」が欧米だけではなく認知されるゲームになってくれるといいなと思ってるんだ。全世界に受けるゲームとして認知されるとうれしいよ。
―― それでは日本のゲームの嫌いなところは?
Ben氏 「嫌い」っていうのは強い言葉だね(笑)。キャラや設定がとてもかわいすぎるところが欧米には受け入れられてないってことだと思う。文化が違うからしかたがないと思うよ。僕が日本で必ず売れると言われる「ガンダム」を理解できないというのも文化の違いと言えるだろうね(笑)。
―― 日本のゲームと欧米のゲームの違いは何だと思いますか?
Ben氏 日本のゲームはいいところがいっぱいあるよ。ひとつ例を挙げれば、ゲームアクション中のムービーのカットシーンのインテグレーションがシームレスに行われるところ。これは日本のゲーム開発の強みだろうね。特に小島監督の「MGS4」に関しては、インゲームからムービーへの導入があそこまでシームレスに行われるゲームはなかったと思うよ。「デビルメイクライ」や「Ninja Blade」なんかもそうだね。
―― 日本のゲームはリニアと言われるけど?
Ben氏 日本のゲームのもうひとつの特徴的なことといえば「モノを集める」ということかな。集めたモノはゲーム内でいろいろな活用方法があるからユーザーもモチベーションをかきたてられるんだろうね。だから「リニア」とは感じさせないよ。
―― 日本のゲーム開発との違いは?
Ben氏 開発のプロセスについては、日本のゲーム開発者と一緒に働いたことがないからよく分からないよ(笑)。
―― 日本の開発会社とのコラボ企画とかどう?
Ben氏 ノーコメントで(笑)。
―― 日本のゲーム開発は感情移入の導入がうまいと言われるが?
Ben氏 そう思うよ。ユービーアイソフトとしてどうやってユーザーの感情を巧みに移入させていくかということをここ数年課題にしているんだ。欧米のゲームは「FF7」と「ワンダと巨像」に学ぶところが多いと思うよ。
―― 一番好きなゲームは?
Ben氏 「ウルティマオンライン」と「ストリートファイターII チャンピオンシップエディション」だね。ストリートファイターはアーケードだよ、コンソール版は好きじゃない(笑)。僕はおそらく何千ドルもこのゲームに使ってしまったよ(笑)。そういえばスクウェア・エニックスの「このすばらしきせかい(英語名:World ends with you)」は今のところニンテンドーDSで一番のゲームだね。プリンスがエリカと出会って協力プレイでゲームを進めていくって意味でも共通点はあるよ(笑)。
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