「Fallout 3」体験リポート――核戦争後の荒廃した世界はまさに世紀末?
Xbox 360、PS3で発売される「Fallout」シリーズの最新作「Fallout 3」。核戦争後の荒廃した世界を描き、高い自由度と過激な描写が売りとなる本作のXbox 360版を、ひと足早く体験できる体験会に参加してきた。
「オブリビオン」のスタッフが世に送る「Fallout」シリーズ最新作
Xbox 360版が12月4日に、プレイステーション 3版が1月15日に発売予定となっているベセスダ・ソフトワークスのRPG「Fallout 3」のXbox 360版先行体験会に行ってきた。「Fallou」シリーズ1作目は1997年にアメリカのインタープレイから発売され、2作目はその翌年1998年にリリース。そして2007年に「The Elder Scrolls IV:オブリビオン(以下オブリビオン)」を手がけたベセスダ・ソフトワークスが同シリーズの版権を取得し、3作目が手がけられることになった。すでに北米では10月28日に発売されており、発売後1週間で470万本を出荷するほどの大ヒットとなっている。
「Fallout 3」は、2077年に勃発した世界的核戦争により、荒廃した大地へと変ぼうをとげた世界が舞台となっている。放射能の影響で昆虫は巨大化し、野獣は凶暴になり、そしてミュータントが徘徊する世界……。そんな危険な地表から逃れるため人々は、「Vault-Tec」社の優れた技術により生まれた核シェルター「Vault 101」を居住区とするようになる。
核戦争後の世界を描いた世界を実際に体験してみる
体験会ではXbox 360版を使用してのプレイとなった。ゲームは主人公が核シェルター「Vault 101」で生まれるところからスタートする。この時にキャラクターの名前や性別、大人になった時の見た目のカスタマイズを行う。「オブリビオン」でもあったように目、鼻、髭などキャラクターのカスタマイズがかなり細かく設定でき、いろいろと凝るあまり筆者はここでかなり時間を費やしてしまった。
これらの設定が終わると、「Vault 101」で主人公が赤ん坊の時代のパートに移る。ここでは、ゲームの操作に関する初歩的なチュートリアルが行われ「Strength(力)」、「Agility(敏捷性)」など7種類のステータスの割り振りをする。こうして基本的な移動などを覚えたのち、時はさらに移行する。次のパートでは主人公が10歳になり誕生日パーティーが開かれる。この時に祝ってくれる人達とは会話ができたり、誕生日プレゼントとして体力や所持アイテムの管理、マップ確認などのインタフェース的役割を担う「Pip-Boy 3000」がもらえたりする。さらには「BB Gun」という銃をもらい、戦闘や射撃のチュートリアルが行われる。なお、プレイ画面はデフォルトでは一人称視点での操作になるが、ワンボタンで三人称視点に切り替えることが可能だ。
FPSが苦手な人も安心! 戦等の幅を広げる「V.A.T.S.」システム
肝心の戦闘はというと、本作の特徴の1つである「V.A.T.S.(Vault-Tec Assisted Targeting System)」というシステムが利用できる。この「V.A.T.S.」を使用することで、アクションやシューティングが苦手なプレイヤーにも簡単操作で敵を倒せるようになる。敵がいる状態で「V.A.T.S.」が割り当てられているボタンを押すと、時間が止まり、どの敵に攻撃を仕掛けるかを選択できる。この時、頭、胴体、腕などの攻撃する部位を決定すると自動で装備している武器を使っての攻撃が始まる。各部位には命中率が決まっており、敵に近ければ近いほど命中率は上がる。
この「V.A.T.S.」を使用するには「AP(Action Point)」というポイントを必要とし「AP」がある限り連続して部位を選択して攻撃できる。このシステムを上手く使いこなせば、国産RPGのようにコマンド選択で敵に攻撃を仕掛けられるので、FPSをあまりプレイしたことのない人でも戦闘を楽に進められるはずだ。
核シェルター「Vault 101」からの脱出、急展開するストーリー
さらに次のパートに移り「GOAT(Generalized Occupational Aptitude Test)」と呼ばれる職業適性検査のようなものを受けると、主人公の得意とするスキルの分野が決定される。そして19歳のある朝、自分の父親が住人の制止を振り切り「Vault 101」を脱出したことを知らされる。どうして父親は理由も告げず、シェルターから姿を消したのか、真実を知ろうとし、父親の後を追い、主人公も「Vault 101」から脱出することになる。
脱出するときに、主人公の脱出に協力する者や阻止しようと邪魔してくる敵がいたが、筆者は誤って敵味方の区別なく全部倒してしまった。「Fallout 3」では、このように敵だけでなく、味方や一般の人も倒すことも可能な自由度が本作の魅力の1つといえるだろう。しかも、倒した相手からは所持品を奪うことができる。また、本作には「カルマ」という概念があり、ゲーム中の行いによって、このカルマが増減する。基本的に善い行いをすれば、カルマは上がり、悪いことを行うとカルマは下がる。ゲーム中で迫られる選択や、カルマの値によってエンディングが変わってくるので、皆さんもプレイするときはこのカルマに気をつけてみてほしい。
その後「Vault 101」を脱出し、荒廃した広大な地表に出ることができた。まさに、漫画や映画のような世紀末的な雰囲気のする土地だ。脱出してから最初に訪れる街は人の気配がまったく無く、キャラバンと人がいる民家を1軒発見できただけだった。さあどこへ行こう、どんな敵が出てくるだろう、とぐっと世界観に引き込まれたところで時間切れとなってしまった。今回は残念ながら序盤のみのプレイになってしまい、この先を見ることができなかったが、自由度の高さと「V.A.T.S.」を組み合わせた戦闘の奥深さの一部を楽しめた。
思った以上に遊びやすく「もっともっとプレイしたい」と思わせてくれるタイトル
プレイを終えての感想としては、見た目はかなりハードな「洋ゲー」なのだが、先ほど述べた「V.A.T.S.」システム、一人称、三人称視点へのワンボタンでの切り替え、字幕だけでなく、音声も日本語吹き替えされていることによってかなり敷居は低くなっているのではないかと思う。ローカライズに関しては、ゲーム中に出てくるラジオや録音されたテープなどの音声もすべて日本語吹き替えになっている。これらの要素によって、これまで「字幕だけ日本語になってもプレイ中は字幕なんて見ていられない」、「FPSやTPSのゲームは敵を狙うのが苦手だから……」という理由で「洋ゲー」を敬遠していた人にもゲームの世界観を余すことなく堪能できるだろう。
「Fallout 3」はCEROレーティングZ区分(18歳以上対象)になっており、血が激しく飛び散るエフェクト、人間でないモンスターに関しては部位欠損があり、会場にいたベセスダ・ソフトワークスの親会社となるゼニマックス・アジアのゼネラルマネージャーの高橋氏も「発売禁止ギリギリのZレーティングの天井を目指して作った」と言うほど、かなり激しい描写が見られた。
気になるオンラインの要素はというと、現在Xbox 360版でのダウンロードコンテンツの配信が決まっている。配信時期、コンテンツ内容についてはまだ答えられないとのこと。「急ぎ足でクリアするだけでも30時間、しっかりやり込むとなると100時間はくだらないだろう」と高橋氏が言うとおり、この1本でかなりの遊べるだろう。年末年始は「Fallout 3」の荒廃した世界を駆け巡るというのもいいかもしれない。
「Fallout 3」 | |
対応機種 | Xbox 360/プレイステーション 3 |
ジャンル | RPG |
発売予定日 | Xbox 360版:2008年12月4日/PS3版:2009年1月15日 |
価格(税込) | 7980円 |
CERO | Z(18歳以上対象) |
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「The Elder Scrolls IV: オブリビオン」などを手がけるBethesda Softworksの親会社・ZeniMax Mediaの日本法人として、ゼニマックス・アジアが設立され、その発表会が開催された。「Fallout 3」など5タイトルを日本でパブリッシュする。
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