世界中のリビッツと一緒にジャ〜ンプ!――自由度無限大、何でもありのアクションゲーム「リトルビッグプラネット」レビュー(1/2 ページ)

「リトルビッグプラネット」って何だ? 端的に言えば横スクロールのアクションゲームだ。しかし、単なるアクションゲームと思うなかれ。自由にステージが作れて、自由に世界中とつながる。そう。ここには、なんというか、自由があるのだ。

» 2008年11月14日 12時14分 公開
[仗桐安,ITmedia]

温故知新? PS3で横スクロールのジャンプアクションを

 横スクロールのジャンプアクションゲームといえば、みなさんは何を思い出すだろうか。さあ、挙手してタイトルを言ってください!

 「スーパーマリオ」シリーズ! うんうん。そうですね、定番ですね。「ソニック」シリーズ! うんうん。スピード感が爽快ですよね。 「ロックマン」シリーズ! うんうん。難易度の高さがたまりませんね。「マイティボンジャック」! おっと、かなり懐かしいですね。「忍者じゃじゃ丸くん」! これまた、渋いですね。久しぶりにやりたくなってきました。

 とまあ、いったいどういうシチュエーションで誰が挙手しているのかは置いておいてゲーム好きであれば、それぞれにジャンプアクションの好きな作品はあることと思う。そしてこれからは「リトルビッグプラネット」! と手を挙げる人も増えるのではないだろうか。ソニー・コンピュータエンタテインメントから発売された「リトルビッグプラネット」は、ざっくりと言ってしまえば、横スクロールのジャンプアクションゲームなのである。

リビッツとともに不思議なプラネットを探検だ

 PS3の高機能を生かしたアクションゲームといえば、美麗な3D空間を自由に動き回れるタイプのものが多い。「最新ハードであえて横スクロールアクションの新作?」と思っている人もいるかもしれない。しかし、本作は温故知新のジャンプアクションゲームでありながらも、最新環境だからこそ楽しめる要素が詰め込まれた、とびっきり面白いゲームに仕上がっている。

 新たなアクションゲームの地平を切り拓く「リトルビッグプラネット」の世界をご紹介しよう。

操作はいたってシンプルなのです

ポッドから各モードに移動することができる

 本作には、地球のみんなのイマジネーションが宇宙の先まで飛んでいって摩訶不思議で夢のような惑星“リトルビッグプラネット”ができあがった――という大まかな設定がある。要はリトルビッグプラネットの世界では「何でもあり」なのだ。プレイヤーの分身である“リビッツ”は、全長7センチの不思議な生き物。最初は茶色いぬいぐるみのようなシンプルな姿をしているが、プレイヤーのカスタマイズで自由に見た目を変えることができる。

 本作を初めてプレイする際には、オープニングステージが用意されており、ナレーション付きの丁寧すぎるほどに丁寧なチュートリアルが行われるので、どんなにゲームに疎い人でも、操作に戸惑うということはないだろう。しっかりと操作を覚えた頃にようやくタイトル画面になる、という演出は、ゲームの導入としてなかなか面白い。

 タイトル画面のあとは“ポッド”と呼ばれる画面になる。ポッドとはリビッツが乗っている宇宙船のことだ。ここで画面中央下にあるポッドコンピュータ(PS3のコントローラそのもの?)を操作して、惑星に移動することができる。

 惑星は大きく分けて3つある。“リトルビッグプラネット”、“インフォプラネット”“ぼくの惑星”だ。ステージで遊びたい場合はリトルビッグプラネットを選択するといい。リトルビッグプラネットの中には“ストーリー”、“クイックマッチ”、“コミュニティ”があるのだが、オフライン環境の場合はストーリーを選ぼう。

 いざゲームが始まると、リビッツを動かしてステージをクリアしていくことになる。ステージでの操作は驚くほどに単純明快だ。左スティックで移動し、×ボタンでジャンプ、R1ボタンを押すとステージ上のものをつかみ、押しながら移動することでものを動かすことができる。ステージの仕掛けを解いたり利用したりしながら先へ先へと進み、ステージ上の大小さまざまなバブル(アイテムやリビッツ用コスチュームが入っているものもある)を取りつつ、ゴールへと向かっていく。基本的にはこれだけなのだ。

ステージを選択して、いざプレイ
最初にキャラが話しかけてくる。ステージの目的などがこれで分かるはずだ

 あまりのシンプルさに「そんな単純な内容だと、単調なステージばかりで飽きてしまうんじゃないの?」と考えるコアなユーザーもいるかもしれないが、そこは安心してほしい。操作はシンプルでも、アクションやちょっとした謎解き要素のバリエーションは相当に豊かで、先に進めば進むほど面白い仕掛けが盛り込まれ、確実に難易度が上がっていく。また、難易度が上がると言っても理不尽な難しさではなく、何度かゲームオーバーになって学習してコツをつかんで進めるくらいの、いい感じの難しさなのだ。アクションゲーム好きを唸らせる絶妙なバランスだと言っていい。

こいつをR1でひっぱって……
足場完成! こんなのはもちろん序の口である

 ステージ上のチェックポイントがこまめに設定されているのもうれしい。リビッツが力尽きてリトライすることになっても、割と近くのポイントから始められるので、「またここからかよ〜」とうんざりさせられることがない。あくまでもユーザーフレンドリー、でも一筋縄ではいかない。そんな楽しいステージの数々が用意されている。ステージでどれだけアイテムを集めたかなどの要素がコレクター心をくすぐるので、何度も同じステージをプレイしてやり込めるようになっている。

さまざまな仕掛けがリビッツを待っている
物理演算で描画される仕掛けの挙動が、実に気持ちいい

2人以上でのマルチプレイでなければ進めない寄り道スポットがストーリーのステージに点在する。コントローラを2つ以上用意するか、オンラインで仲間を見つけて誰かとプレイしなくてはならないのだ
オンラインで他のプレイヤーとプレイしたあとに、どちらかのポッドで交流をすることもできる

 そして本作について特筆すべきは、やはりそのグラフィック。CGだと分かってはいても、実写なんじゃないか? と疑いたくなるような見事に立体的な質感のオブジェクトやキャラクターたちは、暖かみがあって時に奇妙で時に愛らしい。その優れたデザインはプレイヤーをきっと虜にするだろう。横スクロールアクションではあるけども、けして2Dなわけではなく、しっかりと美麗な3D描写なのだ。3Dであるがゆえに、横スクロールアクションには珍しく奥行きの概念が存在し、奥や手前への移動ができる点もユニーク。奥行きがゲーム性にも直結していて、本作独特の面白さを作り出している。

実写的かつファンタジックなグラフィックだ
ステージごとに雰囲気はガラリと変わる
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  3. /nl/articles/2412/12/news089.jpg フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/14/news081.jpg 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  5. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/14/news038.jpg 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  8. /nl/articles/2412/14/news063.jpg 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  9. /nl/articles/2412/14/news002.jpg 【今日の難読漢字】「男衾」←何と読む?
  10. /nl/articles/2412/15/news024.jpg おじいちゃん「昔はモテた」→孫は信じていなかったが…… “今では想像できない”当時の姿が140万再生「映画スターのよう」【米】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」