ゲームの楽しさを伝えて世界貢献をしたい――サイバーステップ代表取締役社長・佐藤類氏インタビュー(1/2 ページ)

11月に「ゲットアンプド2」、12月に「コズミックブレイク」と、立て続けにオンラインゲームの正式サービス開始を予定しているサイバーステップ。なぜ、このタイミングでのサービス開始なのか、その理由をサイバーステップ代表取締役社長の佐藤類氏にうかがってみた。

» 2008年11月18日 11時00分 公開
[磯野正学,ITmedia]

 サイバーステップは、「ゲットアンプド」や「ロボ聖紀C21」などをサービスを行っているオンラインゲームメーカーだ。11月6日からオンライン対戦アクションゲーム「ゲットアンプド2」の正式サービスがスタート、続いて12月にはMMOバトルシューティング「コズミックブレイク」の正式サービス開始が予定されているなど、今攻勢に出ようとしている。そのサイバーステップの社長佐藤類氏に、今後の展望について聞いてみた。

連続リリースがベストのタイミング

サイバーステップ代表取締役社長の佐藤類氏

―― 11月に「ゲットアンプド2」、12月に「コズミックブレイク」と立て続けに正式サービス開始となりますが、今の心境をお聞かせください。

佐藤類氏(以下、佐藤/敬称略) 社内でプロジェクトを立ち上げたのが2006年の8月なので、どちらのタイトルも2年ごしの構想なんです。いろいろあったのがいよいよ出るんだなと、感慨深いところもありますし、結果が出るので、ドキドキですね(笑)。

―― 複数のオンラインゲームサービスを立て続けに開始するというのはかなり珍しいと思いますが、最初から構想にあったのですか?

佐藤 サービスを成功させるためには、ユーザーにもっとも遊んでもらいやすい夏か冬の時期に開始するのがよいだろうと考えています。ただ、不完全な状態で提供するわけにはいかないので、出来上がりがベストでマーケティングの面でも良い時期を選んだ結果が、11月と12月になったというわけです。ですので、連続して開始することを特に狙ったわけではありません。

―― 同時期になることでのデメリットはないのでしょうか?

佐藤 同時期に大々的にプロモーションができるので、かえってよかったかなと思います。

開発力とエンターテイメントの両立が重要

―― クローズドβテストでのユーザーの反応はいかがでしたか?

佐藤 7月半ばから先行して「コズミックブレイク」のクローズドβテストを始めたときには、大変興味を持っていただけました。サイバーステップといえば「ゲットアンプド」のイメージが強いので、「コズミックブレイク」にも興味を持っていただいたのはうれしいですね。「ゲットアンプド2」と「コズミックブレイク」では、MMO型のカジュアルなアクションゲームとFPS操作のアクションゲームと毛色が違うんですが、どちらもユーザーの反応が上々だったので良かったです。

―― 私もクローズドβテストに参加してたのですが、私の環境でもラグが気にならなかったので驚きました。

佐藤 ありがとうございます。地理的には離れているけども隣で遊んでいるような感覚でプレイできるように心がけています。1個のゲーム機にゲームパッドが50個もつながっていて同時に遊んでいるようなイメージですね。

―― サイバーステップというとアクションゲームが得意というイメージがあるのですが、良質なアクションゲームを提供できる要因はどこにあるのでしょうか?

佐藤 演出も含めた総合的な開発ができるということだと思います。ただの開発力という点だけを見れば私たちより高い能力を持つ企業や、エンターテイメントに長けた企業がたくさんあります。ですが、ユーザーを満足させるには、開発能力とエンターテイメントの能力が総合的に必要なのだと思います。

 先ほど出たラグの話で例えると、殴るというモーションがあったときに、どうしてもオンラインである以上、ラグは避けられません。ですが、例えば0.1秒の遅延があるとすれば、技を出した側では0.5秒でモーションを再生し、技を出された側では0.4秒でモーションを再生する。そうすると殴った方も殴られた方も一致しますよね。これを通信速度の差、描画が早い人遅い人、すべての環境を考えて最適化し、みんなが楽しめる形にしているんですよ。開発力と演出で相互にカバーすることで、ユーザーに楽しんでもらえるものを提供できているというわけです。

 海外の方はアナログ回線でも対戦プレイをされる方もいるのですが、アナログ回線で通信速度が64Kbpsであっても8人対戦ができちゃうんですよ(笑)。開発とエンターテイメントを融合させたサービスを国内と海外の両方でやっていけるのが僕らの強みだと思います。

―― “開発とエンターテイメントの融合”という部分にすごいこだわりを感じますね

佐藤 楽しいか楽しくないかという感覚には国境の障壁がないんです。子供から大人までが楽しめるものは、世界のどこででも受け入れられます。日本で言うと任天堂ですね。私たちはやっぱり任天堂のゲームを遊んで育っているので、ゲームの演出を自分たちが考えても、それが元になっているんです。それを尊重してさらに良いものに、今ないものにしていこうと考えるわけです。例えば、任天堂の製品がなかなか提供されていない地域でも、オンラインであれば提供できます。私たちは私たちなりに世界にゲームを提供していこうと考えています。

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