夜の大都会をシネマティックに走り抜ける漆黒の忍者――最先端のニンジャアクションをXbox 360で:「NINJA BLADE」プレイインプレッション(2/3 ページ)
3つの剣といくつもの忍術を使い分けて、未来の東京を進め
プレイヤーは、ケン・オガワとなって「アルファ・ワーム」の危機に陥った東京を駆け抜ける。いわゆる3Dアクションゲームであり、操作体系も3Dアクションに慣れている人であれば、すぐに覚えられるようなシンプルなものだ。
左スティックで移動し、右スティックで視点移動、というのは定番的な操作方法。それに加えて、Aボタンでジャンプ、Xボタンで通常攻撃、Yボタンで強攻撃、Bボタンで手裏剣などの忍術、左トリガーでガード、というあたりもアクションゲームとしては一般的と言っていいだろう。
本作のアクションパートでユニークなのは、3つの武器をリアルタイムに自由に切り替えながら進む、という点だ。方向パッドの左を押せば「破岩の大剣」、上を押せば「断鬼の太刀」、右を押せば「飛燕の双剣」と、瞬時に切り替えることができる。それぞれの武器は特性があり使い分けが必要だ。固い盾や装甲でガードしている敵には「破岩の大剣」、群がるコウモリなど動きが素早い敵には手数が多く攻撃範囲の広い「飛燕の双剣」、通常時は手数と攻撃力のバランスがよく、ホーミング性能の高い「断鬼の太刀」というような使い分けが要求される。また、武器にはそれぞれ攻撃以外の活用方法があり、例えば「破岩の大剣」でなければ壊せない壁がある、など、探索の道具として使われるケースもある。
忍術にもバリエーションがあり、疾風手裏剣で炎を消したり、火炎手裏剣で障害物を焼いたりすることで先に進めるようになる。忍術の切り替えはRBボタンで可能。武器同様瞬時に切り替えられる。
右トリガーを押しながらの高速移動や、LBボタンを押して発動する「Ninja Vision」も面白い。高速移動中は、ジャンプしても超えられないような溝があってもその側面の壁を走って向こう岸に渡ることができたり、壁をひたすら走り登って上の階に行くこともできる。さすが忍者! と理屈を越えて納得してしまうし、人智を超えた忍者の動きは、何より操作していて気持ちがいい。
Ninja Visionは、画面が赤く染まりスローモーションになる中、敵の弱点やアクティブな物体が青く表示されるという便利なスコープ機能。スローなので敵の隙をつける反面、Ninja Vision中にダメージをくらうと通常よりも大ダメージになる、という両刃の剣でもある。進行に詰まってしまった時にNinja Visionを発動すれば壊せるオブジェクトが発見できて突破できる、ということもある。
とにかくテンポがよく、テンションが高く、敵を倒した時の爽快感、達成感がたまらない。フィールドを探索するアドベンチャー的要素もほどよく散りばめられ、緊張感あるボス戦も楽しめる。かなり良質のアクションを味わうことができた。
シネマティックが止まらない――ムービー中も油断すべからず
シネマティックアクションを銘打つ本作なだけに、プレイの合間にムービーが挿入され物語がドラマチックに展開していくのだが、ただ漫然とムービーを観ていては先に進めない! のが本作の特徴だ。今日び、リアルタイムポリゴンですべて描かれており、プレイパートとムービーパートで画質の差がない、というタイトルは増えてきてはいる。本作ではそれに加えて、ムービー中も操作を要求してくるので気が抜けないのだ。
これは「クイックタイムイベント」というもので、ムービー中にケンがジャンプしなくてはならない、という局面になると画面上に「A」「Jump!」と表示され、Aボタンをタイミングよく押さないと少し前のムービーからやり直しになってしまう、というシステム。押さなくてはならないボタンはランダムで変わることもあり、気が抜けないことこの上ない。タイミングがシビアだったりするが、リトライは割と直前からだったりするし、リトライを繰り返すと判定が甘くなったりするので、何度か挑戦すれば進めるような難易度にはなっている。
ボス戦でとどめを刺す際もこのクイックタイムイベントが採用されていて、「Todome!」の表示に合わせてYボタンを押すことで、奇想天外な技を繰り出し、大型のモンスターを殲滅することができる。ド派手なムービー「トドメブロー」を堪能しながらも、自分でケンを動かしているような感覚を得られる。これこそシネマティックの真骨頂と言っていいだろう。
また、ヘリコプターから身を乗り出し、FPSさながらに空中を舞う敵をガガガガと撃ち倒すイベントや、ビルから落下しながら、まるでシューティングゲームのように弾をよけつつ敵を倒していくシチュエーション戦闘も盛り込まれている。ゲーム性とアクション映画を強く意識した派手な演出がギッシリ詰まっている。徹底的にシネマティックなのだ。
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企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年1月28日