ニュース
» 2009年02月27日 21時06分 公開

携帯可能な無線LANアクセスポイント「どこでもWi-Fi」をDS、PSPで試す日々是遊戯

ウィルコムが3月5日よりリリースする、携帯無線LANアクセスポイント「どこでもWi-Fi」。今回、発売前の実機を触ってみた感想をお届けしてみたい。

[池谷勇人,ITmedia]

回線速度はちょっと物足りないが、ゲームには問題なし

 以前このコーナーでも紹介した(記事はこちら)、ウィルコムの携帯無線LANアクセスポイント「どこでもWi-Fi」が、いよいよ3月5日から販売開始となる。

 見た目はただの真っ白な箱だが、これでもW-SIMカードを内蔵したれっきとしたウィルコム端末。通話やメールといった機能こそないものの、これさえあれば、いつでも好きな時に、好きな場所で無線LANが利用できるようになるというスグレモノだ。例えばこれを使えば、出先でニンテンドーDSのWi-Fi対戦を楽しんだり、PSPでWebサイトを閲覧したりできるようになる。他にもノートPCやスマートフォンなど、無線LAN機能のある機器ならほぼすべて、この「どこでもWi-Fi」の恩恵を受けることが可能だ。今回は発売前の実機をお借りすることができたので、ニンテンドーDSやPSPで実際に利用してみた感想をお届けしてみたい。

ボタン類は側面にまとまっている。と言っても、電源とAOSSボタンくらいしかないが
正面から見たところ。大きさは閉じたDSよりひとまわり小ぶりで、ちょっと厚みがある
フタを取るとこんな感じ。中にはeneloopと、W-SIMカードが入るようになっている

 使い方は非常にシンプルで、ボタンらしきものと言えば、電源スイッチと、ワンタッチで無線LAN設定を行ってくれる「AOSSボタン」くらいしか見当たらない。幸い、DSもPSPも「AOSS」による自動設定に対応しているので、ゲーム機側で「AOSSによる設定」を選べばいい。あとはどこでもWi-Fi側のAOSSボタンをしばらく押しっぱなしにしておくだけで、どちらも問題なく無線LANに接続することができた。もちろん、やや古めのノートPCなどAOSSに対応していないマシンの場合は、SSIDとWEPキーによる手動設定も可能なのでご安心を。

 さて、つながったところで次は実際にゲームで遊んでみた。無線LANとは言っても、ネットワーク自体はウィルコムのPHS回線を介しているため、回線速度はあくまでPHS級(最大204kbps)である。果たしてこのスピードでまともに対戦ができるのか心配だったのだが、結論から言えば、まったく問題はなかった。ちょうど手元にあった「テトリスDS」「マリオカートDS」の2タイトルでは、体感できるような遅延もなく、快適なWi-Fi対戦を楽しむことができた。考えてみれば、こうしたリアルタイム対戦で重要なのは通信速度よりも往復遅延時間の短さであると言われており(実は通信速度は、数十kbpsもあれば十分)、その点、遅延の少なさをウリとしているPHSは、ADSLなどよりも対戦ゲーム向きと言えるかもしれない。

設定は簡単。DSの場合なら、Wi-Fiコネクション設定から「AOSS」を選び――
画面の指示に従い、「どこでもWi-Fi」側のAOSSボタンを長押しするだけでOK
設定が完了したら、あとはWi-Fi対戦でもブラウザ閲覧でも普通に行える

 ただ、何かコンテンツをダウンロードしたり、Webサイトにアクセスしようとしたりすると、やはりPHS回線ゆえの「遅さ」がネックになってくる。一応、DS&PSP両方のインターネットブラウザで弊誌のトップページを開いてみたが、どちらも完全に表示されるまで2分近くかかるという結果に。あらかじめ画像を読み込まないよう設定しておくなどすれば多少は改善されるが、さすがにどこでも自宅と同じインターネット環境を、というわけにはいかないようだ。なお、回線速度を測定してきたみたところ、筆者の環境では54.414kbpsとなった。大体の目安としては、テキスト中心のシンプルなサイトならまったく問題ないが、画像が多いサイトを開こうとすると、途端にストレスがたまるレベル、といったところだろう。

DSiのブラウザでITmedia +D Gamesを表示。通信速度はやはりちょっと物足りない
PSPのブラウザももちろん利用できる。PlayStation Storeもこのとおり
特にこれといったメリットはないが、一応PS3(無線LAN内蔵モデル)もつながります

 製品には標準でeneloop(単三)4本が付属し、公式サイトのQ&Aによれば、動作時間は約2時間50分とされている。筆者も何度か試してみたが、大体2時間から3時間の枠内に収まった。普通に外出して、空いた時間などにちょっと遊んで、家に帰ったらまた充電して――といった使い方をする分には十分すぎる時間だろう。これではちょっと物足りない、という人は予備の電池を持って行けばいい。またACアダプタも付属するため、自宅であればバッテリーを気にする必要はない。

 最後に気になるのが価格だが、あくまでW-SIM内蔵の通信端末という扱いであるため、購入する際にはウィルコムとの契約が必要な点に注意しよう。一括払いの場合2万8800円+月額料金となるが、W-VALUE割引+新つなぎ放題プランを利用すれば、新規契約の場合は頭金4800円+月々1980円で使い放題となる。使い放題のプランとしてはかなり安い部類に入るが、そこは機能のシンプルさや、通信速度とのトレードオフといったところだろう。

 以上、ざっくりと見てみたが、個人的な印象としては「使い方次第」。通信速度を考えると必然的に使えるシチュエーションも限られてくるため、利用する際には「どこでも『マジックアカデミーDS』で対戦したい」「遅くてもいいから、どこでも無線LANにつながる環境が欲しい」といった明確な目的があった方がいいだろう。とは言え「肝心な時に限ってアクセスポイントがない」「アクセスポイントを探して移動するのが面倒」といった無線LANの不便さをピンポイントで補ってくれるツールとしては無二のもので、そこに価値を見いだせるなら、検討してみる価値は十分にありそうだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2312/01/news138.jpg 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  2. /nl/articles/2312/01/news121.jpg “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  3. /nl/articles/2312/01/news115.jpg 「心底惚れて」「毎日うっとり」 宮里藍、新たな愛車を公開→国産車のチョイスに反響「庶民的」「きれいな色」
  4. /nl/articles/2311/30/news047.jpg 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  5. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. /nl/articles/2312/01/news065.jpg 「惨めな人生を送ってる」 パリス・ヒルトン、0歳息子の容姿揶揄をまたもバッサリ “頭が大きい”と受診勧めた人々振り返り「気の毒」
  7. /nl/articles/2312/01/news014.jpg ワンコ大好きなインコに“恋がたき”登場で174万再生! まさかの展開に困惑するワンコに「爆笑w」「ダブルだw」
  8. /nl/articles/2312/01/news019.jpg 寝込んだママが心配でたまらない元保護犬と小学生息子 それぞれが見せるけなげな姿に「泣けてきた」「なんて優しい子!」
  9. /nl/articles/2311/30/news031.jpg シロフクロウが自分とそっくりのぬいぐるみをくわえ…… 自慢げな表情に「本物の赤ちゃんかと」「ヘドウィグが!」と453万再生
  10. /nl/articles/2312/01/news105.jpg 俳優の井川瑠音さんが31歳で逝去 体調不良から復帰ならず、最後の投稿では「忘れられないようまだまだ精進」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」
  3. 愛犬と外出中「飼いきれなくなったのがいて、それと同じ犬なんだ。タダで持ってきなよ」と言われ…… 飼育放棄された超大型犬の保護に「涙止まりません」
  4. ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  5. 永野芽郁、初マイバイクで憧れ続けたハーレーをゲット 「みんな見ろ私を!」とテンション全開で聖地ツーリング
  6. 道路脇のパイプ穴をのぞいたら大量の…… 思わず笑ってしまう驚きの出会いに「集合住宅ですね」の声
  7. 柴犬が先生に抱っこしてほしくて見せた“奥の手”に爆笑&もん絶! キュンキュンするアピールに「あざとすぎて笑っちゃった」
  8. 病名不明で入院の渡邊渚アナ、1カ月ぶりの“生存報告”で「私の26年はいくらになる?」 入院直後の直筆日記は荒い字で「手の力も入らない」
  9. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  10. デヴィ夫人、16歳愛孫・キランさんが仏社交界デビュー 母抜かした凛々しい高身長姿に「大人っぽくなりました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」