すーすっとすぺすぺ「スペランカー」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/3 ページ)
しかし注意すべき点が1つ。幽霊が撃たれてから、完全に消滅するまで、タイムラグがある。撃たれた後の幽霊の残骸が、スペランカーに当たってもミスになるのだ。スペランカーは銃を撃つと、一定時間歩けなくなるので、ある程度離れた所から幽霊を撃たなければならない。
こうした銃の特性が、マニュアルに書かれていなかったので、わたしは幽霊がスペランカーの真横に来るまで待ってしまい、残骸に当たってミスになることが多かった。
一方のフラッシュは、投げると真上に飛んで行き、コウモリを倒すことができる。銃と同様、コウモリからやや離れた場所に撃っても効果がある。
フラッシュはその名のとおり、光を発してコウモリをやっつけるようだが、この光はまっすぐ下へ落ちてくる。そしてこれにスペランカーが接触すると、ミスになってしまうのだ。スペランカーは光にも弱いのか。
フラッシュの光が地面に落ちると、コウモリが復活してしまう。使い勝手も威力も微妙な武器である。
近年ますます高まる評価
以上のような難しさゆえ、ゲーム序盤で行き詰まるプレイヤーが続出。「スペランカー」は、ファミコンきってのクソゲーという、ありがたくない評価を受けることになってしまった。
ところが一方で、このゲームを絶賛するプレイヤーもかなり存在した。
ミスしてもミスしても根気良くプレイし続けて、段差に十分気をつけ、幽霊が出たら早めに攻撃し、鍵のある位置を覚えるようになると、だんだん先へ進めるようになり、だんだんおもしろくなってくるのだ。
難しいゲームだけに、うまく操作できるようになると、喜びもひとしおだ。難関を越えるときの緊張感がたまらない。
先のステージでは、ボートや、噴水で上下する床など、新たな仕掛けも登場する。ステージは4面までしかないが、その割には変化に富んでいて、多彩なアクションを楽しめるようになっている。
ただ、おもしろいと感じられるようになるまで、果たしてプレイヤーのモチベーションが続くかどうか? そこがこのゲームに対する評価を分ける、分岐点といえるだろう。
最近は「スペランカー」も、“頑張れば何とかなるゲーム”ということが、以前より知られるようになってきた。だから、何度もゲームオーバーになっても粘り強くプレイし続け、ステージ4までクリアする人が増えて、そのおかげでより一層評価が上がってきたのかもしれない。
事実、わたし自身がそういうタイプ。初めてプレイしたときは何度やっても全然前に進めず、そのまま何年間もほったらかしにしていたのだ。再びこのゲームにトライしたのは、Wiiのバーチャルコンソールでダウンロードしてから。そして1か月ほど前、遂にステージ4をクリアした。
ステージ4をクリアすると、スペランカーは見事に財宝を手に入れる。そして次の洞窟への挑戦が始まる。次の洞窟は、色こそ変わっているが、マップは前の洞窟と一緒。ただ、鍵が見えなくなっている。
その次の洞窟では、鍵を取るときにある動作を行なわなければならない。さらに次の洞窟では、鍵を取る際に、ある意外なアイテムが必要となる。鍵は相変わらず見えないので、違う場所でアイテムを使うと、1個無駄に消費してしまう。アイテムがなくなると手詰まりなので、鍵のある位置はしっかり覚えておかなければならない。
さらに次の洞窟では、幽霊が速くなっている。わたしは結局この洞窟の途中で、アイテムを切らして手詰まりとなってしまったが、それでもアクションゲームの苦手なわたしが5周めまで進めるのだから、「スペランカー」は決して、異常に難しいゲームというわけではない。
「スペランカー」について語る上で、「スペランカー先生」に触れないわけにはいかないだろう。
アイレムの開発部門を継承した、アイレムソフトウェアエンジニアリングの公式サイト。エイプリルフールネタのクオリティが異様に高いことで知られているが、毎週更新されている4コママンガコーナー「ふる里4コマ小唄」も人気が高い。その第1回から登場し、現在まで10年以上にわたって描かれ続けている人気キャラクターが「スペランカー先生」だ。
リアルな頭身で描かれたスペランカーが、学校の先生になって活躍(?)する。ちょっとしたことですぐ死ぬが、残機がある限り生き返る。そんな自らの運命を受け入れて行動するスペランカー先生が、ちょっとさわやかでかっこいい。
近年「スペランカー」の知名度と評価が高まっているのは、この「スペランカー先生」のおかげかもしれない。
スペランカーの住みやすい街
ちょっとした段差も下りられないことで有名なスペランカー。これでは日常生活にも何かと支障をきたすのでは……と他人事ながら心配になってしまうが、そんなスペランカーにぴったりの乗り物を見つけた。
段差が小さい未来の乗り物、アルナ車両の“リトルダンサー”!
段差が小さい“リトルダンサー”!
……本当にこういう名前である。
渋滞解消や環境問題、市街地活性化などの観点から、欧米で路面電車の価値が見直されてきた昨今、日本でもいくつかの地域で、ドイツで設計された超低床路面電車が導入されていた。そんな状況の中、アルナ工機(現・アルナ車両)は2001年、国産初の超低床路面電車の開発に成功した。それがリトルダンサーシリーズである。
現在では全国6社局の路面電車で運行されているが、わたしは最初に導入された3社局のうちの1社、土佐電気鉄道を走るリトルダンサーに乗るために、高知市までやってきた。
土佐電鉄のリトルダンサー、100形電車。愛称は“ハートラム”。3両固定編成で、真ん中1両の車輪に車軸を設けず、ほかの2両では台車をできるだけ端に寄せたことで超低床化を実現。床の高さは3.5〜4.8センチしかない。
これだけ段差の小さい車両であれば、スペランカーが乗ってもだいじょうぶだろう。
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