すーすっとすぺすぺ「スペランカー」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/3 ページ)

» 2009年06月01日 12時34分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

 もちろんこういう超低床型車両は、スペランカーを乗せるために造られたものではない。バリアフリーの観点からだ。交通バリアフリー法などの法律が施行された現在、多くの駅や公共建築物に、エレベーターやエスカレーターが新たに設けられ、階段や段差を通ることなく利用できるようになった。

 そういう意味でも、「時代がスペランカーに追いついた」といえるのではないかと……。

桂浜に建つ坂本龍馬像。像高5.3メートル、台座を含めると13.5メートルに達する
2つの岬の間に砂浜がある桂浜。月の名所として、よさこい節にも歌われた
高知城は全国でも数少ない、江戸時代からの天守が残る城。本丸御殿も当時のものが残っている

すっかり変わったスペランカーII

 1987年、ファミコンで「スペランカー」の続編、「スペランカーII 勇者への挑戦」が発売された。

 スペランカーが洞窟で手に入れた宝物には、古文書が含まれていた。そこに書かれていたのは、邪悪の神ゲイラの影響で所在が分からなくなっていた“フェアリーランド”について。閉じ込められた3人の妖精を1000年以内に助けることができれば、荒れ果てた人間の世界に、フェアリーランドの光が再び降り注ぐという。

 この「スペランカーII」、1作めとは何から何まで違うゲームになっている。まず主人公を、探検家、エスパー、聖職者の中から選ぶことができる。エスパーは超能力攻撃と、マークを置いた場所へのテレポートが可能。聖職者は魔術で敵を足止めできる。探検家は、弾数に制限のあるピストルが使えて、あとは、……最初に持てるアイテムの数がちょっとだけ多い。

 主人公を選ぶと、いきなり野外からスタートする。基本は横スクロールアクションだが、マップのつながりが複雑で、しかも広い。敵の種類が多くて、しかも強い。謎や隠し通路が多く、気づかないと先へ進めない。

はじめに主人公を選択する。ご覧のとおり、残機制だった前作とは違い、ライフ制になっている
スペランカーなのに屋外。ここで鹿を助ける方法を見つけることが、最初の難関だった

 このゲームの大きな特徴が、「徳」というパラメータ(能力値)。敵を倒すと増えるが、鹿を倒すと大幅に減る。また、洞窟内に落ちてる食料と遺書(ヒント)を手に入れてもなぜかちょっと減る。死んだ冒険者から奪ったという解釈なんだろうか?

 徳の数値は、穴に落ちてしまったときに重要となる。閻魔大王が現れて、主人公の徳を査定。高いとゲームに復帰できるが、低いと即ゲームオーバーになってしまう。

 ただ、それだけのために徳というパラメータがあるわけではない。徳の高さによって、どうやらエンディングが変わるらしいのだ。

 「らしい」と書いたのは、わたしがステージ2の途中で行き詰まって、とうとうクリアできなかったから。「スペランカーII」には、“マップが広く、プレイ時間がすごく長いのに、途中でのデータセーブが一切できない”という、この時代のアクションゲームにおける悪い傾向がもろに現れている(コンティニューは、ステージ2に出てくる“コンティニューじいさん”に会えば可能)。

 さっき改めてネットをチェックし直して知ったが、実はこのゲーム、ステージ3までしかないらしい。だったらもうちょっと頑張れば、クリアできるかもしれない。……とはいえ、セーブもパスワードもなく、電源切ったらまた初めからやり直し、というのはやっぱりきついんだけど。

フィールドから落ちると閻魔大王出現。いったいどこの国が舞台なのか、よく分からなくなる
ロープからのジャンプ、ガスの出る岩、爆弾など、前作をほうふつとさせる場面もある
各ステージにはボスも登場。ステージ1のボスはそれほど強くない。ただここに来るまでが大変

 ちなみに徳というパラメータがあるのは、もしかしたら「ウルティマIV」の影響かもしれない。国産PC版が発売されたのは「スペランカーII」とほぼ同じ時期だが、アメリカで発売されたのは1985年。なお、「ウルティマ 聖者への道」というタイトルで1989年、ファミコンにも移植されている。

 「ハイドライド3」の方がシステム的に近いような気もするが、「ハイドライド3」のPC版は1987年11月発売で、「スペランカーII」より少しだけ遅かった(ファミコン版は1989年)。

 それから、「スペランカーII」というタイトルのゲームは、アーケード版にもある(「スペランカーII 23の鍵」)。アーケード版はIもIIもファミコン版とは別物らしいが、残念ながらプレイしたことはない。

エイプリルフールネタが現実に!

 「スペランカー」は現在、Wiiのバーチャルコンソールで配信されており、ずいぶん入手しやすくなった。今プレイしてもおもしろいゲームなので、ぜひダウンロードすることをおすすめする。

 また、MSX版がプロジェクトEGGで配信されている。わたしもプレイしてみた。マップなどはかなり忠実に移植されているが、操作感覚やスピード感がかなり違う。こういう別バージョンが今またプレイできるようになったことも、「スペランカー」の人気を物語っているといえよう。

 2008年にはスペランカーのソフトビニールフィギュアや、ゲームBGMが聴けるサウンドボトルキャップが発売された。わたしも「日々是遊戯」の記事を見て、「スペランカー」の人気はそこまで高まっているのかと驚いた。

 もし、手に持ってるのが銃じゃなくて、卓球のラケットだったら、ファミコン4超人のクッパ河島さんみたい。……って、何人の方がこのネタ分かるんだろう?

 そして2009年、「みんなでスペランカー」がリリースされた。

 もともとは前年、アイレムソフトウェアエンジニアリングの通販サイト「アイレム横丁」に掲載された、エイプリルフールネタだった。

 最新ゲーム機用のダウンロード専用タイトルで、「スペランカー」25周年ということで、ステージ数は第1作の4ステージ×25の全100ステージ。ファミコン版そのままのグラフィックと、リニューアルされたハイクオリティなグラフィックを選択可能。巨大な幽霊が登場。6人までのオンラインマルチプレイが可能。

 ……と、エイプリルフールネタで書かれた仕様が、ほぼ盛り込まれて商品化されている。

 ちなみにエイプリルフールネタでは、ハードはEXIDNA(過去のエイプリルフールネタに出てきたアイレムの次世代ゲーム機)、販売価格は200兆円となっていたが、それはさすがに現実化せず、ハードはプレイステーション 3で、価格は税込2400円となった。

 ところで、配信を半月後に控えた3月13日、銀座のEIZO ガレリア銀座にて、「みんなでスペランカー」の発売記念イベント「SPELUNKER LOUNGE」が開催された。ゲーム業界の各方面から、13人の方々がゲストとして招待されていたが、そのゲストの中に、わたしのマイミクさんが3人もいた。

 でもわたし自身はゲストじゃなかった……。

 後日、各社のニュースサイトで、ゲストの皆さんの集合写真を見て、自分もこの中に加わりたいなあと改めて感じた。でも、杏野はるなさんみたいに、初代「スペランカー」で何十周もクリアできるようにならないと、こういう場のゲストには呼ばれないんだろうなあ。

(C)Tim Martin
(C)1985,2008 IREM SOFTWARE ENGINEERING INC.
Licensed by Tozai, Inc.


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」