E3 2009で何があったのか? まとめて読みたいあなたのために(前編)E3 2009総括(2/4 ページ)

» 2009年06月17日 15時41分 公開
[記野直子,ITmedia]

Xbox 360専用タイトル

「Crackdown 2」Microsoft

「Left for Dead 2」Electronic Arts

 Half Lifeの開発会社Valveの大ヒットFPS「Left 4 Dead」の続編が早くも登場。11月17日発売予定。

「Forza Motorsports 3」Microsoft

 2年半ぶりに待望のレーシングゲームの続編が発売される。10月発売予定。

「Splinter Cell: Conviction」Ubisoft

 定番Tom Crancyシリーズの続編。記者がE3中に業界関係者と話した中で、会期中発表されたタイトルで一番印象的なタイトルではないかとの呼び声が高かった。2009年年末発売予定。

「Halo 3: ODST」Microsoft

9月22日発売予定。その後2010年に「Halo:Reach」が発売されることも発表され、Halo 3: ODSTを購入すれば、「Halo:Reach」のマルチプレイヤーβ版が含まれているとのこと。

「Alan Wake」Microsoft

 現在開発中の新規IPアクションアドベンチャー。作家である主人公が、自ら書いたストーリーが現実化していくというストーリー。

XBLAタイトル

「Shadow Complex」Microsoft

 Gears of WarシリーズのEpicが手掛けるXBLA専用タイトル。横スクロールのサクサクと進むタイプのシューティングだがアイテム収集なども含めかなり深い内容になっているらしい。この夏にダウンロード開始になる予定。プレイ時間は約10時間。

「Joyride」Microsoft

 マイクロソフトがフリーで提供するレースゲーム。マイクロソフトが初めて提供するマイクロトランザクションモデルのDLC。ユーザはアバタやパーツなどを購入することができる。今後3rdパーティに対してこのスキームを適用するかは今のところ発表されていない。

Xbox LIVEが更に充実

若干アメリカ寄りな発表が多かった印象。Last.fm(ラジオ)や Netflix(デジタル映像レンタル)などの提携強化が行われたとの発表。また、フル1080p、5.1ch ビデオサービスが可能になり“no disc, no download, no delay.(ディスクもダウンロードもディレイもなし)”でブロードキャストが世界18カ国で楽しめるようになったと発表。対応の国の旗がスクリーンに映し出されたが、日本の日の丸はなかった……。

 また、映画やテレビを友人とLiveパーティを通じて共有して見ることができ、その際にカウチにみんなのアバタが並んで座って映像を見ている様子がスクリーンで見られるのだそうだ。

 また、「Facebook Experience」という新しいサービスを立ち上げたと発表。つまり「Facebook」のプロフィール、写真、ニュースフィードなどのスタンダード機能が追加されたので、Xbox 360上でも友人とつながることができるようになったわけである。

 また、秋には「Twitter」も導入される。Xbox LIVEは更にコミュニケーション機能を強化して単なるゲーム機としてのみではなく、家庭のセットトップボックスの地位を狙っているのかもしれない。


Project Natal

 今回のプレスカンファレンスの目玉とも言える「Project Natal」(プロジェクトコード名)の発表があった。商品化されていて既に対象ソフトがある、と言うわけではないところが残念だが、カメラを使って、ユーザの動きと音声認識だけでゲームを遊んだりインタフェース(Dashboard自体)を操作したりできる代物である。つまりコントローラのないコントロールである。SCEがプレイステーション 2時代に発売したEye Toyカメラを彷彿とさせるものであるが、1つのソフトのコントローラとしてではなく、Xbox 360のインタフェースとして、またあらゆるゲームのコントローラとしてと位置付けているところはまったくの別モノとも言えよう。

 この技術では、ユーザの顔や声を認識して、ユーザ本人のプロフィールにアクセスできる。

 ゲームプレイでの用途として、ドライビングゲームで、ハンドルを握った(実際にはただ単に握ったように構えているだけだが)ユーザがドライビングをし、ピットワークを担当するユーザは、タイヤを替える動きをとってタイヤ交換をするデモがあった。また、全身をカメラに感知させてスケートボードをするデモなども披露された。一切のコントローラを使用せず、大きなキャンバスの上に絵を描く実演も行われ、手やジェスチャーでインタフェースを駆使していたのも興味深いものだった。

 Spielberg氏が、ステージに招かれてNatalを語った言葉には非常に考えさせられた。日本語に訳すと難しくなるが、「手に取りやすい製品を作る唯一の方法は、テクノロジーを目に見えない形にして、学習カーブを取り除いてしまうことだ」とのこと。つまり、難しいテクノロジーが使われている、ということを感じさせない簡単なアプローチによって、ユーザに操作の難しさを予期させないことが大事、ということである。余談だが、記者はこれを聞いて、「i-mode」の立ち上げ期に「インターネット」と言わなかったドコモの戦略を思い出していた。

 また、Fableのクリエイターであり、MSのプレスカンファレンスに必ず登壇するPeter Molyneux氏が現われて、彼が取り組んでいるProject Natalの進捗状況について映像を見せてくれた。1人の女性がTVスクリーン上のミロという男の子とNatal技術を使ってコミュニケーションを行っているデモであった。実際の写真やメモをミロがスクリーン上で受け取って、反応してくれるのだ。驚くべきデモであったが、Molyneux氏は「ここまでできるようになったのは事実だ」と自信を持ってコメントしていた。いよいよ本来の意味でのインタラクティブ性が進むのであろうか。

マイクロソフトのまとめ

 大物ゲストの登場でタイトルの演出もかなり派手に行っていた印象だが、やはり、目玉はProject Natalであろう。ただ、記者がマイクロソフトらしくないと考えたのは、実際の製品や発売日、対応ソフトなどの情報なしでこのような発表を行ったことであった。

 5月からこの技術に関してはリークされていたものの、カンファレンス中のかなりの時間を使ってこの技術について説明された。ただ、技術がすばらしくても、実際に動かしてみなければ「正当な」判断はできない。マイクロソフトほどの会社であれば間違いなく素晴らしいものに仕上げてくれるであろうし、それだけマイクロソフトが会社をあげてフォーカスしているプロジェクトであると言うことであろうが、このタイミングでの発表にはいささか疑問が残った。他に発表する大きなニュースがなかったのか、と深読みしてしまう。

 次世代機とは言われなくなったXbox 360に関してハード関連の大きな発表を望むのは無理な話であろうが、E3直前に発表になったZune HDの話が触れられていなかったのは意外だった。PSP go、DSiに対抗してマイクロソフトもいよいよケータイゲームプラットフォームに名乗りを上げるのか? と噂されていただけに、直前に「小売りに対する配慮」で発表を控えたのでは? と考えてしまうのは記者だけであろうか。PSP goの発表後SCEが受けていると言われる小売りの反発を聞くと、一概に否定できない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news189.jpg 「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
  2. /nl/articles/2411/22/news014.jpg 川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
  3. /nl/articles/2411/22/news114.jpg 中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
  4. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2411/22/news032.jpg 「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
  6. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  7. /nl/articles/2411/22/news171.jpg なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
  8. /nl/articles/2411/22/news145.jpg 大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
  9. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  10. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた