「信長の野望・天道」連載(第2回)――「街道」を核にシステムを整理した「天道」:伸ばせ街道! 戦国ニッポン改造論(2/3 ページ)
軍事としての街道掌握――進撃路と防衛ラインに沿った施設展開
「街道」が支配の象徴であるなら、戦争もまた街道をめぐって生じる。敵の「工作隊」が自領近くまで道を引こうとしたら、これを阻止するために軍勢を差し向けることになるのは必然だろう。そして「天道」には、「砦」「櫓」「狼煙台」「兵糧庫」「陣屋」という5種類の軍事施設が設定されていて、いずれも自軍の軍事行動を有利にしてくれる。例えば「櫓」と「砦」は弓矢で敵部隊を攻撃してくれるし、「狼煙台」があれば敵に奇襲をかけられる。自軍の進撃ルートに沿ってこれらを配置すべきなのはもちろん、想定される敵の侵攻ルート上でも役立つことだろう。
また、自領内には「支城」を建てることも可能で、「支城」と各集落を街道で結べば、本城とほぼ同様の機能を果たす。防衛拠点として、あるいは進撃路に沿った出先機関として使えるファクターだ。
支配できる「集落」のなかでも、大名家の戦闘に深く関わってくるのが「諸勢力」だ。家臣団でもその下の領民でもない社会集団は、「信長の野望・嵐世記」以降拡充が続いているファクターだが、今作では合計16種類登場する。「諸勢力」には契約関係を結んで協力を求めるだけでなく、「革新」同様に、大名が傘下に収めることも可能なシステムとなっている。今作の「諸勢力」は通常、本拠地の隣国までしか進出できないが、大名家がこれを「お抱え衆」とすることにより、全国で活躍するようになる。そして、活躍を重ねることで規模が拡大していくのも、今作における「諸勢力」の特徴だ。
今回初めて登場する「諸勢力」としては、史実において武田家の下で戦闘にも活躍した金掘り集団「百足衆」や、各大名家で重用された城の石垣積み職人集団である「穴太衆」(あのうしゅう)が挙げられる。これらの勢力は、その独特の職能を生かして城攻めに活躍する。同様に、関東で鎌倉時代以来続く中小武士団である「武蔵七党」の軍勢や、瀬戸内を舞台に活動した海賊/海民集団「塩飽衆」も登場する。大名家にとっては陸路のみならず海路も重要であって、彼らを味方につけられれば、覇業の達成に一歩近づくことになるだろう。
戦闘に当たって、各武将は得意技ともいうべき攻撃方法である「戦法」を一つずつ持ち、戦闘開始後の時間経過につれて伸びる「闘志」ゲージが、たまることで発動可能になる。歴代作品と同様に「天道」でも人材こそが大名家の柱石だ。
「戦法」には、通常よりも効果の高い攻撃手段のみならず、同じ「陣」(後述)に属する味方すべての戦闘力/破壊力を引き上げたり、敵部隊に状態異常(混乱など)を引き起こしたりするものもある。
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