ライト&ヘビーの両立を目指す「APPLESEED TACTICS」――単なる原作物に留まらない独自のスタンスに注目

ゲームポットは10月15日、「APPLESEED TACTICS」のオープンβテストを実施することを発表した。同ゲームは2つのコンテンツからなっているが、そのうち、「アップルシード:C」と呼ばれるコンテンツにつき概要をお伝えする。

» 2009年10月09日 18時13分 公開
[ITmedia]

 APPLESEED TACTICSは人気漫画家・士郎正宗氏原作のコミック「アップルシード」を背景世界に使用した戦略シミュレーションゲーム。プレイヤーは世界の覇権を狙う5つの勢力のいずれかに所属し、自勢力に勝利をもたらすため、政戦両略に渡る任務に挑んでいく。

コミック「アップルシード」の背景となっている未来の地球をワールドマップとして使用

 特徴的なのは、参加プレイヤー全員がひとつのゲーム世界をリアルタイムで共有すること。チーム戦になっているため、単純に自分自身が功績を挙げれば勝てるということにはならず、同じ勢力に所属する戦友たちとの連携が大切になってくる。

プレイヤーキャラクターのレベルは兵長、軍曹、准尉など、軍隊的な階級で表される。階級を上げることで強力な部隊が組めるようになっていく

 勝利条件が支配領域の広さではなく、経済的な豊かさで決まるようになっているため、無闇に領土を広げず、手の届く範囲を開発したほうが有利なこともある。また外交関係を操作することで、“自勢力からは攻撃が可能だが相手勢力は手が出せない”といった状況を作り出すことも可能。まさに内政、外交、戦争という手段を、情勢に応じて的確に使い分けた勢力が勝利を収めるようになっているのだ。

勢力同士の関係を示したInformation画面。表示タブを切り換えていくことで国力、外交関係、支配地の状況などを知ることができる

 とはいえ、先程も言ったようにチーム戦であるため、どんなに強いキャラクターがいてもひとりではその力は空回りしてしまう。それぞれが自分の役割を認識し、チームプレイで勝利を目指していくのだ。そのためのコミュニケーション手段として、ゲームには掲示板やメール機能が実装されている。

掲示板を全体会議とするなら、メールは私的な連絡手段。他勢力に所属するプレイヤーキャラターにメールを送ることも可能。策謀を巡らすのもアリ?

 実際に任務を行う場合には、カードを組み合わせて編成した部隊を用いる。このあたりのイメージはトレーティングカードゲームに似ている。ゲームをプレイすることで得たポイントを使ってショップでカードを購入し、任務の適性に応じてカードを配列していく。判定自体はオートで行われるので、どんな状況になっても(つまりプレイヤーが介入できない状況でも)負けない編成を作れるかが重要になる。配列順によってコンボが成立することもあり、こうしたシステムを駆使することが勝率に影響してくるのだ。

カードには直接ダメージを与える打撃系、味方の損傷を癒す回復系、味方の能力を高める支援系、敵を妨害する攪乱系などの種別がある。部隊はそれらの組み合わせで作られる

 興味深いのは、このゲームがインストール不要のブラウザゲームであること。一般的にブラウザゲームというとライトでシンプルなゲームが多いが、アップルシードタクティクスはそれとは真逆な、海外のボードゲームや戦略ウォーシミュレーションを想わせる本格志向になっている。

各勢力が統治することになる拠点は、経済的な基盤となる「都市」と天然の防壁となる「要地」に大別される。これらの拠点が連結したネットワーク型のマップは戦略ウォー・シミュレーションではおなじみ

 その一方で、不在の間も行動を自動処理してくれるループ機能が搭載されていたり、1回のゲームが1週間で決着が付き、再び世界をリセットして第2回戦が開始されるようになっていたりと、ブラウザゲームらしい手軽さも併せ持つ。オープンβで獲得した経験値などの成長要素をそのまま正規サービス以降に持ち越せるのも、繰り返しプレイすることを前提にした作りの現れだろう。いずれにせよ、最近のブラウザゲームではかなり珍しいタイプの作品なのは間違いない。

 オフィシャルからも“ガチで勝ち負けを競うゲームを楽しんで欲しいと思って作った”という声が届いている。完全無料&従量課金制のゲームなので、ちょっと変わったゲームをやってみたいとか、少し歯ごたえのあるゲームをやってみたいと思っている人は、この機会に試してみてはいかがだろうか?

(C)士郎正宗/青心社/M2 Published by Gamepot Inc.


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/14/news049.jpg ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. /nl/articles/2501/16/news152.jpg タンクトップ姿のパパ「昔はモテた」→娘は信じていなかったが…… かつての姿に衝撃走る「『トップガン』に出ていても納得」【海外】
  3. /nl/articles/2501/16/news154.jpg 「まじで終わってる」 マクドナルド「エヴァ」コラボ品“高額転売”に嘆く声…… 「結局欲しい人が買えない」
  4. /nl/articles/2501/16/news099.jpg 大谷翔平、“家族とのショット”が210万表示の反響 幸せそうな高画質の表情に「いい写真だ!」「初めてタップした」
  5. /nl/articles/2501/16/news033.jpg 「初心者でもレモンが“必ず”実る」驚きの裏ワザで育てると…… 想像を超える大収穫に「目から鱗」「そーゆーこと?!」と大反響
  6. /nl/articles/2501/15/news094.jpg 実家のトイレがリフォーム→ 判明した“重大欠陥”に2100万表示の驚き 「気付かなかったのか」
  7. /nl/articles/2501/16/news134.jpg 元欅坂46、幼少期→学生時代→現在の成長ビフォーアフターを公開 「仕上がりすぎです」「優勝」と280万再生突破
  8. /nl/articles/2501/15/news074.jpg 賞味期限「2年前」のゼリーを販売か…… 人気スーパーが謝罪「深くお詫び」 回収に協力呼びかけ
  9. /nl/articles/2501/16/news155.jpg 「timelesz」候補者が持っていた“ダイソーのぬいぐるみ”、店頭から消える 「どこにもない」「篠塚担のうさぎ狩り」と話題に
  10. /nl/articles/2501/15/news169.jpg 「お遊戯会ではない」と批判受ける→成人式に“メルカリで買った服”で参加したインフルエンサーが反論 「ちょっとまって」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  2. 「大根は全部冷凍してください」 “多くの人が知らない”画期的な保存方法に「これから躊躇なく買えます」「これで腐らせずに済む」
  3. 浜崎あゆみ、息子2人チラリの朝食風景を公開 食卓に並ぶ“国民的キャラクター”のメニューが意外
  4. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  5. 中2長女“書店で好きなだけ本を買う権”を行使した結果…… “驚愕のレシート”が1300万表示「大物になるぞ!!」「これやってみよう」
  6. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”の家族に反響 ジュノンボーイの幼少期が香取慎吾似?【コンテスト特集2024】
  7. 大好きなお母さんが他界し、実家でひとり暮らしする猫 その日常に「涙が溢れてくる……」「温かい気持ちになりました」
  8. 「やばすぎ」 ブックオフに10万円で売られていた“衝撃の商品”に仰天 「これもう文化財」「お宝すぎる」 投稿者に発見時の気持ちを聞いた
  9. 「こんなおばあちゃんになりたい」 1人暮らしの93歳が作る“かんたん夕食”がすごい! 「憧れます」「見習わないといけませんね」
  10. 【今日の難読漢字】「碑」←何と読む?
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」