「リアルサウンド 風のリグレット」の画面写真を作ってみた:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(4/6 ページ)
時計台とその周辺とそこから見える景色と
同級生の園川が経営するバーは、駅南口の商店街にある。似た雰囲気の景色として、南紀白浜温泉の飲食店街を撮ってみた。温泉地らしく、通りの中に足湯があり、周囲には日帰り温泉施設も多い。
ホテルで1泊した博司たちは、留守番電話のメッセージを頼りに、かつて駆け落ちの待ち合わせをしていた時計台のある場所へ向かう。そこは樫の木の生えた小高い丘で、1日3本のバスに乗れればいいが、徒歩で行くとかなりきつい坂を上るはめになるようだ。
丘の上は、傾斜のある芝生広場になっている。紀伊半島で似た風景を探してみたところ、本州最南端の潮岬(しおのみさき)に、まさにそういう芝生広場があった。段ボールをソリにして滑り降りる人はいなかったが、岩場の向こうに広がる太平洋を見に、訪れている人は多かった。
ただここは岬の突端なので、景色はきれいだが町は見えない。丘からの眺望を再現するには、別の場所で写真を撮る必要がある。
街を一望できる高い場所ということで、まず和歌山城へ行ってみた。標高48.9メートルの虎伏山の山頂に建つ大天守から、和歌山の街を眺めてみる。もともとこの街自体が和歌山城を中心に発展したので、どちらを向いても大小の建物が遠くまで連なっている。あくみ町は海と山に挟まれた、へちまに例えられるほどの細長い町なのだが、和歌山城から見える景色に、そういう個所は見当たらない。
次に、和歌山から南海フェリーで徳島へ移動。阿波おどり会館から出ているロープウェイに乗って眉山の山頂へ行き、街並みを眺めてみた。川に囲まれた市街地は、ひょうたんに例えられるそうだ。ただしあくみ町とは違い、ひょうたんの外側にも市街地が広がっている。確かに海と山に挟まれた土地だが、細長いという感じはしない。
徳島からの帰り道、ふと思いついて、源平の合戦で有名な屋島に立ち寄ってみた。獅子の霊巌という場所からは、高松の市街地や、瀬戸内海の島々がきれいに見える。
目を下の方に転じると、屋島のふもとの風景が、まさに海と山に挟まれた、へちまのような細長い町。線路は通っていないけど、意外な所にそれっぽい土地があったもんだ。
あくみ町の時計台の近くには、博司と菜々が雨宿りした、つぶれたドライブインがある。重要なシーンの舞台なので、何としても写真で再現したいと思ったが、つぶれたドライブインなんて観光ガイドに載ってない。事前に調べて目をつけた場所が、行ってみたら既に更地になっていて困った。でも四国某所で、遂にそれっぽい建物を見つけたので撮影できた。
最後は時計台そのものの写真である。
時計台の外観は、かなり詳細に描写されている。レンガ造りだが、そのレンガは塗装されている。前の町長が建てたものだから、あまり古いものではない。鐘があり、窓があり
、どうやら窓ガラスもあるようだ。
……詳細に描写されすぎているがゆえに、当てはまる実在の建物が思い浮かばない。意図的に実在の建物を想像させないようにしたのかもしれない。
紀伊半島だと、和歌山市のポルトヨーロッパの噴水広場前に、2本の時計塔がある。いい雰囲気なのだが、独立した塔ではなくて、建物の一部になっている。ヨーロッパ風の建物が並ぶ中にあってこその塔という感じ。
紀伊・東四国に限らなければ、建った経緯は富山県小矢部市にある一連のメルヘン建築に似ている。行って写真を撮ろうとも思ったが、これらは学校とか公民館とかなので、時計台っぽい形をしていない。
ハウステンボスのドムトールンは、いかにも時計塔といった外観なのだが、105メートルもあり、あまりにも高すぎる。埼玉県にある深谷駅はレンガ調の駅舎になっているが(かつてレンガの生産地で、東京駅にも深谷のレンガが使われたことをPRするため)、東京駅を模しているので横幅が広い。三井アウトレットパーク横浜ベイサイドにも時計台っぽい建物があるが、白い。
そんな中、色は違うけど倉敷駅北口広場に建っているレンガのからくり時計が、かなりそれっぽいことに気づいた。これに色を塗って大きな窓を開けて丘の上に建てたら、あくみ町の時計台になるような気がするのだが、どうだろうか?
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