こんなブッ飛んだ魔女が今までいただろうか(いや、いない)――全編クライマックスの超絶アクションゲーム「ベヨネッタ」レビュー(2/2 ページ)

» 2009年11月13日 08時42分 公開
[仗桐安,ITmedia]
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魔女の超絶アクション! 回避からウィッチタイムにつなげるべし

 主人公ベヨネッタの基本スタイルは、両手両足にスカボロウフェアという銃を装備し、銃撃と体術を自在に操る格闘術バレットアーツ。その他にも“妖刀 修羅刃”や“クルセドラ”というムチなど、様々な武器を巧みに扱うことができる。各ボタンにはパンチボタン、キックボタン、アクションボタンなどが割り振られているのだが、それらの組み合わせで多種多様なコンボを生み出すことができる。もちろん武器ごとにちゃんとモーションが作られているので、武器が変われば違ったアクションを楽しむことができる。

妖刀 修羅刃を装備すれば、途端に剣戟アクションを楽しめる
アイテムの配合で消費アイテムを作るのも楽しい

 ボタンを適当に押しててもそれなりにカッコよくプレイできるし、ちゃんと狙ってコンボを出せるようになれば、魔女としての闘いの美学を追求した更にカッコいいプレイだってできる。難易度設定がVERY EASYから5段階も用意されている上に、プレイ中に詰まったら難易度変更することもできる本作は、アクション初心者への配慮がバッチリで間口が広い作品だと言っていいだろう。

時には業火に燃える街で戦うことも

 ちなみに筆者はNORMALで始めてみたのだが、アクション好きを自認する割に、途中何度もゲームオーバーになってしまった。コンティニューによる直前からのやり直しが利くし、セーブとは別にコンティニューしたポイントも保存されているので、電源を切って再開しても詰まったところからすぐにやり直せるのは実にいい。何度も同じところで倒されてはうーんと唸りチャレンジして、どうにか敵を倒せた時の感覚は何とも楽しい。倒れることで学習しうまくなっていく、というアクションゲームのツボはおさえてあるな、という印象がある。回復系アイテムの入手がシビアだったりするが、この突き放したハードな感じがたまらん、というのは筆者の個人的な見解だ。


一度力尽きても復活できるアイテム・レッドホットショットは、常に持っておきたい
何度この画面を見たことか……。かなり歯応えのあるアクションゲームなんです

 魔女ベヨネッタは、バレットアーツ以外にもさまざまな能力を持っている。特徴的な黒い髪を自在に操るウィケッドウィーブや、ここぞというクライマックスで繰り出す、髪の毛を触媒にした大魔獣召喚など、今までのアクションゲームにはなかった斬新なビジュアルの攻撃は、見た目にもインパクト大だ。敵の天使を突然拷問器具にかけてメッタメタに攻撃をするトーチャーアタックや壁を自在に駆けるウィッチウォークもド派手で楽しい。

 そして本作でおそらく最も重要なアクションが、ウィッチタイムを生じさせる回避行動だ。敵の攻撃をギリギリで回避することで、自分以外の全てのスピードを遅くさせるウィッチタイムが発動する。このウィッチタイムを効果的に使えば百戦危うからず。ステージを進むための謎解きにも必要なので、ぜひともマスターしておきたい能力だ。

ウィッチウォークで重力を無視して壁を歩くことができる
ウィッチタイム発動中は画面が青くなる。隙だらけの天使にコンボを叩き込め!

 天使たちを倒して先に進むためには、とにかく一に回避、二に回避。回避を制してウィッチタイムを自在に発動させられるようになれば、貴方のベヨネッタは快進撃をするだろう。

とにかく避けよう。避けることからすべてが始まる
ローディング画面でコンボを試せるのはなかなかよいアイデアだ

現時点で遊べるトップクラスの3Dアクションゲーム、と言わせていただこう

EXTRAで自分のやり込み度を確認できる

 本作はネットワークを通じての対戦や協力プレイなどは搭載していないが、リーダーボードによるランキングへの参加は可能。全国の猛者とスコアを競い合うのも一興だ。

 魔女が天使を狩るという斬新な設定や、ベヨネッタの過激なアクション、セクシーなコスチュームなどが目立つ本作ではあるが、単純にアクションゲームの部分だけ見ても、そのシステム、ボタンを押してコンボが出る楽しさ、ベヨネッタが少しずつ強くなり少しずつ技が増えていく面白さ、何度も挑みたくなる絶妙な難易度など、優れた部分が多いように思う。

こんな天使がいたら、メッチャ泣きます……

 また、やり込もうと思ったらいくらでもやり込めるボリュームも高く評価したい。2周目プレイで手に入る武器があるなど、もはやアクションゲームとしてはよくある要素ではあるが、それを手に入れたいと思うベースのアクション要素がしっかりしているので、ハマる人はどっぷりハマることができるはずだ。

 個人的には「昨年の東京ゲームショウで感じた“面白そう”という予感は間違っていなかった!」と思っている。現時点で遊べる3Dアクションゲームの中ではトップクラスの出来栄えだと言っていい。全編クライマックスな背徳の天使狩り……この面白さをぜひ体験していただきたいところだ。

「BAYONETTA(ベヨネッタ)」
対応機種プレイステーション 3/Xbox 360
ジャンルアクション
発売日2009年10月29日
価格(税込)7980円
(C)SEGA


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