「信長の野望・天道」連載(第6回)――上杉家リプレイ・人の巻「しょ、将軍になりたかったなあ……」伸ばせ街道! 戦国ニッポン改造論(3/4 ページ)

» 2009年11月20日 03時26分 公開
[Guevarista,ITmedia]

 勝てそうもない相手に対し、遅滞戦術を取りにくい、取る手段がないのがこのゲームである。AIもそのことを前提に組まれているのか、上杉家の九州遠征は少々大げさに言うと、無人の野を行くがごときペースで進む。島津による必死の抵抗を予想していただけに、これはやや意外であった。

 では島津はその間何をしていたかというと、四国から鈴木家を追い出そうと頑張っていたのである。額面上の兵力でいえば、鈴木家は島津が十分に倒せる相手であって、こちらに活路を求める戦略もアリといえばアリだ。しかし、戦いの要所要所で上杉が援軍を送る以上、鈴木家の戦力を額面だけで判断するのは誤りである。このゲームにおける下位者との同盟には、敵のAIに状況判断を誤らせる効果があるともいえそうだ。

北九州で順調に橋頭堡を広げる上杉軍

軍団の役割を打撃部隊と包囲部隊に分け、最小の損害で九州各地の制圧を図る

 当初の予想よりも兵に余裕の出た我が家は、九州各地における攻城戦をより経済的に進めることを考え始める。一乗谷における島津との一戦以降、我が軍の主力は騎馬鉄砲隊で固められているのだが、この兵科の短所は馬と鉄砲の消耗が激しいことだ。そこで、我が軍の編成をおおまかに2種類に分けることにした。

 野戦軍は相変わらず騎馬鉄砲隊として、それとは別に包囲専門の足軽隊を編成し、城方の兵をある程度片付けたら包囲で城を陥落させる。一から十まで鉄砲で打ち崩していると、馬と鉄砲が見る見る減っていくし、陥落後の城はボロボロで修理費用もかかる。それに対して包囲戦術なら、一時的な人的損害だけで済む。減った兵力は敵方の負傷兵を吸収することで補えるし、島津は城にけっこう馬と鉄砲を用意していたので、これも現地調達が利いた。

 かくして、九州遠征軍は自給自足で速やかに戦線を前進させていけたのである。もっとも、敵方の兵力が圧倒的に少なかったことを考えると、包囲よりもむしろ攻城櫓に重点を置き、城の破壊でも士気へのダメージでもなく城方兵力の制圧に集中したほうが、さらに効率が良かった可能性もあるが。




せっかくなので、城攻めのシーンをアップで。RTSなのでグラフィックスのスケールはともかくとして、城のディテールなどもなかなか細かく描かれている

島津家には、反則のようなスキルの持ち主が多いので、捕虜の返還は極力拒んだ。ただし、最後の手段として禅僧を連れてこられると、無条件で返還させられる

上杉謙信、天下人への(予想外の)道

九州遠征完了直後の情勢。島津家の始末は鈴木家に任せることに

 中国地方と九州を失った島津家は、もはや鈴木家と大差ない勢力である。四国と、近畿のごく一部に残る島津領は鈴木家のために手をつけずにおいて、我が家の主力軍団はなぜか飛騨に集結して、能登半島の攻略を目指す。加賀/能登方面には本願寺および、本願寺と結ぶ神保家があって、上杉家に対する「包囲網」イベントが生じたときだけ、申し訳程度に攻めてくる。「包囲網」の有効期間は一応2年、プレイ終盤では1年ずつくらい間隔を空けつつ「包囲網」が常に続くのだが、もはや脅威でもなんでもない。

 ではなぜ、島津を放置し、いつの間にやら28万もの兵を溜め込んでいる南部家をも放置して北陸に出るかといえば、そろそろフィニッシュを決めるためである。今回のプレイでは北陸を完全に制圧したあたりで、家の「名声」が1000を突破する。そこできっとプレイに区切りがつくだろうと踏んでのことだ。

 動員した兵力は、対島津戦よりも少ない15万そこそこ。しかもそのうち3万ほどは包囲専用の足軽部隊だ。なにしろ、神保家が3〜4万、加賀の本願寺勢力でも7万に満たない兵力であるから、これで十分だ。……いやまあ、どうかすると九州の占領地に続々と「公家館」を建てて名声を挙げれば、無理にやらなくても済むくらいの戦争かもしれない。


飛騨から加賀・能登へ、人気取りのための戦争に出かける

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/14/news189.jpg 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  4. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  5. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  7. /nl/articles/2411/15/news009.jpg 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  8. /nl/articles/2411/15/news058.jpg 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」
  9. /nl/articles/2411/14/news023.jpg “膝まで伸びた草ボーボーの庭”をプロが手入れしたら…… 現れた“まさかの光景”に「誰が想像しただろう」「草刈機の魔法使いだ」と称賛の声
  10. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた