国家事業としてe-sportsが推進される韓国も、日本人の想像を絶する世界だった(1/3 ページ)
昨年に引き続き開催された中韓政府主催のデジタルゲーム競技イベント「International E-sports Festival」に、今年も行ってきました。e-sportsの本場韓国の現状をリポート。e-sportsスタジアムの取材もしてきましたよ!!
中国・韓国政府主催によるe-sportsイベント、IEFとは?
昨年に続いて筆者が招待された中国・韓国政府主催のe-sportsイベント、「International E-sports Festival」は、2005年、中韓政府共同で提唱された「中韓電子競技ゲーム」から端を発する。中国共産党青年団、中国文化部、国家体育総局など14の中央省庁と、韓国文化観光省、韓国e-sports協会によって運営され、開催5年目となる今年は、韓国・ソウルから車で1時間ほどのスウォン市で行われた。参加国はアメリカ、オランダ、ウクライナ、ペルー、イギリス、ドイツ、ロシア、ルーマニア、シンガポール、台湾、韓国、中国、そして日本と、昨年よりも6カ国増加している。
今回の大会で採用されたタイトルは昨年と同様、「スタークラフト」、「ウォークラフト」、「カウンターストライク」の3タイトル。いずれも世界のe-sportsシーンで定番のタイトルだ。今回、日本からはこの3タイトル全てに選手が参加することとなった。
ちなみに、昨年の中国・武漢市と、韓国・スウォン市は昨年のIEF会場で友好都市締結の調印式が行われており、両都市の友好イベントの一環としても本大会は位置づけられている。
開会式では、スウォン市の市長を始め、韓国国会議員、中国共産党青年団によるスピーチが続き、両国におけるe-sportsの認知度の高さを伺わせる。さらには、韓国の人気アーティスト「少女時代(SNSD)」や、北京オリンピック開会式で「北京 北京 我愛北京」を披露した関竽(グァン・ジェ)によるコンサートが行われ、会場に詰めかけていた5000人以上の観客は大喜びだった。
プロゲーマーライセンスにプロゲーマー番組も!? ゲーマー天国の韓国事情
さて、このデジタルゲームを競技として捉えるカルチャー、e-sports。日本ではまだまだなじみの薄い言葉だが、お隣の韓国ではブームを超えて、すでにカルチャーとして根付いているといっていいだろう。
街のそこかしこにあるPC房(日本でいうインターネットカフェ)では、日々若者達が集い、様々なゲームにいそしんでいる。その中でも人気の高いタイトルがディアブロなどでおなじみのブリザード社によるRTS(リアルタイムストラテジー)「スタークラフト」だ。スタークラフトの初期バージョンがリリースされたのは、1997年のこと。1本のタイトルがここまで長くプレイされ続けていることには驚かされるが、絶妙なゲームバランスに加え、ローカル、グローバルを問わず、定期的に開催される大会の存在がこの人気の理由なのだろう。
実は、韓国では、KeSPA(韓国e-sports協会)の管理の下、プロゲーマーライセンスが発行されている。プロゲーマーになるためには、KeSPAが認定する大会で所定の成績を収め、准プロゲーマーに認定されることがまず必要だ。その上で、規定の教育プログラムを受講して、晴れてプロゲーマーとなる。現在、認定プロゲーマーは371人、准プロゲーマーが392人と世界で最もプロゲーマーが多い国といえる。賞金や、テレビ番組への出演、CM出演などが彼らの主な収入源だが、無論、プロゲーマー=全員がそれで生活しているわけではないことも付け加えておく。プロがその競技だけで食べていける世界は、それほどない。ゲームをプレイするだけで喰っていけるのか!と早とちりしないように。
現在、KeSPAによる公式e-sportsタイトルは全25種類で、RTS、FPS、スポーツゲーム、レーシングゲーム、格闘ゲームなどが採用されている。興味のある人は、KeSPA公式サイトをご覧いただきたい。
ちなみに、プロ認定選手の最も多いタイトルは「スタークラフト」で、次いで多いのは日本でもサービスインしているオンラインFPS「スペシャルフォース」だ。
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