コンテンツデフレの時代に、ソーシャルゲームが急成長を見せたわけOGC 2010(1/2 ページ)

2009年、急成長を遂げた「ソーシャルゲーム」。一部では「ソーシャルゲームはゲームではない」と言われつつも、なぜソーシャルゲームはこれほどの人気を集めることができたのか?

» 2010年02月18日 15時11分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

OGCにもソーシャルゲームの波

ソーシャルゲーム関連のセッションはいずれも満席という人気ぶりとなった

 BBA(社団法人ブロードバンド推進協議会)が主催する、ゲーム業界関係者向けカンファレンス「OGC2010(オンラインゲーム&コミュニティサービスカンファレンス)」が2月17日、東京・千代田区のベルサール神田にて開催された。

 今回のキーワードは「Open」「Generate」「Contents」。昨今の流れを反映してか、タイムテーブルには「モバイルSNS」や「Twitter」「ソーシャルゲーム」といったこれまでにない単語が数多く並び、オンラインゲーム業界も大きな変革期にさしかかっていることをうかがわせる内容となった。

 中でも注目を集めたのが、昨年爆発的な広がりを見せた「ソーシャルゲーム(ソーシャルアプリ)」関連のセッションだろう。今回の「OGC 2010」では、IGDA(国際ゲーム開発者協会)日本代表の新清士氏、ゲームディレクターの澤紫臣氏の2名がそれぞれソーシャルゲームをテーマに講演を実施。なぜソーシャルゲームはヒットしたのか、そして今後ゲーム業界はソーシャルゲームとどのように向き合っていくべきなのか。両名の講演内容からソーシャルゲームの未来を探ってみた。

ソーシャルゲームとオンラインゲームの違い

 ソーシャルゲームとはおおざっぱに言えば、mixiやFacebook、モバゲータウンといったSNS上で動くゲームのことを指す。mixiアプリの「サンシャイン牧場」や、モバゲータウンの「怪盗ロワイヤル」などがその代表例だ。

 これらのゲームは、「SNS上の友達と一緒に遊ぶ」という点で従来のオンラインゲームと大きく異なっている。ゲームの内容自体は、作物に水をあげたり、他人の畑に虫を入れたりと非常にシンプルで、1回のプレイも数分程度と短い。にもかかわらず、現実の友達との関わりが生まれることで、つい何度もアプリを起動し、様子を見たくなってしまう点がソーシャルゲームの特徴と言える。

 では、既存のオンラインゲームとはどこが違うのか? 澤氏はいくつかの視点からオンラインゲームとソーシャルゲームの違いをまとめているが、最大の違いはやはり「コミュニティ形成の違い」だろう。通常、オンラインゲームではコンテンツ全体に目的があり(レベルを上げる、クエストをクリアするなど)、コミュニティはその目的に辿り着くための手段、ツールとして自然に形成されていくもの。しかしソーシャルゲームの場合、前提として最初からSNS上でコミュニティが形成されている点が大きく異なっている。この「すでに存在しているコミュニティ」をいかに活用していくかが、ソーシャルゲームでは大きなポイントになると澤氏は分析する。

実際にソーシャルゲーム運営に携わった経験を元に、ソーシャルゲームの特徴・ポイントを語った、ゲームディレクターの澤紫臣氏

 また面白いと思ったのが、滞在時間の違いだ。オンラインゲームを「ロングタイム・リアルタイム型」とするなら、ソーシャルゲームは「ショートタイム・サムタイム」型であると澤氏は表現する。

 オンラインゲームでは全員が同じタイミングでログインしていないと一緒に遊ぶことができないため(同期型)、必然的にプレイ時間が長時間化しやすい(いわゆる「廃人」を生みやすい)。しかしソーシャルゲームの場合、例えば他人の畑に水をあげたり、虫を入れたりといった具合に、すべてのプレイヤーがまったく同じ時間にアクセスしなくてもプレイ感を共有できる仕組みを持っているため(非同期型)、1回のプレイ時間が短く、また他人の都合を気にせず好きな時間に遊ぶことができる。プレイヤーに課す「時間的ハードル」が低いことも、ソーシャルゲームのヒット要因の一つと言えるかもしれない。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/18/news004.jpg 「現場を知らなすぎ」 政府広報が投稿「令和の給食」写真に批判続出…… 識者が指摘した“学校給食の問題点”
  2. /nl/articles/2405/18/news066.jpg 「なぜ今になって……」 TikTokで“15年前”の曲が大流行 すでに解散の人気バンド…… ファン驚き 「戸惑いが隠せない」
  3. /nl/articles/2405/18/news055.jpg ガチ“別人級”……凄腕メイク術駆使したビフォアフが「日本の頂点」と話題、“フォロワー数580万人”の美容系インフルエンサー
  4. /nl/articles/2405/18/news003.jpg 0歳娘がはじめて歩けた瞬間、パパの顔を見て…… 号泣必至の“表情としぐさ”に「やったねえ!すごいねえ!」「かわいくて涙が」
  5. /nl/articles/2405/15/news106.jpg 「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
  6. /nl/articles/1611/04/news117.jpg 「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
  7. /nl/articles/2405/18/news023.jpg 死んだはずのスズメバチ、お尻をよく見てみると…… 「亡者の執念発動してますね」「だから怖いんだよな」油断できない生命力におののく声
  8. /nl/articles/2405/18/news068.jpg 『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博がXで怒り 立て続く“誤配”で「三度目です」「次はもう知らん」
  9. /nl/articles/2405/17/news026.jpg トリミングでシーズーを「ハムスターにしてください」とお願いしたら…… インパクト大の完成形に「可愛いーーー」「なんて愛おしい鼻毛カール」
  10. /nl/articles/2405/17/news022.jpg 妻が作ったキャラ弁にフランス人夫と3歳娘が大爆笑! 「怖い」と言われた完成形に「蓋開けた瞬間w」「一緒に笑っちゃいました」
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評