ゆる〜い北米取材報告 -GDCもね♪-:くねくねハニィの「最近どうよ?」(その37)(2/3 ページ)
プロモーションの話が出たので、今回ランキングしているWii向けの「Just Dance」のプロモーションのお話をしてみよかな。ものすごくプロモーション費をかけたわけでもないみたい。やり方がおもしろかったのよ。
「Just Dance」はUbisoftが発売したダンスゲーム。バランスボードを使わず、リモートコントローラとヌンチャクのみでダンスする、とっつきやすいゲームなのね。もちろん「U can't touch this」など有名曲を使っていることも訴求ポイントだけど、FacebookやTwitterなどでゲームのコミュニティを通して、コンテストをしていることを告知。ユーザーは「JUST DANCE」のサイトに登録して、Youtubeにダンス動画を投稿するのだけど、週に1人勝者が選ばれて、勝者には1000ドル(約9万4千円)の賞金が贈られるというプロモーション(2010年1月11日〜3月31日の10週にわたって行われた)なのよ。
このプロモーションのポイントは、賞金があるってことよりも、実はYoutube上でコミュニティとして盛り上がるってことで、実はまんま「バイラル(口コミ)マーケティング」の成功例とも言えましょう。実は、ソフトを購入していなくても応募者になれるってことから考えても、「直接ソフトを売る」ことでなく「コミュニティを盛り上げる」ことが直接の目的であることが垣間見えますね〜。2009年11月に発売したこのソフト、2010年2月末時点で90万本近く売り上げてますよ。恐るべし、口コミマーケティング。
Game Developers Conference(以下GDC)2010はどうだったの?
さてさて、もうかれこれ1カ月前の話になりますな。例年通り、米国カリフォルニア州サンフランシスコ市内のMoscone Centerで3月9日〜13日までの期間開催されましたの。400を超えるレクチャーやパネルディスカッションが行われたとさ。
参加費が高い(パスの種類にもよるけど1人10万円以上しまーす)ことで有名なこのGDC、主催者側によると、参加者は1万8250人(2009年度:1万7000人からの微増)とな。
GDC2010のキーワード その1「ソーシャルゲーム」
去年のGDC2009では、大きなテーマが「iPhone向けのゲーム」だったんだけど、2010年は一転、ソーシャルゲーム(日本で言うSNSゲーム)が大きなキーワードでした。例年行われているインディーズゲーム、シリアスゲーム、モバイルゲームとかのセミナーに加えてFacebook関連のセミナーが初日から開催されていたのも、ソーシャルゲームのカンファレンス「V-CON」の追加も、このトレンドを裏付けてたね。
どいつもこいつも(笑)、これからはソーシャルゲームだ! って言ってたけど、ハニィ的にはYesとNo。うーん、要は大きなIPを持ってる人達には「YES」、小さな会社が大きな夢を追い求めて始めるなら「NO」。
去年の「iPhone向けゲーム」が象徴するように、GDCで騒がれるってことは、もうとっくに始まってるってことなのよね。ハニィがFacebookにソーシャルゲームを! って初めて聞いたのは2年くらい前。つまり、もう先駆者利益が確定されちゃってるってこと。すでにmixiやFacebookでソーシャルゲームを成功させている方々には、先見の明を褒め称えたい限りだね〜。
でもね、もう市場ができあがっちゃった今の段階で、これから参入するのは、小さな会社や個人にはリスクであることは間違いないのよ。ソーシャルゲームの開発費はパッケージ販売に比べると金額的にはリスクが小さいので、トライする価値は残されてるかもしれないから、全否定するつもりはないですけどね。
「フリー&アイテム課金」のビジネスモデルを考えると、最初の段階ではフリー、つまり、追加アイテム/コンテンツを購入してもらって初めて回収が始まる、という意味では、まず認知度を高めて遊んでもらうことから入るわけですね。でも、イノベーティブなものであれば、目を引いて口コミで広がっていくってフェーズも、もう終わってる気がする。ひしめくたくさんのコンテンツがもう既にたくさんあるから。また、ユーザーが終わりなく長い間継続的に遊んでしまうタイプのゲームが多いので、一度始めたものをそんなに簡単に切り替えないっていう後発にはツライ部分もあるんですな。
モバイルゲームがそうだったように、iPhone向けがそうだったように、先駆者がひとしきり市場に参入すると、大手IPホルダーがIPという強力な認知度を武器に参入して一気に市場が盛り上がる、を繰り返している気がするんだよね〜。
ということで、今後参入すべきは大手IPホルダーやIPライセンシーでしょうね。もしくは大きなプロモーション力のあるブランドでポータルごと盛り上げちゃうか。EAのPlayFish買収もこの一連の流れと読むのが正しいと思われます。ソーシャルゲームがここまで市民権を得ると、あとはIPとプロモーションの力で更に市場を大きくできる! と思うんだよね〜。
オンラインゲームやアイテム課金ノウハウにもっとも遠い日本の大手ゲームパブリッシャーが、流れに遅れずに参入してくれることを切に願いますな。
GDC2010のキーワード その2「Unity」
GDCはレクチャーの集まりなんだけど、それと平行してゲーム開発者向けのExpoも行われていて、今年はすごい盛り上がってた気がしましたね。数年前のちいちゃなE3の数倍盛り上がってた〜って、現地の人たちとの共通認識でした。
E3と違うのは、ゲームエンジンやソリューション、ツールなど様々な第三者技術の展示って部分かな。ゲームのハイスペック化、マルチプラットフォーム化によって、内製ですべてを準備することはほぼ不可能となった昨今では、北米デベロッパーの中では第三者技術を上手に取り入れていく傾向が一般的になってるんだなぁと、そういう展示に群がる人たちを見てあらためて思ったハニィでしたけどね。展示する方もそれに応えるべく、実際にゲームで使われた例を挙げてのデモとか流してプレゼンしてて、若いデベロッパーさんたちがこぞって聞きいってました。
中でも目を引いたのは、「Unity」。現行(Ver.2.6)のWindows、Mac、Wii、iPhone向けとされていた同エンジンは、Webブラウザへの出力も可能で、今回発表されたVer.3.0でXbox 360、PS3、iPad、Androidをサポートすることを発表! 現地のデベロッパーに「今年のGDCの目玉は?」と聞くと、ほとんどの人がこのエンジンの話をしてたんだ〜。ハニィはノーマークだったので、急いで見に行ったもんです(笑)。
驚くのはその性能だけじゃなくて、数千万とか数億円とか言われる既存の大きなゲームエンジンと比べて破格の値段設定を発表したこと。基本機能のみなら無料(アップデートが受けられないけどね)。 「Unity Pro」はサポートもついて、1500ドルくらい(日本円で13万5000円程度)の設定とな。これってさぁ、中小ゲームデベロッパーだけじゃなくて、もしかして「個人」クリエイターがハイスペック機に向けてゲーム制作ができる時代が来るかも♪ という期待感をあおるよね〜。下剋上が起こるゲーム産業じゃなきゃおもしろくないのだ!
多くのデベロッパー君たちがデモに群がる中、「Unreal」などの既存のエンジンプロバイダーはいかなる思いでいたのか、も察せられるけど、「Unity」は、今回の台風の眼であったことは確かですなぁ。日本でも使う人たちが増えることを望むハニィでしたぁ。
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