春の陽気をそのままステージへ――marble「さくらさくら咲く LIVE LIFE 2010!」リポート

» 2010年05月21日 09時34分 公開
[OH編集部,ITmedia]
OH News

 ちょっとおかしな今年の春も、ライブ中だけは暖かく。

 アニメ「ひだまりスケッチ」シリーズなどに緩やかで柔らかな楽曲を提供するオーガニック・ポップユニットmarbleが、4月11日、渋谷duo MUSIC EXCHANGEにてライブツアー「marble presentsさくらさくら咲く LIVE LIFE 2010!」をスタートさせた。

 柔らかな歌声とアコースティックギターの音色、そして包み込むような優しいメロディが印象的なmarbleの楽曲。季節でいえば「春」がぴったり、といった印象もあるのだが、ご存じのように今年の春は荒れ模様が多く、お花見の時期には連日冷たい雨が降りしきるなど残念な天候が続いていた。しかしこの日は文字通り、気持ちのよい「春!」なお天気。ライブ内容もツアータイトルにもなっている「さくらさくら咲く」に象徴されるような、暖かく柔らかな空気が流れる心地よい時間となっていた。

 ライブのスタート前には、marbleのギター担当、菊池達也がサウンドプロデュースを手がけたシンガーmag cafe at garden(女性のソロユニット)により3曲の楽曲が披露され、その後はいよいよツアーの幕開け。

 1曲目「空想ジェット!」2曲目「LIVE!! LIFE!!」と、marbleにしてはやや激し目のナンバーからライブは開始。続く口笛のストリングスが印象的な「君とスロー」で少しペースを落として(?)最初のMCへ。

micco「こんばんわ! marble Clusterの人〜!?」

 この呼びかけにフロアでは数名が「はいっ!」と手を挙げ応えるも

micco「あ、あんまりいない(笑)」

菊池「???」

micco「なんでそんなに冷たいの(笑)」

菊池「marble Clusterって、どういう意味?」

 というワケで、そもそもあまり浸透しているキーワードではない模様。

micco「この間知ったの。ファンの人が使ってくれてるみたいで……「好き」みたいな意味? 大体そんな感じ???」

 ちなみにクラスタとは今話題のWebツール「Twitter」で使用される用語のようで、「Cluster=○○の集団=marbleのファン」的な意味かと予想される。

 ここでツアー初日に詰めかけたファンへ感謝の言葉が述べ、「星空」「空中迷路」へ。この2曲で菊池はギターをアコースティックギターへと持ち替えていたが、楽曲により頻繁にギターを替えつつ演奏されていたのも本ライブの特徴だ。

 再びMCへ。先にステージを勤めたmag cafe at garden(「私はmag kiroちゃんって呼んでる」micco)もコーラスで参加した、自身のアコースティックアルバム『旋律の行方、桜夢見月』についてmiccoが語る中

菊池「ちょっと関係ない話、プロっぽくない話、していい? ……楽屋に水忘れてきちゃった」

micco「お水が欲しいそうでーす」

 このやり取りに観客も爆笑&大歓声。楽曲同様の緩さが現れた、いかにも「らしい」トークだ。

 こんな調子でトーク、ライブは進行して行くが、珍しかったのは6曲目「Sweet Soda In」。micco以外に菊池もコーラスで参加するこの曲、間奏時にはバンドメンバー紹介とともに、それぞれのメンバーも「♪トゥットゥットゥルル」とコーラスに挑戦。「お手本をどうぞ」(micco)ということで菊池のソロコーラスを披露した後、各メンバー、そして観客を巻き込んでのコーラス合唱へと発展していた。

 この合唱で一体感を増しつつ「新しい世界」新曲となる「ゆらりふわり君となら」(PSPタイトル「マリッジロワイヤル」EDテーマ1)。その後はバンドメンバーは退場し、micco&菊池のアコギによるツーマン体制での弾き語りへ。「violet」「smile」の2曲をたっぷりと聴かせた後は、再度バンド編成を整えて、marble初シングルナンバーでもあるヒット曲「芽生えドライブ」、アルバムタイトルナンバーともなった「流星レコード」へ。marbleの名を広めるきっかけとなった、アニメ「ひだまりスケッチ」タイアップ曲を2曲連続しての披露に、フロアのボルテージも最高潮に。

 ただし、marbleのライブではサイリウムが一切見られない。とくに禁止しているというアナウンスもなされていないのだが、marbleの楽曲イメージ、世界観などをファンが理解した上での「手拍子」選択なのだろう。柔らかなメロディに乗せ、客席からは大きなクラップが延々と響いていた。



 ここからは畳み掛けるように、メロディアスでポップなナンバーの連続に。その名のとおりな「CLAP」では印象的なドラムに合わせて大きな手拍子が鳴り響き、「虹色ハミング」「ただここにそばにいる」「奏効ドリーム」(PSPタイトル「マリッジロワイヤル」EDテーマ2)「初恋limited」と、オーディエンスは総立ち、クラップリングの連続で疾走感あふれるステージを披露する。

 そしていよいよラストナンバー、ツアータイトル曲でもある「さくらさくら咲く」へ。

micco「次の曲で最後になります」

観客「えーっ!」

micco「うふふふふ。これをやらないで帰ったら怒られるかなって(笑)」

 こんなやり取りから始まるあたりが、やはり「らしい」marbleの空気。4月の春真っ盛りに開催されたこのライブを締めくくるにはぴったりな、ストリングスの旋律が心地よく、そして透き通るmiccoの唄で包み込むような1曲だ。


 この後は当然のように巻き起こったアンコールに応え「ハミングバード」「青空loop」そして「きらら」の3曲を演奏し、ツアー初日となるライブは終了。早くも追加公演として下北沢公演(5月15日)の開催もアナウンスされているので、今回を逃したファンならば足を運んでみてはいかがだろうか。ちょっとおかしな今年の春は、5月半ばでもまだ続いているはずだ。

marble さくらさくら咲く LIVE LIFE 2010!
01 空想ジェット
02 LIVE!!LIFE!!
03 君とスロー
04 星空
05 空中迷路
06 Sweet Soda In
07 新しい世界
08 ゆらり、ふわり、きみとなら
09 violet(acoustic ver.)
10 smile(acoustic ver.)
11 芽生えドライブ
12 流星レコード
13 CLAP.
14 虹色ハミング
15 ただここにそばにいる
16 奏功ドリーム
17 初恋limited
18 さくらさくら咲く
〜アンコール〜
EN1 ハミングバード
EN2 青空loop
EN3 きらら(acoustic ver.)

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