すべての曲でライブを創る圧巻の構成力! 「Aki Misato LIVE2010 “from now on”」リポート

4月18日、アニメ、ゲームなどで多数のタイアップ曲を提供する実力派シンガー・美郷あきが、自身の最新アルバムの名を関したライブ「Aki Misato LIVE2010 “from now on”」を開催した。

» 2010年06月01日 20時26分 公開
[OH編集部,ITmedia]
OH News

 ライブ前日の4月17日には記録的な遅さとなる降雪を記録するなど、今年の春は不順な天候が続いていたが、ライブ当日は見事な晴天。会場にも軽装のまま続々とファンが詰めかけ、渋谷・恵比寿LIQUIDROOMのフロアーは満員となっていた。

じっくりとアガるフロアー!

 美郷あきが真っ白なワンピース・ドレスでステージに登場すると、大歓声で出迎える満場のファンたち。1曲目「Life and proud」からライブはスタートし、そこから「Unusual Days」、感謝の言葉を伝える挨拶を挟み、満面の笑みを浮かべつつの「Hide and seek」「波の階段」。オープニング4曲をニューアルバム曲で固めるなど、新曲をたっぷりと聴かせる意図をはっきりと感じることができる構成となっていた。

 アップテンポな「燃え曲」を多くリリースしてきた美郷だが、前述4曲はやや緩やかなナンバーばかり。じっくりと聴かせていくのか、と思いきや、生の歌声に加えてステージング、そして笑顔で徐々にフロアーを暖めていく。

 それに応じて、客席もゆっくりと、しかし確実に「熱く」なって来るから面白い。少しずつ振り上げられる手、振られるサイリウムの数は増してゆき、ややテンポが上がる5曲目「Wild succession」までにはすっかり暖気完了! 間奏にさしかかる頃にはフロアーからコール、ジャンプまでもが飛び出していた。

 「燃え曲」からバラードまで多彩に揃う美郷の楽曲群だが、歌唱力のみならずフロアーを作るシンガーとしての実力、その構成力を見せつけられた瞬間だ。

「みんな、ありがとー! 楽しいねー」

 暖まったフロアーに向けてかけられたのが、この言葉。どこかおっとりしている性格、そして声質。そんな美郷らしい挨拶に、観客からは大声援と大きな拍手が。春にライブを開催するのは初めて、別れや出会いがある春らしく、この先へ進むためのライブにしたい。そんな想いを込めて歌うと告げたあとに、新曲となる「What a beautiful world」(オンラインゲーム『ラグナロク オンライン』RJC2010テーマソング)を披露した。

 このギター・リフも鮮烈な新曲から曲調は一気にテンポアップ。聴かせに行った序盤から、「みんなハッピーになりましょー!」とマイクで煽りつつの上昇モードへと乗っていく。「Made in WONDER」「Love Motion」と近年のハイテンポなヒット曲を繋げ、フロアーのサイリウムも激しく打ち振られていく。

今回の新しい挑戦は「アコギ弾き語り」

 一気にハイテンション状態へとフロアーをアゲたが、このあたりで一呼吸。「次は切ない曲を。久しぶりに歌う曲です」と紹介されたのは「Calling」。ステージ全体が落ち着いたブルーのライトで照らされる中、ピアノ・バラードを歌い上げる美郷にはピンクのスポット・ライトが。幻想的な雰囲気の中、「all allow」「兆しの太陽」とバラード曲が続く。

 「ライブをするにあたって心がけていることに、毎回何か新しいことに挑戦しようと」。前回のライブではダンスに挑戦したという美郷だが、今回も新たな挑戦としてなんと「アコースティックギター」を取り出した。えへへへへ、と照れ笑いを浮かべつつ「買っちゃったんです、これ」とつぶやくと、フロアーからは驚きの声が。最初は借り物のギターで練習をしていたが、リハーサルの途中で「欲しくなっちゃって」(美郷)新品を購入。美郷が練習で使用していたペイントされまくりのカラフルなギターは、当日伴奏としてツーマンを組むギタリストが使用していた。

 そしていよいよ、新品アコギによる弾き語りへ。「暖かく、あたたか〜く、見守ってください」の前置き付きで演奏された「Silent wing」だが、見事な腕前をきっちりと披露し喝采を浴びていた。

 弾き終えたあとのMCでは、美郷がギターソロを披露すると聞きつけた友人が、オリジナルのピックを作ってくれたと報告。せっかくだから、と5枚のピックを客席へと投げ入れプレゼントしていたが、「練習したのに!」と途中で叫んでいたように、残念ながらあまり飛ばずに最前列の方へ「へろっ」と落下していた。次回の披露までには、ピック飛ばしも要練習か?

渋くアゲる「BLOOD QUEEN」、連打をぶち込む「燃え系メドレー」そしてピアノ・ソロへ

 続く「君が空だった」「BLOOD QUEEN」は、オール・アコースティック編成での披露。「凄く思い入れがある大好きな曲」と語った「君が空だった」は美郷のデビュー曲。「BLOOD QUEEN」はピアノ&パーカッションが心地よいアッパーなジャズ・アレンジに仕上げられ、これにはフロアーもサイリウムを封印しての大クラップでレスポンス。原曲タイアップアニメである「怪獣王女」をイメージしたのか、ステージ上は真っ赤なライトで染め上げられ、ムードをあおる。アコースティック編成でもこれだけ「アゲ」てしまうあたりも、さすがの構成力だ。演奏を終えてのひと言「大人バージョンでした」にはこの日一番の大歓声が上がる。

 ここからは通常のバンド編成へと戻し「みんな、まだまだ元気だよね? 熱くなりたいよね!?」

 ついに「燃え曲」連打のアッパー・ゾーンへと突入し、「Jewelry tears」「Scarlet Bomb!」そしてヒット曲4曲のメドレーへ。しまい込まれたサイリウムもフル稼働、コール、ジャンプも延々繰り出される檄熱の構成に。メドレーパートではイントロ時点で大歓声が沸くなど、フロアー全体を爆発させたまま、ラストナンバー「from now on」へと繋ぐ。

 ここで登場したのは、なんとグランド・ピアノ。最新アルバムのタイトル曲にして、ライブタイトル曲でもある「from now on」は、切ないメロディが特徴のバラード曲。そして美郷による初の作詞曲でもある。更に今回は、作・編曲を担当したランティス社長・井上俊次氏によるピアノの伴奏で歌うライブならではの特別版となった。

 井上氏のピアノソロが響く中での最後のMC。感極まったのか、途中涙を零しそうになりつつ「歌詞の中に出てくる『Angel』は私自身。今の気持ち、今後もみんなと繋がっていきたいという想いを、素直に言葉にしました」。そう語るとピアノ弾き語りによる「from now on」を歌い上げ、ライブはエンディングを迎えた。


 当然巻き起こるアンコールには、爽やかな「Little wing」バラード調の「さよならの向こう側で」アッパーな「Love Wind」と、本日のセットリストをなぞるかのような構成の3曲で返答。

 アニメタイアップ曲を多く提供する美郷だが、単にヒット曲を並べるだけではないアーティスティックなライブを見事に完成させていた。また大胆なアレンジを見せたジャズver.の「BLOOD QUEEN」、ピアノ弾き語りで美しく聴かせた「from now on」など、ライブならではの仕掛けも魅力的。今回のライブに足を運んだファンたちは、美郷のステージに魅せられて、次もその次も彼女のライブへ駆けつけるに違いない。


Aki Misato LIVE2010 “from now on”
01 Life and proud
02 Unusual Days
03 Hide and seek
04 波の階段
05 Wild succession
06 What a beautiful world
07 Made in WONDER
08 Love Motion
09 Calling
10 all allow
11 兆しの太陽
12 Silent wing
13 君が空だった
14 BLOOD QUEEN
15 Jewelry tears
16 Scarlet Bomb!
17 少女迷路でつかまえて〜夢に見た楽園〜くちびる白昼夢〜UNIMITED FIRE〜disarm dreamer〜少女迷路でつかまえて
18 from now on
〜アンコール〜
EN1 Little wing
EN2 さよならの向こう側で
EN3 Love Wind

Copyright (C) n3o Co.,Ltd All rights reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/15/news011.jpg 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. /nl/articles/2412/16/news107.jpg 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. /nl/articles/2412/15/news035.jpg 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. /nl/articles/2312/15/news032.jpg 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. /nl/articles/2412/15/news028.jpg 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. /nl/articles/2412/16/news023.jpg 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」