第4回ピンチの後にはチャンスあり! プレイヤーへの爽快感を高める「逆転の法則」なぜ、人はゲームにハマルのか?(1/3 ページ)

スポーツでもゲームでも、味方と敵とで好守が逆転するシステムは実はコンテンツを面白くする普遍的な要素なのかも?

» 2010年06月11日 13時35分 公開
[鴫原盛之,ITmedia]

 世界最大のスポーツイベント、サッカーのワールドカップがいよいよ6月11日から始まりますね! ところで、サッカーに限らずバスケットやバレーボールなどのスポーツ競技においては、ボールの行方によって目まぐるしく攻守が入れ替わるのが面白さのだいご味のひとつ。もしこれらの競技が、仮にどちらか一方のチームだけが攻めるだけ(または守るだけ)のルールになっていたとしたら、見ているほうもプレイしているほうも何だか面白みに欠けたものになってしまうと思うのは筆者だけでしょうか?

 そこで筆者はヒラメきました。ことビデオゲームの世界においても、スポーツのように攻守が逆転するルールを取り入れることで劇的に面白くなったタイトルがいろいろ存在するのではないかと。いざ調べてみると、案の定これまでに多くの作品が世に出ていることが分かりました。

 と、いうことで、今回は攻守逆転の要素を盛り込んだゲームを数タイトルピックアップして、なぜこれらのゲームが面白くなったのか、その秘密について考察していくことにしましょう。

ヒットの秘密は、攻守が一瞬にして入れ替わる絶妙なアイデア

 ビデオゲームにおいて、攻守が逆転する面白さを取り入れた作品の代表例といえば、ナムコ(現:バンダイナムコゲームス、以下同)の古典的名作「パックマン」に勝るものはないでしょう。先日、生誕30周年を記念してグーグルのサイト上で特別バージョンが遊べるようになっていたのは記憶に新しいところですね。

 本作は主人公のパックマンを操作して、敵のモンスターに捕まらないように画面内に点在するドットをすべて食べればステージクリアとなるゲームですが、各ステージごとに4個だけ設置されているパワーエサを食べると、一定時間の間だけ逆にパックマンがモンスターを食べることができるようになっています。特に、4匹連続でモンスターを食べたときには、(4匹目に)1600点の高得点が獲得できるようにもなっているため、プレイヤーの快感をさらに増幅させてくれます(※ちなみに、ドットを1個食べたときの得点はわずか10点。その違いは歴然ですね!)。

 もしも「パックマン」が、画面内にパワーエサがなく、ただひたすら敵から逃げるだけのゲームになっていたら、あれほどのヒットを飛ばすことはなかったかもしれません。

今年で生誕30周年を迎えた「パックマン」。攻守が一瞬のうちに逆転する面白さは今なお色あせることはない

「パックマン」※写真および動画はプレイステーション版「ナムコミュージアムVOL.1」を使用。
(C)1995 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED

 お次は同じくナムコの「マッピー」。こちらはドットを食べるのではなく、敵の猫(ニャームコとミューキーズ)に捕まらないように主人公マッピーを操作して、盗まれたテレビやパソコンなどを取り返していくアクションゲームですが、ここでも先ほどの例とよく似た逆転の要素が存在します。

 マッピーは武器などの装備を一切持っていないため、プレイしている時間のほとんどは床の上で左右に動いたり、あるいはトランポリンの上で飛び跳ねたりして敵から逃げるアクションに費やされます。トランポリンで跳ねている間は敵に触れても平気ですが、床の上ではジャンプすることができませんので、もし左右から挟み撃ちにされたらマッピーはひとたまりもありません。

 そこで、攻守逆転の切り札となるのが「パワードア」の存在。マッピーはステージ内に点在する「パワードア」を開いてマイクロウェーブ(衝撃波)を発射し、これを敵に当てることでやっつけることができるという、まさにどんでん返しのような仕掛けが用意されているのです。しかも、「パックマン」と同様に敵を多く巻き込むほど高得点が入るようになっているので、タイミングよくたくさんの敵を吹っ飛ばせたときは本当にスカッとしますよね。

 本作においてもプレイヤーが一方的にただ逃げ回るのではなく、ほんの少しの時間でも好守が入れ替わる要素を盛り込んだことでゲームが一段と面白くなったのではないでしょうか?

「マッピー」※プレイステーション版「ナムコミュージアムVOL.2」を使用
(C)1995 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED

 3番目の例は、テーカン(現:コーエーテクモゲームス)が1984年に発売した「ボンジャック」は、敵を避けながら画面内にある爆弾をすべて回収するとステージクリアとなるアクションゲームです。非常にトリッキーで行動パターンの読みにくい敵が数多く出現しる本作ですが、一定数以上の爆弾を取るごとに出現する「P」の文字が書かれた「パワーボール」を取れば、一定時間だけ画面内の敵が金色のコインに姿を変わるので、これを取ると敵が倒せるうえに高得点のボーナスが獲得できるようになっています。また、金のコインを取ったときには「ズバーン!」という派手な効果音が鳴るので実に快感です。

「ボンジャック」※Wiiのバーチャルコンソール版を使用
(C)TECMO,LTD. All Rights Reserved.
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/22/news047.jpg 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. /nl/articles/2412/18/news207.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. /nl/articles/2412/21/news040.jpg 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. /nl/articles/2412/22/news034.jpg 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. /nl/articles/2412/21/news019.jpg 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. /nl/articles/2412/22/news036.jpg 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. /nl/articles/2412/21/news023.jpg 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. /nl/articles/2412/17/news042.jpg 山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生
  10. /nl/articles/2412/22/news020.jpg 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」