「パックマン×ボンバーマン」も実現――D2Cがドコモ向けゲームプラットフォーム発表

ソーシャル機能やアイテム課金などを取り入れた携帯向けゲームが注目を集める中、ディーツー コミュニケーションズがドコモ向けゲーム総合サービス「ドコデモゲーム」を開始する。「iアバター」との連係機能に加え、ゲーム会社の枠を超えたコラボタイトルや、店のクーポンが手に入るゲームなどを提供。

» 2010年06月23日 08時00分 公開
[山田祐介,ITmedia]
photo ドコデモゲーム

 ソーシャル機能やアイテム課金を取り入れた携帯ゲームの利用者が増える中、ディーツー コミュニケーションズ(以下、D2C)がドコモ向けゲーム総合サービス「ドコデモゲーム」を6月23日に開始する。iモードサイト「ドコデモゲーム」に無料のFlashゲームやブラウザゲームをそろえ、アイテム課金型のゲームでゲーム会社とのレベニューシェアにも取り組む。また、他のゲームサービスとの差別化ポイントとして、メーカーの垣根を越えたコラボゲームや、得点に応じて店のクーポンがもらえるゲームなどに注力。同社のアバターサービス「iアバター」と連動したランキング機能なども提供し、幅広いユーザーの獲得を目指す。


無料ゲーム「パックマン×ボンバーマン」も

 ドコデモゲームではiアバターのシステムをベースにしたアバター機能に加え、課金やランキングなどの機能をAPIとしてゲームメーカーに提供。過去に開発したFlashゲームのタイトルなども簡単にドコデモゲームに対応させられるほか、iアバターのキャラクターをランキングに登場させたり、ゲーム内に登場させたりすることも可能だという。

photo サービス開始後はiMenuの「ゲーム」および「アバター」の画面にドコデモゲームへの誘導枠を設ける。ユーザーはニックネームと性別を初回に登録するだけで、サイト内にあるゲームコンテンツを自由に楽しめる。
photo D2C ドコモメディア事業本部長 鈴木登志夫氏

 ユーザー獲得に向けた取り組みとして、D2Cのドコモメディア事業本部長 鈴木登志夫氏は「4つのゲームの展開」を挙げる。携帯ゲームのトレンドである「ライトな無料ゲーム」や、育成・コレクション要素のある「『じっくり型』課金ゲーム」に加え、他のゲームサイトにはないオリジナルゲームとして、人気ゲームやキャラクターの「コラボレーションゲーム」や、クーポンなどが得られる「とくするゲーム」も積極的に展開するという。

 コラボレーションゲームの第1弾は、ハドソンとバンダイナムコゲームスがタッグを組んだ「パックマン×ボンバーマン」「高橋名人と塊魂」だ。有料ゲームでは実現が難しい企業間のコラボレーションも、ライトで無料なモバイルゲームなら実現しやすいという。7月末以降には、ディズニーの人気キャラクターであるスティッチとボンバーマンのコラボゲームも登場する。


photophoto 「パックマン×ボンバーマン」(写真=左)と「高橋名人と塊魂」(写真=右)

 とくするゲームの第1弾としては、得点に応じてローソンの商品「Lチキ」の30円引きクーポンがもらえるゲーム「Lチキ フィーバー」をラインアップする。ゲームで高得点を出すと、ローソン店舗にある情報端末「Loppi」でクーポンを取得するためのQRコードがユーザーに提供される。こうした、現実世界で“トクをする”ゲームは、今後も有名企業と連携によって増やしていく考えだ。

メーカー公式サイトへの誘導に期待――ハドソン柴田氏

photo ハドソンの柴田真人執行役員

 APIの中には、ゲーム会社の公式サイトへユーザーを誘導するための機能も盛り込まれている。無料ゲームでメーカーの魅力を知ってもらいながら、メーカーの公式サイトで有料ゲームも楽しんでもらう――こうした導線を提供して、ゲーム会社にメリットのあるサービス作りを目指す。

 参加企業の1社であるハドソンも、公式サイトへの誘導に期待を示す。同社の柴田真人執行役員によれば、ケータイ公式サイトのビジネスは、かつては利用者数のランキング順に掲載されるiモードメニューで上位を獲得すれば「お客さんが集まった」が、現在はサイト構成の変化や導線の多様化もあって、ブランドの知名度だけでは集客が難しくなっているという。「300個はくだらない」という公式サイトのFlashゲームを有効活用したい思いが強まる中で、ドコデモゲームへのゲーム提供を決めたという。

 iPhoneアプリを多数リリースするなど、モバイルゲームに積極的に取り組む同社だが、ドコデモゲームでは開発が容易なFlashアプリのフットワークを生かして、コラボゲームをはじめとする「いままでできなかったこと」に挑戦したい考えだ。

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