インタビュー
» 2010年07月01日 16時53分 公開

どうしてもMMORPGに前向きになれない人へ――「FFXIV」田中弘道プロデューサーインタビュー(2/2 ページ)

[馬波レイ,ITmedia]
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田中氏 (ちょっと考えて)「FFXI」を立ち上げた当初は、コアなユーザー向けのゲームとして設計したのですけど、運営してきた8年間の中で、だいぶカジュアルな、あるいはライトユーザーも増えてきました。そこで「FFXIV」では、ギルドリーヴというシステムを導入しています。クリアまで最短30分くらいのミニクエストを行うものなのですが、参加中は徐々にスキルがアップしていきます。ですので、プレイにあまり時間をかけられないユーザーでも心配ありません。また今回は、アーマリーシステムといって、簡単にいうと装備を変えるだけで(戦闘中以外なら)いつでもクラスチェンジができる仕組みを導入しているので、パーティーメンバーのジョブをいちいち変える必要もないし、ソロプレイも便利になります。


非常に美しいグラフィックのゲーム画面。敵との戦闘はリアルタイムで展開し、アクションゲージの分だけ連続で行動できる。体験プレイではテンポよく楽しめた。カードのようなものが画面に表示されているのが、ギルドリーヴを使ったシーン

―― 「FF」といってもナンバリングごとにテイストやシステムはまったく違います。「FFXIV」における「ファイナルファンタジー」らしさはどういった部分でしょう?

田中氏 「ファイナルファンタジーとはなんぞや?」というのは、僕らもよく聞かれる質問ですが、実は明確な答えは持っていません。変わらないものとしてはクリスタルを通じた世界観であったり、ありそうでなさそうなファンタジー、それに属性を軸とした魔法体系ですよね。で、僕らのチームの中で常に考えているのは、「常に最高のRPGであれ」という意識ですよね。それを作るうえでのプレッシャーは当然ありますけど、「自分が考えるRPGが一番面白い!」という意識を持つようにスタッフにはいっています。逆に「ファイナルファンタジーが創りたいんです!」という人が求人できても、面接で落としてしまいますから(笑)

―― 「ファイナルファンタジー」的という意味でのアイコンである、チョコボや飛空艇についてですが。

田中氏 αテスト時に、チョコボは街中に居座ってたんですが(笑)、今はまだ乗り物としては登場していませんね。今までのシリーズにはなかったようなチョコボの使い方も考えています。飛空艇もちゃんと登場しますよ。

「FF」というと思い出されるチョコボや巨大なモンスター。そうした存在が、どのようにゲームに登場してくるのかも楽しみだ

―― では逆に、「ファイナルファンタジー」という観点からチャレンジしている部分はどんな点でしょう?

田中氏 まず、MMOであること自体がチャレンジですからね。「FFXI」の当時を振り返ると、それだけで大きなチャレンジで、最初は誰も理解してくれてませんでしたから。蓋を開けたら大成功で、シリーズのどのタイトルよりもよいセールスを記録しています。

―― 確かにオンラインというだけで、ほかとは違ったゲーム性になるでしょうし、それを開発するためのノウハウも異なるのでしょうね。ところで、ユーザー間のコミュニティを活性化させるために、導入した機能はありますか?

田中氏 「FFXI」のときは「リンクシェル」というある種“ゆるい”ユーザー同士のつながりだったのですが、「FFXIV」ではカンパニーというもっと大掛かりで強固なグループコミュニケーション機能を用意します。これはゲーム内だけでなく、Web上でもユーザー同士のコミュニケーションが取れる仕組みです。これまでは個人同士がサイトを通じて行っていた連携を、オフィシャルで用意するというイメージですね。

―― 「FFXI」が出た当時と比べ、ライバルとなるMMORPGも増えたかと思うのですが、“ここが一番「FFXIV」らしい”というのは、どの部分になるでしょうか?

田中氏 やはりバトルシステムですね。「FFXI」から一番大きく変えた部分もそこです。先ほど説明したアーマリーシステムはこのゲーム独自のものですし、そこで覚えたアビリティを組み合わせることで、これまで「ファイナルファンタジー」シリーズに登場したジョブを“自分で作り出す”ことができる。なので、あえてクラスの分類では、ファイター(戦闘系)、ソーサラー(魔法系)、ギャザラー(採取系)、クラフター(生産系)という「ファイナルファンタジー」にはない名称を使っているんです。

―― ユーザビリティーがかなり向上しているというわけですね。ところで田中さんは「FFXI」から、足掛け10年近くMMORPGの開発・運営にかかわられていますが、その魅力っていったい何だと思いますか?

田中氏 (即答で)人と人とのつながりですよね。一般的なRPGには作者がいて、その作者が創ったメッセージをゲームプレイや映像としてユーザーが受け取るという関係。MMORPGの場合は、決まったストーリーではなく、仲間同士から生まれる、人と人との物語という部分……よく「出会いと別れのRPG」なんて表現されますけど、熱心にプレイしてくれている人たちは、リアル世界でもつながりを持っている。また、シナリオがないがゆえの以外な展開っていうのにも魅力を感じるし、魅力がありすぎて中毒性があるなんていわれ方をする部分だと思います。

―― ゲームは、あくまで“遊びの場”を提供しているのだ、ということでしょうか?

田中氏 ええ。ですから一時期、バーチャルワールドみたいな試みがたくさんありましたけど、どれも成功してないですよね。やっぱりそれは、ゲーム性がないから。人と人とのつながりあっても、その世界にいる目的や動機付けがなければうまくはいかないでしょう。

―― ありがとうございました。お話を伺って、MMORPGに対して前向きになれた気がします。

 と、ひととおりの質問を終えたところでタイムアップ。田中氏は、オンラインMMPRPGに対していまいち乗り出せない筆者に対しても、きちんと話を聞いてくださって、丁寧に説明してくださったのが印象的でした。この場を借りてお礼を申し上げます。

 そして、「FFXIV」の今後のスケジュールとしては、近日中にクローズドβテストが開始予定。プレイステーション 3版に関しても、近日中にアナウンスがある予定とのことなので、公式サイトをこまめにチェックしよう。

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