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» 2010年07月16日 16時37分 公開

起業仲間はmixiで見つけた 150万人が遊ぶソーシャルゲーム作るポケラボ

人気ゲームを複数提供するソーシャルアプリプロバイダー・ポケラボの目標は国内ナンバー1を目指すこと。同社を立ち上げた後藤さんは、「3年前までGoogleも知らなかった」という。

[小笠原由依,ITmedia]
photo サムライ戦記

 「最初はGoogleすら知らなかった」――「モバゲータウン」でソーシャルゲーム「サムライ戦記」や「やきゅとも!」を提供するソーシャルアプリプロバイダー(SAP)、ポケラボの代表取締役 後藤貴史さん(25)は語る。サムライ戦記は5カ月で150万ユーザー、やきゅとも!は1カ月で70万ユーザー集めた人気ゲームだ。

 後藤さんがWebに興味を持ったのは3年前。Web広告代理店の手伝いをしている時だ。それまではPCも持っておらず、ネットの閲覧には携帯電話を使っていた。

 そんな後藤さんに転機をもたらしたのはSNS「mixi」だ。Webに触れるきっかけになった代理店での仕事は、mixiのコミュニティで見つけた。共同経営者の佐々木俊介さんや投資家との出会いもmixiの起業家コミュニティがきっかけ。「mixi、大活躍でした」と後藤さんは笑いながら当時を振り返る。

 mixiを通じてさまざまな人に出会い、起業に至った。「やるからには勝ちたい。中小企業では終わりたくない」と、国内ナンバー1のSAPを目指す。

バイトも企業仲間もmixiで

 映像関連の学部にいた大学2年の時、後藤さんは焦っていた。周囲に比べて知識が足りず、同級生に置いてかれているように思ったという。そこで映像にかかわるバイトを探し、働きながら知識を付けようと決意。しかしバイト先はなかなか見つからない。

 バイト探しにmixiを使うことを思いつき、コミュニティを伝って映像関連の仕事をしている人を探した。「当時、mixiの会員数は200万くらい。各コミュニティに入っている人数も今ほど多くなく、声を掛ければすぐ仲良くなれるような雰囲気があったんです」。30人程度に「仕事を下さい」と声をかけ、何人かと仲良くなり、広告関連のバイトを見つけた。

 広告関連の現場で働く中でWeb広告代理店の人と出会った。聞けば「ネット広告が伸びている」という。そのころ就職活動で悩んでいたこともあり、伸びるならやってみたい、とWeb広告に興味を持った。

 mixiを通じてもう一度仕事探しをスタート。Web広告代理店に声を掛けていったところ、ちょうど代理店を立ち上げようとしていた人と出会う。ただ働きだが、一緒に働かせてもらえることになった。

 後藤さんは当時、主に携帯電話を使ってネットを利用していた。ネット関連の知識はほとんどなかった。「まずはGoogleから勉強しろ」。社長から指示を受け、ネット広告についてひたすら勉強。就活生という立場を生かし、ネットベンチャーの説明会もかたっぱしから回った。「ネットって面白い」。このころ初めて思ったという。

 手伝っていた代理店の社長はもともとある企業のトップ営業マンだったという。「起業したことで給料はすごく下がっていた。それでも社長は楽しそうで、お金ではない部分にやりがいを感じていたんだと思う」。そんな社長にあこがれ、「どうせなら今しかできないことをやろう」と起業を決意した。

 起業家コミュニティで出会った学生起業家を通じて、投資家とも出会う。「モバイル関連の事業をやること」「技術者を見つけてくること」という2つの条件付きで出資が決定。NTTコムウェアで次世代ネットワークの開発をしていた佐々木さんを誘って会社を興した。

 最初に作ったサービスは携帯向けのブックマークサービス「ポケットブックマーク」だ。「当時、アメリカで『delicious』というソーシャルブックマークサービスが伸びていたし、日本のはてなブックマークも伸びていた」ため、モバイル版を作れば成功するのではという読みだった。しかし、思ったようにはユーザーは集まらない。広告で収益を得る予定だったが、なかなかビジネスにつながらず、赤字は1年程度続いた。

 09年1月、「せっかくやるなら、自分たちが好きなゲームを作ってみたい」と方針転換を決めた。携帯向けブラウザゲームで収益化に成功した例を聞き、利用無料・アイテム課金制の戦国シミュレーションゲーム「サムライキングダム」をスタートした。

 当初は「作りがかなり乱雑だった」が、「カスタマーサポートをしっかりやっていたら、意外とユーザーが付いてきた」という。アイテム課金で収益を上げ、2カ月程度で黒字化した。

 mixiがオープン化したタイミングで「せっかくならもっとソーシャルゲームを作ろう」と、ゲーム事業に注力。mixiで出したアプリは1カ月半で60万ユーザーを獲得し、「ソーシャルアプリってすごいと思った」という。追ってディー・エヌ・エー(DeNA)もオープン化を発表。「これは乗るしかない」と、技術者向けの説明会に乗り込んだ。

 サービス開始と同時にアプリの提供を始める先行開発パートナーはすでに決まっていたが、「どうしても先行開発パートナーになりたい」と、DeNAの守安功COOに直談判。その場でサムライキングダムを見せて交渉した。結果、サムライキングダムと同じゲームを出すという条件で先行開発パートナーの座を獲得した。

 サムライキングダムをベースに「サムライ戦記」を1カ月で開発。リリースすると1カ月で50万ユーザー、2カ月で100万ユーザーを突破した。実績が認められ、野球チームを育成する「やきゅとも!」もリリース。ユーザーは1カ月で70万を超える人気タイトルになった。

強みは「好きな人が好きに作ること」

photo やきゅとも!で遊ぶ後藤貴史さん

 ヒットの秘けつは「自分が面白いと思うものを作る」こと。後藤さんは「ヒットするアプリを作ろうと思ったというより、僕らが面白いと思えるものを作れば当たる」と話す。サムライ戦記は、共同経営者の佐々木さんが戦国時代が大好きだったことから、やきゅとも!は、同社のアルバイトスタッフが野球好きだったことがきっかけ。「うちの会社の強みは、好きな人が好きにゲームを作るところ。自分が遊んで面白いものを作ればいい」

 「ヒットしたコンテンツを表面上まねしても同じようなヒットを生むのは難しい」と、他社が作ったソーシャルアプリを参考にすることはあまりない。むしろ、テレビゲームや映画、ドラマ、小説などから着想を得ることのほうが多いという。「映画やドラマ、小説などエンターテインメントは、ユーザーに感動を与えてキャッシュを得るビジネス。共通するポイントはかならずあると思う」

 同社では、ゲームのハードやソフト、攻略本、漫画などをすべて経費で購入できる。購入してほしい製品を記入できるリストがあり、そこにゲームのタイトルや商品名を書き込めば、経費で購入するようになっている。

国内ナンバー1のSAP目指す

 現在の目標は、国内ナンバー1のSAPになること。その前段階として、今年は国内トップクラス入りが目標だ。6月には事務所を移転。社員も一気に増やすつもりだ。

 「ソーシャルアプリの市場はまだできたばかり。大きい会社が出ている中で、『そんな名前の会社知らないよ』という状況でも勝負ができる」と後藤さんはフロンティアの市場に期待する。

 「世界にコンテンツを出す今以上の機会はないと思う」。国内トップの先には海外展開も視野に入れている。「国内トップになってポケラボの認知度を上げ、勢いを利用して海外展開もしたい。こんなチャンスはなかなかない。生かしたいと思っている」

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