TGS会場で見つけた、カメラ不要の「未来のモーションキャプチャ」日々是遊戯

ゼロシーセブンが「東京ゲームショウ2010」に出展していた、最新のモーションキャプチャ技術が面白かったので紹介します。カメラを使わないモーションキャプチャ技術とは!?

» 2010年09月21日 23時55分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

導入の敷居はぐっと下がりそう

 今やゲーム開発のみならず、映画やプロモーションビデオ、スポーツ科学など様々な分野で活用されている「モーションキャプチャ」。「東京ゲームショウ2010」のゼロシーセブンブースで、ちょっとユニークなモーションキャプチャツールを見つけたので紹介します。

 最大の特徴は何と言っても「カメラを使用しない」こと。従来のシステムでは、アクターの動きをカメラで取り込む「光学式」が主流でしたが、ゼロシーセブンが提案する新システム「MVN」では、カメラを一切使うことなくモーションを作成できるのが特徴となっています。でも、カメラもないのに一体どうやってアクターの動きを感知しているのでしょうか?

ブース内で行われていたデモの様子。カメラもないのに、スタッフの動きがリアルタイムでモーションデータ化され、ブース内のモニタに映し出されています

 秘密はアクターが着ている専用のスーツにありました。このスーツ、実は全身17カ所に小型の慣性センサーを搭載しており、カメラを使わずともアクターの動きをリアルタイムで検出・送信することができるのだそう。慣性センサーと言えばPlayStaiton Moveにも採用されている位置検出技術のひとつですが、慣性センサーだけでここまで正確な位置検出が可能なんですね。

こちらは併せて出展されていた、マーカーレスモーションキャプチャーシステムのデモンストレーション。こちらは従来と同じくカメラや専用のスタジオを必要としますが、マーカーや特殊スーツを必要とせず、普段着のままキャプチャが可能となっています

 会場のスタッフに慣性センサー式のメリットを尋ねてみたところ、「やはり設置に場所をとらない点が大きいですね。専用のスタジオを必要としないため、スカイダイビングやスキーといった屋外での利用も可能で、さらに導入コストも光学式に比べて安価となっています」とのこと。確かに従来のシステムでは、光るマーカーが付いた専用のスーツと、大がかりな撮影スタジオが必須でしたが、慣性センサー式ではそのどちらも不要。海外ではすでに「KILLZONE」シリーズなどの大型タイトル開発でも利用実績があるとのことで、今後は光学式に代わって、もしかすると慣性センサー式がモーションキャプチャツールの主流になってくるのかもしれません。

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