緊張が走る中国・武漢で行われたe-sportsイベントグランドファイナルIEF2010(1/4 ページ)

一昨年の中国・武漢、昨年の韓国・水原に引き続き、今年も行われた中韓政府主催のe-sportsイベント「International E-sports Festival」に、日本代表選手団団長として行ってきました。試合会場となったのは、反日デモで話題になった武漢市……実際、そこらへんのところはどうだった?

» 2010年11月29日 09時30分 公開
[松井悠,ITmedia]

中国政府、韓国政府主催のe-sportsイベント「IEF」

 International E-sports Festival(IEF) は、中国、韓国政府が主催するe-sports(electronic sports:デジタルゲームを競技として捉えるカルチャー)イベントで、2005年に中韓政府共同で開催された「中韓電子競技ゲーム」から徐々に規模を拡大し、中国共産党青年団、中国文化部、国家体育総局など14の中央省庁と、韓国文化観光省、韓国e-sports協会によって運営されているイベントだ。2008年の開催地、中国・武漢に再び会場を戻し行われた本大会は、2010年の10月28日から30日の日程でStar Craft、War Craft III、Counter-Strike1.6などのe-sportsトーナメントが開催された。

 世界最大のe-sportsイベント「World Cyber Games」や、フランス・パリのディズニーランドでグランドファイナルが開催されたことで話題となった「ELECTRONIC SPORTS WORLD CUP」などとIEFの大きな違いは、運営の主体が企業ではなく、政府や地方自治体にあること。収益を求める企業主体のイベントとは異なり、青少年の育成や自治体間の交流、企業誘致といった内容が盛り込まれている。とはいうものの、e-sportsイベントはその中の花形。多くの人々がその試合を観戦しに集まっていた。

 実は、今年のIEFについては、先般の日中問題の兼ね合いもあり、招待されるかどうかギリギリまで分からない、という状況だった。そのため、正式に招待が決定したのが、開催の2週間ほど前であり、そのタイミングで参加が可能な日本選手を探すということで、実はかなりドタバタとしてしまっていた。なんとか全選手の渡航手配が終了したのは、実に開催1週間前のことだった。

 今回、日本代表選手が送り込まれたのはFPSの「Counter-Strike 1.6」、リアルタイムストラテジーの「War Craft III」の2種目、計7人。War Craft IIIは、昨年に引き続いて、nemuke(尾崎 大悟)、ENZA(千嵜 勇和)の両選手がIEF本部からの招待選手として指定され、Counter-Strikeは、昨年、一昨年と続けて参戦したbarusa(大田 健)がメンバーを務めるチームVae Victisが初出場となった。今回のVae Victisメンバーは、スケジュールの都合上、渡航できない正規メンバーに替わって他のプレイヤーが参入した急造チーム。試合まで間もない中で、どのように連携をまとめられるかが課題となっている。

 グランドファイナルに参加している国・地域は、中国、香港、韓国、シンガポール、フランス、ウクライナ、ロシア、ベトナム、マレーシア、ドイツ、スウェーデン、日本。昨年は13の国や地域が参加していたが今年は若干減少していた。というのも、開催期間となる10月30日前後は、他のe-sportsイベントと重なっていたため、参加選手がかぶってしまっていたという事情もあるそうだ。

 今回の日本選手リストは以下の通り。

写真左上からbarusa、soina、XrayN、starbucks。左下からnemuke、ENZA、Twist。彼らが手にしているのが「ZOWIE GEAR」のデバイスだ

Counter Strike 1.6

  • Vae Victis
  • barusa (大田 健)
  • starbucks (竹川 宗士)
  • sonia (古田 理央)
  • Twist (Alexander Kim)
  • XrayN (島木 皓平)

WarCraft III

  • nemuke (尾崎 大悟)
  • ENZA (千嵜 勇和)
協力:JESPA
デバイス提供:ZOWIE GEAR

 今回のIEF2010選手団は、PC用ゲーミングデバイス「ZOWIE GEAR」からマウスパッド、ヘッドセットの機材提供を受けている。この提供は選手に自社製品を使わせることを強制するわけではなく、あくまでも海外遠征におけるサポートを目的としている。そのため、試合中の使用義務も選手に課せられてはいないが、日本トップクラスのプレイヤーにとっては、世界で通用するゲーミングデバイスに触れる機会となったはずだ。

 それでは、早速イベントの内容を紹介していこう。

選手達が宿泊するホテルの入り口には、大きなバルーンと電光掲示板による「熱烈歓迎」の文字が
試合会場の天井に掲示された参加国の旗。後ろの旗は、主催、協賛団体のものだ

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2407/24/news014.jpg 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  2. /nl/articles/2407/25/news017.jpg 「これが生えたら庭終了」 プロも降参する“何をやっても全部ムダな最恐雑草”の正体が400万再生「ほんとこれ厄介」「土ごと変えないと不可能」
  3. /nl/articles/2407/26/news151.jpg イトーヨーカドー春日部店が閉店へ 「クレヨンしんちゃん」に登場するスーパーのモデル 「残念」「寂しい」惜しむ声
  4. /nl/articles/2407/25/news012.jpg 夜、山中の側溝をのぞいてみたら…… 思わず声がもれる“あらぬ生物”の姿に「ヤバいw」「生で見てみたい」
  5. /nl/articles/2407/25/news007.jpg 水槽の中で卵を発見→慎重に見守って1カ月後…… 小さな命の誕生に飼い主も視聴者もメロメロ「まじで可愛すぎるほんとに可愛い」
  6. /nl/articles/2407/25/news138.jpg 「お父さんはママのオタクだった」 母親が「元・おニャン子」のタレント、アイドルとオタクが“つながっちゃいけない理由”を問いかける
  7. /nl/articles/2407/25/news050.jpg 「立体的に円柱を描きなさい」 中1の“斜め上の解答”に「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」
  8. /nl/articles/2401/26/news015.jpg スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
  9. /nl/articles/2407/26/news119.jpg 工藤静香、15歳の愛犬が天国へ 感謝の言葉つづるも……「泣いてばかり」「心が追いつかない」と悲痛な思い
  10. /nl/articles/2407/26/news008.jpg 外国人が来日して“3年後”…… マクドナルドの“オーダーの変化”に「胃袋が日本人のそれなんよw」とツッコミ
先週の総合アクセスTOP10
  1. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが360万再生「凄すぎて笑うしかないww」「チーズが、、、」
  2. 6年間外につながれっぱなしだったワンコ、保護準備をするため帰ろうとすると…… 思いが伝わるラストに涙が止まらない
  3. 「お釣りで新紙幣来た!!!!!と思ったら……」 “まさかの正体”に「吹き出してしまった」「逆に……」
  4. 赤いカブトムシを7年間、厳選交配し続けたら…… 爆誕した“ウルトラレッド”の姿に「フェラーリみたい」「カッコ良すぎる」
  5. ダイソーで買った330円の「石」を磨いたら……? 吸い込まれそうな美しさが40万回表示の人気 「夏休みの自由研究にもいいのでは?」
  6. 「これ最初に考えた人、まじ天才」 ダイソーグッズの“じゃない”使い方が「目から鱗すぎ」と反響
  7. もう笑うしかない Windowsのブルースクリーン多発でオフィス中“真っ青”になった海外の光景がもはや楽しそう
  8. アジサイを挿し木から育て、4年後…… 息を飲む圧巻の花付きに「何回見ても素晴らしい」「こんな風に育ててみたい!」
  9. スズメの首は、実は……? 「心臓止まりそうでした」「これは……びっくり!」“真実の姿”に驚愕の声
  10. 【今日の計算】「8×8÷8÷8」を計算せよ
先月の総合アクセスTOP10
  1. 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
  2. 日本人ならなぜかスラスラ読めてしまう字が“300万再生超え” 「輪ゴム」みたいなのに「カメラが引いたら一気に分かる」と感動の声
  3. 「最初から最後まで全ての瞬間がアウト」 Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラとのタイアップ曲に物議 「誰かこれを止める人いなかったのか」
  4. 「値段を三度見くらいした」 ハードオフに38万5000円で売っていた“予想外の商品”に思わず目を疑う
  5. 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  6. かわいすぎる卓球女子の最新ショットが730万回表示の大反響 「だれや……この透明感あふれる卓球天使は」「AIじゃん」
  7. 「これはさすがに……」 キャッシュレス推進“ピクトグラム”コンクールに疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は
  8. 天皇皇后両陛下の英国訪問、カミラ王妃の“日本製バッグ”に注目 皇后陛下が贈ったもの
  9. 「この家おかしい」と投稿された“家の図面”が111万表示 本当ならばおそろしい“状態”に「パッと見だと気付けない」「なにこれ……」
  10. 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」