緊張が走る中国・武漢で行われたe-sportsイベントグランドファイナル:IEF2010(1/4 ページ)
一昨年の中国・武漢、昨年の韓国・水原に引き続き、今年も行われた中韓政府主催のe-sportsイベント「International E-sports Festival」に、日本代表選手団団長として行ってきました。試合会場となったのは、反日デモで話題になった武漢市……実際、そこらへんのところはどうだった?
中国政府、韓国政府主催のe-sportsイベント「IEF」
International E-sports Festival(IEF) は、中国、韓国政府が主催するe-sports(electronic sports:デジタルゲームを競技として捉えるカルチャー)イベントで、2005年に中韓政府共同で開催された「中韓電子競技ゲーム」から徐々に規模を拡大し、中国共産党青年団、中国文化部、国家体育総局など14の中央省庁と、韓国文化観光省、韓国e-sports協会によって運営されているイベントだ。2008年の開催地、中国・武漢に再び会場を戻し行われた本大会は、2010年の10月28日から30日の日程でStar Craft、War Craft III、Counter-Strike1.6などのe-sportsトーナメントが開催された。
世界最大のe-sportsイベント「World Cyber Games」や、フランス・パリのディズニーランドでグランドファイナルが開催されたことで話題となった「ELECTRONIC SPORTS WORLD CUP」などとIEFの大きな違いは、運営の主体が企業ではなく、政府や地方自治体にあること。収益を求める企業主体のイベントとは異なり、青少年の育成や自治体間の交流、企業誘致といった内容が盛り込まれている。とはいうものの、e-sportsイベントはその中の花形。多くの人々がその試合を観戦しに集まっていた。
実は、今年のIEFについては、先般の日中問題の兼ね合いもあり、招待されるかどうかギリギリまで分からない、という状況だった。そのため、正式に招待が決定したのが、開催の2週間ほど前であり、そのタイミングで参加が可能な日本選手を探すということで、実はかなりドタバタとしてしまっていた。なんとか全選手の渡航手配が終了したのは、実に開催1週間前のことだった。
今回、日本代表選手が送り込まれたのはFPSの「Counter-Strike 1.6」、リアルタイムストラテジーの「War Craft III」の2種目、計7人。War Craft IIIは、昨年に引き続いて、nemuke(尾崎 大悟)、ENZA(千嵜 勇和)の両選手がIEF本部からの招待選手として指定され、Counter-Strikeは、昨年、一昨年と続けて参戦したbarusa(大田 健)がメンバーを務めるチームVae Victisが初出場となった。今回のVae Victisメンバーは、スケジュールの都合上、渡航できない正規メンバーに替わって他のプレイヤーが参入した急造チーム。試合まで間もない中で、どのように連携をまとめられるかが課題となっている。
グランドファイナルに参加している国・地域は、中国、香港、韓国、シンガポール、フランス、ウクライナ、ロシア、ベトナム、マレーシア、ドイツ、スウェーデン、日本。昨年は13の国や地域が参加していたが今年は若干減少していた。というのも、開催期間となる10月30日前後は、他のe-sportsイベントと重なっていたため、参加選手がかぶってしまっていたという事情もあるそうだ。
今回の日本選手リストは以下の通り。
Counter Strike 1.6
- Vae Victis
- barusa (大田 健)
- starbucks (竹川 宗士)
- sonia (古田 理央)
- Twist (Alexander Kim)
- XrayN (島木 皓平)
WarCraft III
- nemuke (尾崎 大悟)
- ENZA (千嵜 勇和)
今回のIEF2010選手団は、PC用ゲーミングデバイス「ZOWIE GEAR」からマウスパッド、ヘッドセットの機材提供を受けている。この提供は選手に自社製品を使わせることを強制するわけではなく、あくまでも海外遠征におけるサポートを目的としている。そのため、試合中の使用義務も選手に課せられてはいないが、日本トップクラスのプレイヤーにとっては、世界で通用するゲーミングデバイスに触れる機会となったはずだ。
それでは、早速イベントの内容を紹介していこう。
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