“麻雀ゲーム”ではなく“麻雀”を再現する「Maru-Jan」の試み:シグナルトーク代表取締役 栢 孝文氏に聞く
耐久といえば8時間だろう――。そんな軽い気持ちで始まった生放送企画「マルジャン放送局8時間スペシャル『全面対決!プロ雀士 vs 丸雀士!』」を振り返る。
あくまでも“運次第”の麻雀をいかにエンターテインメントとするか
「“耐久”といえば8時間だろう、という軽いノリで企画はスタートしました」――。シグナルトーク代表取締役の栢 孝文氏は、1月26日に開催されたオンライン麻雀ゲーム「Maru-Jan」を使用した生放送企画「マルジャン放送局8時間スペシャル『全面対決!プロ雀士 vs 丸雀士!』」をこう振り返る。
やるのであれば話題になる面白いものを創ろうと考え、今後のインターネット生放送の可能性を計ろうともした。通常の1時間配信と異なり、ある程度の機材の準備も必要で、企画段階から飽きさせない工夫が必要だった。麻雀ファンの視点では、さまざまなプロの打ち方が一気に見られたのが面白いのではないかとの思いもあった。
プロ雀士とはどれほど強いのだろうか? という単純な疑問を解消すべく、先日登録会員数が50万人を突破したオンライン麻雀ゲーム「Maru-Jan」のユーザーを対象に行われた先述の生放送企画は、企画名のとおり8時間ぶっ通しでプロと対決でき、それを観戦することができた。
以前から生放送では、プロに対局してもらったり、栢氏自身が出演しているのだが、その際ユーザーに勝てないことも多かったという。そこで、いっそのことユーザーとの対戦イベントをやろうという流れになるのは自然だったのかもしれない。実際に有料のオンライン麻雀ゲームだということもあり、本当にこだわってオンライン麻雀を遊んでいる人が多く、そうした対戦企画もある程度はウケがよいのではないかという目算もあったのだろう。
うれしい誤算としては、プロ雀士の反応が良かったと栢氏。普段の麻雀は黙って打つものなので、自分の麻雀観や打ち方を話しながら打つ事が楽しかったとの感想も多かったそうだ。今回の企画ではユーザー側の勝利に終わったが、プロからまたやりたいという声も挙がっているという。もちろん、ユーザーからも「またやってほしい」「自分も参加したい」という声も多かった。
通常数千人規模に考えを伝えるには大きな会場と大きな費用が必要だったが、インターネット上での放送では容易にそれが可能だ。ユーザーへの満足度を高めるためにも、この利点を使わない手はない。ましてや、「Maru-Jan」はオンライン麻雀ゲームだ。途中、回線トラブル等があり改善すべき点は多々あったが、概ねユーザーとのつながりを持つという点では大成功だったのではないだろうか。次回の開催では、ネットワークの技術的な問題をクリアして、安定したコンテンツを送りたいとの目標もできた。今度は何時間ぶっ通しになるかはまた別の話だ。
麻雀というコンテンツを“エンターテインメント”として提供するシグナルトークにはひとつの仮説がある。麻雀は基本的には運のゲームで、プロが成り立ちにくい世界と言われている。プロが強いか弱いかという議論はあるとして、プロが勝つかどうかは誰にも分からなく、当然勝ったり負けたりする。つまり、プロではなくても、世界で一番の麻雀が強い人だとしても、勝つかどうかは運次第なのだ。
それを踏まえて、麻雀をエンターテインメントとして扱う際には、2つの要素が必要だと考えている。それは「その時どういう考えをもって試合結果になったのか」。そして「どういうプロセス・考え方でその結果になったのか」というもの。
運そのものを楽しむ点で見れば、スポーツの試合とは違い、面白い負け方や下手な勝ち方ということが必要なのではないだろうか。プロは試合結果も大事だが、対戦を見せるという観点からは、面白い言葉を持っていたり、タメになる考え方があるというのが必要なのだ。「勝ったり負けたりするだけであれば、普通の麻雀打ちでもやっていることですので」と栢氏は付け加える。
「Maru-Jan」はユーザビリティを高めるためにありとあらゆることをしていくと標榜している。サーバーの安定度を高め、通信の速度を高め、バグを少なくする。遊べないユーザーを減らし、課金する手段を増やす。サポートのメール返信速度を上げ、返信内容を丁寧にする。まだまだある。デザインを綺麗にし、さまざまな場所から「Maru-Jan」にたどり着けるようにポータルサイトと連携を行う。もちろん今回の生放送のようなイベントも積極的に行っていく。
どれも基本的なものであり、どのオンラインサービスでも通常やらなければいけないことだ。だが、そうした基本的なことをまずひとつずつ高めていくことが結果的にユーザーのためでもあるし、サービスそのもののためでもあるのは誰しもが分かっているが難しいことなのかもしれない。ユーザーに1つのことに満足してもらうだけでなく、すべてに満足してもらえるようにしたいと栢氏は語った。
「『Maru-Jan』は麻雀ゲームではなく、麻雀を再現しようとしています。他の麻雀ゲームがどうのということではなく、実際の麻雀と『Maru-Jan』との間にまだまだ差があると思っていますので、足りないものだらけだと思っています」(栢氏)
まだまだ改善すべき点は多いということか。今後のバージョンアップについて、「よく6年バージョンアップを続けているとやることは無いんじゃないか? と言われますが、今後のやることリストの内容が多すぎて開発陣が大変な思いをしているくらいです」と、今後のバージョンアップが期待できるコメントを出している。
今後の目標としては、上記を踏まえて「Maru-Jan」の会員数を増やすことだけを目的とするのではなく、麻雀自体をより楽しんでもらえる様にしていきたいと栢氏。ユーザーの年齢層が広く、いかに彼らに“麻雀ゲーム”ではなく“麻雀”を提供できるかがカギとなるとみている。シグナルトークとしては、先日発表した認知症研究の予防・治療に向けた研究について、今後もさまざまな協力を得て準備し進めており、研究成果を発表していきたいとのこと。
正直、この「マルジャン放送局8時間スペシャル『全面対決!プロ雀士 vs 丸雀士!』」の企画を聞いた際は、プロが投票数を多く集め、当然プロが勝つだろうと思っていた。運営側もそう思っていたという。しかし、実際はユーザーが勝利した。プロは残念に思っていたようだが、「Maru-Jan」を開発し運営し、こうして麻雀が好きで強いユーザーが長く遊んでくれていることに大きな自信と手ごたえを得たのは確かだろう。
栢氏の「本当に麻雀が好きで強い人、『Maru-Jan』で長く遊んでその間に強くなった人もいます。お客様が強いから他のお客様も強くなっていくということだと思いますので、私としてはお客様が勝ってちょっと嬉しいと思っています」というコメントに、あくまでもユーザーに顔を向けたサービスであるということを実感したのだった。
関連記事
- プロ雀士ってどのくらい強いの? マルジャン放送局8時間スペシャル「全面対決!プロ雀士 vs 丸雀士!」放送決定
オンライン麻雀ゲーム「Maru-Jan」の公式サイトコンテンツ「マルジャン放送局」において、8時間ぶっ通しのプロ雀士と戦うイベントが開催される! - オンライン麻雀ゲームMaru-Janを使った認知症予防効果の研究開始
シグナルトークは10月26日、麻雀ゲームと認知症の関係について調査研究を開始することを発表した。 - 大人がたしなむゲーム講座
- PCゲーム
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
【今日の計算】「2+13×2−6」を計算せよ
-
柴犬が仮設住宅に入ると、布団に隠れた大好きなお姉ちゃんが! 被災した柴犬が見せた最高の笑顔に「こちらまで幸せな気持ちになります」
-
パパがヒゲをそって大ショックな息子の反応が3600万再生 予想外な落ち込みように両親苦笑い【海外】
-
トリンドル玲奈の結婚相手は誰? 2024年に2歳年下俳優と結婚発表、ラブラブ2ショットを公開
-
「人生で一度は見てほしい」「息をのむ美しさ」 この世のものと思えない幻想的な“一本桜”に15万いいねの大反響
-
元パティシエ直伝、スライスチーズを使う激ウマ蒸しパンが209万再生! あまりのおいしさに「秒でなくなった笑」の声も
-
【今日の計算】「101×99」を計算せよ
-
スマホがネットにつながらないと思ったら…… 想定外すぎる落とし物の事例に「こわ!」「こんなん初めて見た」と驚く声上がる
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」