「セーブデータお預かり」でますます便利に! SCEスタッフに「PlayStation Plus」のこれからを聞いた:PS3に便利をプラス!(2/2 ページ)
今後のPlayStation Plusについて聞いてみました
「セーブデータお預かり」機能の追加という、初の大型アップデートを迎えた「PlayStation Plus」。果たしてアップデートの狙いはどこにあったのか、また今後のサービス予定についてなど、SCEのスタッフに直接お話をうかがった。
―― まず今回追加された「セーブデータお預かり」機能ですが、どのような経緯で実装に至ったのでしょうか。
関屋氏 もともとお客様からの要望がすごく多かったんです。いざという時のために、ネットワーク上にセーブデータを保存できたらいいよね、という。
坂本氏 諸々の事情により「セーブデータお預かり」はこのタイミングでの実装になってしまいましたが、企画当初からコンテンツとシステム両面からのサービスは考えていたんです。
関屋氏 今までのPlayStation Plusはあくまで「コンテンツサービス」という側面が強く、その月のコンテンツがお客様によっては魅力的と映らないケースがあったかもしれません。今回、セーブデータお預かりという、システム面を拡張する機能を実装したことで「ずっと加入していたくなる」サービスになったかなと考えています。
―― 確かに、年間で加入するメリットがぐっと増した感があります。
関屋氏 実際、3月10日のアップデート以降、加入者はぐんと増えています。また今までは30日券での利用が多かったんですが、これを機に365日券での利用が増えてくれたら嬉しいですね。
―― 素朴な疑問なんですが、例えば30日券で利用していたとして、利用期限が過ぎた場合、オンラインストレージ上のセーブデータはどうなってしまうんですか?
関屋氏 これは申し訳ないんですが、利用期限を過ぎるとオンライン上のデータも消えてしまいます。サーバーのデータ更新などのタイミングもありますので、すぐ消えるというものではないんですが、退会後のデータについては保証しかねます、ということで……。
―― バックアップとして利用する場合にはちょっと注意が必要ですね。毎月のラインアップはどのようにして決めているのでしょうか?
岩田氏 まずは過去の人気などを考慮し、こちらでラインアップの候補を立てます。それからライセンシー様に相談させていただく。例えば続編に合わせて前作を掘り起こしたいとか、プロモーションの場としても活用していただければと考えています。
―― ユーザーからは「もっと新しいタイトルを提供してほしい」という声もあるようですが、このあたりは?
関屋氏 確かに、そういう声も寄せられてはいます。ただ必ずしも、すべて最新のタイトルであるのがいいとは思っていなくて、過去に発売された名作とか、いいタイトルなのにあまり知られていないゲームを提供・再発掘していくのも私たちの役割。もちろんユーザーの要望にはなるべく柔軟に応えていく姿勢ですので、今後はヘビーユーザーにも魅力的なタイトルをもっと提供していきたいと思います。
―― 今回、「セーブデータお預かり」という機能が加わりましたが、機能面で他にも予定しているサービスなどはありますか?
関屋氏 まだちょっと具体的には申し上げられませんが、もちろん今後も新しい機能は随時提供していきたいと考えています。
―― 例えば今は手動でオンラインストレージにバックアップする形ですが、自動で全部のデータをミラーリングしてくれたりしたら嬉しいですね。
関屋氏 そういう要望やニーズがあることは理解しています。ただ、どれもまだ具体的に「やります」「できます」とは言えない状態で……すみません!!
―― 分かりました(笑)。あくまで可能性としてですが、今回のようにシステム側で対応できることについては、PlayStation Plusの機能として実装できると見ていいのでしょうか。
関屋氏 そうですね。お客様がなにを求めているかについては常にリサーチして、柔軟に対応していきますので、いつ、どんなアップデートが来るのかなども含めて、期待していただければと思います。
―― では最後に、PlayStation Plusを利用しているユーザー、これから利用するユーザーに向けてメッセージをお願いします。
関屋氏 とにかくお客様にプレイステーションをもっと楽しんでいただきたい、というのがすべてです。コンテンツであれば、新旧を問わずお客様の「欲しい」という声にはなるべく応えていく。システム面であれば、どんな機能があればもっと便利で、もっと楽しくなるのか、きっちりお客様の声を吸い上げて反映させていく。6月のサービス一周年を機に、また新しいキャンペーン展開なども考えていますので、ぜひ楽しみにしていてください。
―― ありがとうございました。
オプションの豊富な「保険」サービスという見方も
インタビューにもあったとおり、これまでのPlayStation Plusはコンテンツサービスとしての側面が強く、その月のラインアップによって「当たりハズレ」が大きいという欠点もあった。例えば「フリープレイ」のタイトルだけを見ても、「パネキット」や「ワイプアウト」といったゲームアーカイブス用タイトルの時もあれば、「リトルビッグプラネット」や「SIREN: New Translation」といったPS3用タイトルの時もあり、ユーザーからは「提供されるコンテンツにムラがある」という声もあがっていた。
しかし、今回「セーブデータお預かり」機能が追加されたことで、一種の「保険」サービスのような見方もできるようになった。「月額500円で大切なセーブデータをバックアップしてくれるサービス」で、さらにオプションとして、毎月様々なコンテンツを無料、もしくは低価格で遊ぶことができる――と考えたらどうだろう。大切なセーブデータを守れて、なおかつ毎月様々なタイトルが無料、もしくは低価格で遊べる「オプション」が付いてくると考えれば、月額500円/年間5000円という利用料も決して高くはないように思えてくる。
「ゲームライフをもっと楽しみたい人向けに、ワンランク上のサービスを提供したい」(坂本氏)というコンセプトから始まったというPlayStation Plus。今後のコンテンツや、システム拡張にもぜひ期待したいところだ。
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