1998年3月11日
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ドキュメント4月4日 「サクラ2」のアツく長い1日 |
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セガ |
前作が春の発売を予定しながらも，諸事情で秋にずれ込んだのに対し，「サクラ2」は予告通り満開の桜の中，ファンの手元に届いた。「今回も発売が伸びるのでは？」という意地が悪い声の中，いろいろな部署の方が死ぬような想いで開発を間に合わせたことは容易に想像できる。本当にお疲れさまでした。そんなスタッフに応えるように，ファンの熱狂と美しい桜の花が「サクラ2」発売の最高の舞台を用意した。
秋葉原では，予約しているのにも関わらず，各店舗が用意した「オマケ」のために発売前日から徹夜組の列が出来た。ほかのタイトルと発売日がずれたことや，予約のシステムが徹底されたことから，大きな混乱はなかったようだがファンのパワー恐るべし。でも周囲への迷惑を考えると徹夜については，あんまりオススメできないのが本音。
発売日早朝から，秋葉原の列は本格化し，ゲームショップの開店時には山積みだった「サクラ2」も，お昼前には各店で「売り切れました」の札が目立ち始め，午後3時には秋葉原からほとんど姿を消したらしい。す，すごい。
新宿のディスカウント店，市部にある大手家電店の一部などでも夕方には売り切れが相次ぎ，「どこの店に残ってるの？」という予約しなかったファンの悲痛な声がインターネットを駆けめぐった。す，すごい。
予約の伸びがイマイチだったと言われたコンビニエンス店でも，蓋を開けてみればかなりの人気。特に今回セガとタイアップしたローソンでは，予約すると「サクラ2バンダナ」が手に入るため，コンビニ購入組の第一目標となったようだ。バンダナが予約なしでもらえたかは不明。
また，この日の14時からが初公演となるミュージカルも好調（写真）。「サクラ」の主人公たちの後輩が帝都を守るために活躍するお話で，野村祐香さんや「サクラ」の声優さんが出演することで注目されている。本格的なフレンチカンカンなどが楽しめる，一風変わったミュージカルなので，家族でも楽しめるぞ。青山少女合唱団の若さ溢れる演技もすごくハッピーな気分にしてくれること請け合い。会場でのグッズの売れ行きも好調で，両手に持ちきれないほど買っていったお兄さんもいたそうな。す，すごい。
さらに，都営線と京急線で「サクラ2発売記念」のプリペイドカードが限定で発売されたが，これを求めて地下鉄の路線図と睨めっこしているファンを多く見かけた。
都営線では「サクラ2Tカード」3万枚を用意したが，100枚以上を購入した人がいるという噂が流れ，予約していないファンを青くさせた。大きな駅では，その駅の担当分を遙かに上回る人気に，慌ててほかの駅からカードを仕入れる状況。取材した某駅では，ひっきりなしにTカードを求めるファンがやってきて，駅員さんは応対に一苦労していた。
一方，京急線も2万枚の「サクラ2ルトランカード」を発売。同線品川駅では，4月1日の時点で予約数が満杯になるなど，こちらも大人気。横浜方面でも完売が相次いだ。予約をしなかったファンは各駅停車しか停まらない小さい駅での在庫を求めて，発車本数の少ない各駅列車を乗り継いでいったようだ。
当日僕が取材に訪れた京急の某駅は，品川に近い小さな駅だった。ここにも当日購入しようとしていたファンが来ていて，カードの売り切れと再販の予定がないことを確認すると，がっくりと肩を落としながらもさらに南に向けて各駅列車に乗り込んでいった。「僕のを1枚譲りましょうか？」とは，露ほども，思わなかったが（笑），彼が無事にカードを購入できたことを祈りたい。
……さて，このカード類の取材していて一言。前にカードの紹介記事を書いたとき，「駅員さんに迷惑だけはかけないように」って言ったろーが！ 都営線の駅員さんに延々「コミケでも売りましょう」とか一方的に喋りまくって，仕事の邪魔をしてた小僧！ 駅員さんは何のことやら分からず，冷や汗かいてビビってたぞ（そりゃそーだ）。それから京急線の某駅の告知ポスターを盗んでいった奴！企業でのタイアップというのは，非常に多くの人たちが苦労して実現していることを忘れないでほしい。
そんな嫌なシーンも，上野公園の桜並木を見て忘れることが出来た。ここは前作「サクラ大戦」のスタート場所でもある。つまり，「サクラ」はここから始まった。僕は寝ずに取材で帝都を駆けめぐった長い長い4月4日を，この始まりの場で終えるつもりだったのだ。夜桜の花びらが風でいっせいに舞ったのを見たとき，「サクラ」を追いかけられる自分がちょっと嬉しかった。
[牛丼の大将，ITmedia]
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