1998年10月8日
既報の通り,バンダイは10月8日,東京国際フォーラムにおいて新携帯ゲーム機「WonderSwan」(4,800円・'99年3月発売予定)の発表を行った。 壇上に立ったバンダイ代表取締役社長・茂木隆氏(写真)は,出だしから「私は絶対儲かる製品の発表しか出席しない。PIPPINとは違い,バンダイらしい製品なので安心してください」と笑いを誘う。「WonderSwanは”スモールイズベスト”を追求した製品」と胸を張った。 発表会では,ビデオを交えながら,ゲームボーイとともに育った高校生たちが,最近携帯ゲームをしなくなったことを指摘。その一方で,「たまごっち」や携帯電話が若者に人気であることに注目したバンダイは,京都のメーカーであるコトと,2年前から新しい携帯ゲームの開発を進めていたことを明らかにした。 この時,コトの社長は故・横井軍平氏。横井氏は,元・任天堂でゲームウォッチやゲームボーイを開発。任天堂退社後,事故死された日本のゲーム史に残る方。その彼が,ゲームボーイの牙城を脅かす携帯ゲーム機の開発に携わり,志半ばにして他界されたことを考えると運命を感じずにはいられない。 横井氏の志を継いだコト,バンダイは,若者の携帯ゲーム機離れを招いた点を追求。その結果,
その魅力的なサイズやデザイン,価格などは,既報の記事を参照していただくとして,性能の詳細を少し。 画面機能として,定義キャラクター数は最大512個,スプライト表示数は1画面中128個,1水平ライン中32個となっている。さらに,現・コト代表取締役社長,瀧良博氏によれば,ラスタースクロールやウインドウ表示なども可能なマシンだという。音声はデジタル音源4ch・ステレオ。 そして,1Kビットの読み書きが可能なEEPROMを内蔵していることにも注目したい。これにより固有のデータの記録が可能となっている。 バンダイによれば,初めはゲーム機として販売していくが(バンダイの戦略記事は後程掲載予定),将来はPHSや携帯電話と連携し,インターネットでゲームデータをフラッシュROMにダウンロードするといった展開も十分あり得るとしている。ネットワークの利用について具体的な計画が明らかにされたわけではないが,「それに対応するだけの機能は持たせている」(バンダイ説明員)とのこと。 カラーバリエーションも豊富に用意されるようだ。この日はスケルトンを含む十数種類がデモで登場したが,東京ゲームショウなどでユーザーにアンケートを行い,最終的な色のラインアップを決定する見込みだ。 [原 毅彦,ITmedia] |
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