1998年10月14日
東京ゲームショウでのブース出展もなく,相変わらず我が道を行く任天堂。NINTENDO 64よりも,現在同社が注力しているのは,10月21日に発売が迫った「ゲームボーイカラー」だろう。 今回の東京ゲームショウでは,SNKの「ネオジオポケット」やバンダイの「WonderSwan」といった新たなライバルたちが来場者の注目を集めていたが,「ポケットモンスター」人気を武器にゲームボーイは携帯ゲームの主役の座を譲る気はない構えだ。ちなみに「ポケットモンスター」は9月末の時点で,1000万本の販売を記録しており,まさに怪物ソフトに成長している。
サイズは「WonderSwan」を触った直後だっただけに,やや大きく感じたのは否めない。カラーというメリットも,ゲームギアなどかつてのライバルがカラーだったため別に目当たらしいわけでもなく(色数などの差はあるものの),ゲームショウで「ネオジオポケットカラー」の参考出展されたことにより全く優位性がないものとなってしまった。 しかし,実際に「ワリオランド2」(同時発売ソフト・写真)をプレイしてみると,従来のモノクロゲームボーイとの互換を意識しながらも,非常に色の使い方が上手いということを感じた。思ったよりも目が疲れない。それに発売から9年も使い続けた縦長のデザインは,やはり手にしっくりくる。 こうした使い勝手に加え,今までの莫大なソフト資産がそのまま活用できるだけに,携帯ゲーム機の任天堂の王座は簡単には揺るがないと痛感した。 ただ,持ち歩くには「WonderSwan」に軍配が上がると見た。またターゲットの中心が購買力のない低年齢層であることと,カラー用ソフトがモノクロにも対応するという互換性が裏目に出て,カラー版ハードの爆発的な人気が得られるかは分からない。 もちろん,(山内社長が言うように)ソフト人気が大切なのは分かるが,ハード出荷数でも停滞しているわけにもいくまい。ハード活性化のためにも「ポケットモンスター」のカラー専用版の早期投入を望む。あんまり余裕で構えていて,携帯ゲーム機の市場でも名前を聞かなくなるのも寂しいしね。今度のライバルマシンたちは手強いよ。 [橋本ビビン,ITmedia] (C)NINTENDO |
|||||
Copyright (c) 1998 by SOFTBANK Corporation. All rights reserved. |