1999年2月11日

ショップの販売戦略で

FF8でも秋葉原に徹夜の列

 今年最注目のプレイステーションの「ファイナルファンタジーVIII」発売まで,あと数時間と迫った。ビッグタイトル恒例の秋葉原における徹夜行列は果たしてできるのか?

 予約だけで200万本というバケモノソフトだけに長蛇の列が期待される一方,予約できれば徹夜する意味がないのでは,という意見もあった。

 深夜2時,秋葉原のメッセサンオー前には寒空の中,30名以上が列を作っていた。中には毛布をかぶって,麻雀をしている人も。列の先頭は10日のお昼くらいから並んでいるという。

 聞けば,並んでいるほとんどのユーザーが既に予約しているとのこと。「何故並んでいるの?」の質問に,メッセサンオーで購入するとテレホンカードが貰えるからだとか。ほかの店でも特典に力を入れている。デジキューブによるコンビニ販売にユーザーが取られないために,ゲームショップのこうした独自の取り組みというのも今後注目したい。

 メッセサンオーに徹夜で並んだ列の先頭のほとんどが二十歳前後の学生。ただ,レアグッズが貰えるというだけでなく,ゲームとしてFF8がどんな斬新さを提供してくれるかも期待しているとのこと。

 また,「予約しているけど,何かお祭り的な雰囲気を楽しみに来た」というユーザーも。さらに,「家が遠いので始発で来たら間に合わない」という埼玉からのツワモノもいたぞ。

 また,「ラオックス ザ・コンピュータGAME館」でも20名ほどが列を作っていた。列のトップは10日22時くらいから並んだそうで,「予約してない。頼まれて」とのこと。ひぇえ〜,この寒いのにご苦労さま。ご本人は「ダンスダンスレボリューションのほうが好き」と震えながら答えていた。

 次に並んでいる学生二人組は,「FF8はコンビニに予約している」とのこと。「?」実は彼らはポケットステーションで並んでいたのだ。だが「FFをより楽しむためにポケステが欲しいんです」ということ。ほかにもポケットステーションを求めて並んでいる人がいた。中にはFFとポケステをセットで買いたいので並んだという人も。

 今回,思ったほど徹夜の列はできなかった,最大の理由は,スクウェアが十分の数の「FF8」を用意し品薄感がなかったことと,コンビニエンスでも予約に特典をつけるなどといったことが原因の一部ではないかと思われる。

[原 毅彦,ITmedia]

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