1999年7月14日

「ブックオヴウォーターマークス」

明日の発売を前にビッグ対談

 いよいよ明日(7月15日)発売されるプレイステーション用アドベンチャー「ブックオヴウォーターマークス」(ソニー・コンピュータエンタテインメント)。その美しいグラフィックといい,シェイクスピアの「テンペスト」のエッセンスを組み込んだセンスといい,大人向けの期待の1本といえる。

 発売を翌日に控えた7月14日,都内において,このタイトルのクリエイターらによるトークショウ「THE BOOKS OF WATERMARKS:LIVE TOME」が開催された。

 まず,「ブックオヴウォーターマークス」のゲーム紹介が行われたが,画面に現れる中世風の建物の外観や,その中のようすなど,その美しいCGに来場者は釘付けだったぞ。ここに掲載した写真を見れば,その凄さが良く分るはずだ。

 このゲームが大人のプレイにも耐え得る出来となったのは,開発スタッフのこだわりによるものと言ってよい。その辺の話が,今日のトークショウで聞けることができたぞ。

 トークショウに出席したのは,テレビ朝日の「トゥナイト2」のキャスターとして知られる石川次郎氏,アーク・エンタテインメントの赤川良二氏,ウォーターマークスの小林孝志氏,そしてグラフィックデザイナーの尾鷲美絵さんの4人。

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SCEI
URL: www.scei.co.jp

 対談に先立ち,赤川氏がこのタイトルのクリエーターである小林氏との出会いを紹介した。それによると,小林氏がゲームを制作するに当たって希望した,3人というミニマムなスタッフでの開発,実写部分をハリウッドで制作する,といった要望はほとんど実現できたとしている。

 2年半という期間で制作された本作は,ピンボール「ネクロノミコン」で知られる小林氏が,グラフィックのライティングにこだわって制作したことにより,この美しさを実現したという。

「映画では照明が非常に重要な位置を占めるが,ゲームのグラフィックではあまり注目されない」(小林氏)。シーンによっては,100カ所ものライトを設定してグラフィックを起こしているという。

 今回のゲームデザインの参考にするため,イタリアに渡ったというグラフィックデザイナーの尾鷲さんも,実写とCGを上手く融合させるべく,ライティングには再三の注意を図ったという。「実写とCGが連続しても全く気が付かないレベルで驚いた」(石川氏)。

 最後に石川氏が,「大人でも本格的に楽しめるゲームの登場を歓迎したい」と対談をしめた。明日は,この大人のこだわりの1本,プレイしてみないか?


[原 毅彦,SOFTBANK GAMES]

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