まずは480×272ピクセルの16:9ワイドサイズ液晶に操作ボタンを付けたような外観が目をひく。その小さなボディの7割ほどが液晶画面の占める面積ではないだろうか。

　これは見た目云々より“映像を楽しむ”ためのハードウェアとして最重要項目だ。携帯機だからと妥協しないその仕様は見事。

　さて，液晶に表示される映像とは？　まずはなんと言ってもゲームだ。同時発売，発売予定を含め，魅力的なタイトルが名を連ねている。

　そのどれもが今までの携帯ゲーム機の概念を打ち破るような，まさにPS2をそのままポケットサイズにしたようなクオリティだ。

　そしてもう一つの映像とは，そのものズバリ，ムービーである。

　PSPにはメモリースティック PRO デュオに対応しており，これに「メモリースティックビデオフォーマット」のMP4形式で映像を入れておけば，どこでもムービーが楽しめる。

■現在のところメモリースティック PRO デュオは容量512MBのものまでが存在する。将来的にはさらに大容量なものが登場するだろう。

■ゲームのプレイデータもこのメモリースティックに保存する。メモリースティックの採用はPSPの柔軟性へ貢献していると言える。

　また，UMDによる映像コンテンツの発売も予定されているし，TV番組を録画してそれをPSPで鑑賞するという環境も，そう遠くない将来に整うかもしれない。

　この他，JPEG画像のビューワーとしても活用することができ，遊びではもちろん，ちょっとしたビジネスの場でも使えそうだ。

　サウンドに関してはMP3形式やATRAC3plus形式のサウンドファイルを再生することが可能で，ミュージックプレイヤーとしてもかなりの高機能だ。

■オプションとして用意されているリモコン付きヘッドフォンやポーチは“PSP バリュー・パック”では同梱されており，こちらがかなりお買い得。

　このようにPSPはゲームはもちろん，映像やサウンドなどをも取り込んだ，メディアミックスなハードウェアなのである。しかもそれぞれがオマケ機能なのではなく，全てがホンキなのである。

　まずはUSB端子。正直なところ，USBは可能性があまりにも高すぎて，どういった周辺機器が出てくるかは予想もつかない。

　考えられるものとして，EyeToyのようなカメラ。これはゲームに使うだけでなく，デジカメの代わりやビデオチャットなどにも使えそうだ。

　携帯ゲーム機に外部コントローラーというのは少々コンセプトから外れるが，ゲームを快適に楽しめる特殊なコントローラーも出てきそうだ。

■無線LANの存在もPSPを特徴づける重要な要素の一つ（左脇）。

■無限の可能性を秘めたUSB端子（右）に夢は膨らむ。

　また，このUSB端子はパソコンとの親和性も良い。PSPをUSBを通じてパソコンと接続すると，パソコンからPSPのメモリースティックを読み書きできる。パソコンにカードリーダーが無くても簡単にコンテンツを管理できるというわけだ。

　さて次は無線LAN機能だ。少々専門知識が必用となるが，PSPが搭載する無線LANの機能はかなり柔軟な仕様となっている。自宅に無線LANがある場合，これを通じてインターネットへ接続することも可能だし，無線LANを通じて他のPSP，あるいはパソコンへと接続することも可能だろう。

■各種の操作ボタン類は思いのほか手にしっくりとなじみ，おそらく何の違和感もなく操作ができるだろう。

■一瞬，デザインの一部かと思ってしまう透明なL/Rボタン。アナログパッドは驚くほどストロークが大きく細やかな操作も可能だ。

　現在のところ，この無線LANを活用したゲームも数タイトルが発表されており，今後もどういったタイトルが出てくるか楽しみだ。また，ゲームだけでなくコミュニケーションツールとしての可能性も考えられる。

　PSPを核に，様々なエンタテインメントが集約し，やがて新しい形の“楽しみ”が現れてくる。そんな予感をさせる，知れば知るほど，考えれば考えるほどワクワクしてくるハードウェア，それがPSPだ。

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