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「九州をゲームのハリウッドに」――メーカー団体と九大が連携

「ドラクエVIII」開発担当のレベルファイブなどで構成する団体と九州大学が組み、次世代機向けのゲーム開発などで協力する。

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 九州のゲームメーカー7社で構成するGFFと九州大学は4月27日、共同で技術開発やゲーム研究・調査などを行う契約を結んだ。ゲームのメーカー団体と総合大学全学の提携は国内初。GFFは、次世代機向けゲームなどの開発に、九大各学部の人材や知識を生かす。九大は、ゲームメーカーの技術やノウハウを、先端的な研究分野に応用する。


左からGFF副会長の山倉千賀子ガンバリオン代表取締役、同副会長の松山洋サイバーコネクトツー社長、同会長の日野晃博レベルファイブ社長、九州大学の梶山千里総長、同小寺山亘副学長兼知的財産本部長

 GFFは「ドラゴンクエストVIII」開発元のレベルファイブ(福岡市)や、「.hack//」シリーズを開発したサイバーコネクトツー(同)、「大戦略」シリーズで知られるシステムソフト・アルファー(同)など、九州のゲームメーカー7社で構成する団体。「『九州をゲームのハリウッドにしたい』をキーワードに、2003年に開いたイベント「GFF 2003」をきっかけに生まれた。

 GFFは九大の力を借り、次世代ハード向けに新発想のゲームを開発したい考え。「ゲームクリエイターはどうしても知識が偏ってしまい、医学ものや法廷ものなど専門知識が必要なゲームの開発が難しい。総合大学である九大を、言い方は少し悪いが、百科事典のように使わせてもらいたい」と、GFF会長の日野晃博レベルファイブ社長は話す。

 また「画面を飛び越えた連携」(日野会長)も行いたい考え。「例えば、ゲームと九大のロボット研究とを組み合わせ、実際のロボットが操作できるゲームを作るといった可能性も考えられる」(日野会長)

 九大の梶山千里総長は「これまでさまざまな産学連携を行ってきたが、ゲームやアニメといったコンテンツ分野は未経験。世界から評価されているゲームの知識を取り入れ、全く新しい研究ができるのでは」と期待をかける。「例えば、がんに効く薬の科学的構造の表現方法も、ゲームの概念を通せば新しい見方ができるかもしれない。新しい研究分野の誕生も期待できる」(梶山総長)

 「産」「学」に加え、福岡市や福岡県、九州経済産業局といった「官」との連携も行う予定だ。第1弾として、福岡市がゲーム産業の可能性に関する調査を行い、結果を産学共同研究に生かす。

 九州経産局の内藤理地域経済部長は「福岡のゲーム開発は1980年代に一度花開き、日本で有数のゲーム産業集積地になったが、80年代終わりには縮小してしまった。ゲーム産業振興を政策として取り組んでこなかった反省がある」とし、コンテンツ促進法の制定などゲーム産業を支援する国策を紹介した。

 GFFと九大の提携の具体的な内容は、まだ検討段階。まずはGFFのメンバーと九大の教授陣で会合を持ち、どの分野でどういった提携が可能かを模索する。

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