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“優しい”「イースIII」をしながら、微妙なお年頃ゲーマーは「イースIV」を思う(2/2 ページ)

イースシリーズといえば、日本ファルコムを代表する作品の一つ。そのシリーズ3作目に当たるタイトルが、タイトーよりPS2向けとして移植・発売された。オリジナル版のイースI・II、そしてIIIに強烈な思い入れのある筆者がレビューする。

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ライトなRPGユーザーが、まさに“手軽に”遊べる1本

 オリジナル版からの違いは数多いものの、アクションRPGで重要な当たり判定はしっかりしているし、クリア後にはタイムアタック付きのボスラッシュも用意されている。簡単になったことについては賛否両論あるかもしれないが、少なくともライトなRPGユーザーにとっては、打ってつけのタイトルだろう。クリアまでの時間も短いので、気軽に遊べる点もうれしい。今までアクションRPGに抵抗を感じていたという人には、入門のための1本としてお勧めできる作品に仕上がっている。

 しかし、オリジナル版を知り尽くしている人にとっては、不満の残る出来なのは否めない。あの当時にできたことが現在のハードで再現されていないと言うのは、やはり残念なこと。当時に思い入れのある人ほど、そう思ってしまうのではないだろうか。できれば、オリジナル版そのままも収録して、1本で2度おいしいタイトルとしてリリースしてほしかった。今月末に同社から発売される「イースIV Mask of the Sun ‐a new theory‐」に、改めて期待したい――と、締めるはずだったが……。

一足早く「イースIV」がやってきた!

 と、ここまでの原稿を書き終えて一段落していたとき、タイミング良くイースIVのROMが手元に届いた。発売に先駆けて、その内容を簡単に紹介しておこう。今回、イースIVのPS2版をプレイするにあたり、事前に「イースVI」に付属していたイースIVをプレイしてみたのだが、スーパーファミコンで発売されたオリジナル版の出来に落胆した。もし、これが忠実に移植されていたらどうしよう……と思いつつ、おそるおそるプレイしてみると、中身はまったく違うものになっている。

 物語は、イースI、IIの半年後。アドル18歳の時の冒険記で、手紙の入っている瓶を拾い、そこに書かれていた文章を読んだことから物語が始まる。ストーリー展開が若干変わっているものの、大筋はほぼオリジナル版と同じ。登場キャラのデザインは、イースIIIと共通になっている。フィールドは見下ろし型から3Dへと変わり、攻撃方法がオリジナル版は伝統の半キャラずらし体当たりだったのが、PS2版では弱・中・強と3段階に設定された剣で攻撃するようになった。


まったく変わった画面構成。オリジナル版には欠けていた、Ysらしい繊細なグラフィックとなっている

 若干分かりづらかったフィールドも整理され、迷子になる心配は皆無。敵を倒して先に進んでいけば、サクサクとレベルが上がるバランスに調整されているので、誰もが遊べるようになっている。特に大きく変わったのは見た目で、イースの名前に相応しい、繊細な3Dグラフィックがプレーヤを魅了してくれる。剣は、ボタンの組み合わせで最大5連続での攻撃が可能となっているため、アクションの腕に自信がある人なら、さらに楽しめるのは間違いない。


タイミング良く攻撃ボタンを押せば、最大で5Hitコンボになる。出ると、なかなか気持ちがいい

 ストーリーの流れも自然で、BGMも内容に相応しい美しいものに仕上がっている。登場人物のセリフは、一部を除き声が当たっているので、非常に盛り上がるイベントへと変わっている。タイトルに“New Theory”とついているように、ストーリーが同じで中身は別物の、生まれ変わったイースIVというのが正しい考え方だろう。「かなりおもしろい作品に仕上がっている」というのが、筆者の現時点での偽らざる本音だ。


ストーリーが進むときは、謎の人物たちの視点で語られる。彼らの正体は、物語が進むと明らかになっていくのだ

タイトルにある“New Theory”が、まったく新しくなったイースIVを表している
イースIII 〜ワンダラーズ フロム イース〜
対応機種PlayStation 2
メーカータイトー
ジャンルアクションRPG
発売日2005年3月24日
価格6090円(税込)

イースIV Mask of the Sun -a new theory-
対応機種PlayStation 2
メーカータイトー
ジャンルアクションRPG
発売日2005年5月26日
価格6090円(税込)
(C)TAITO CORP.2004
(C)1993,2004 Nihon Falcom Corporation


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