韓国PSP事情――無線LANスポットで独自コンテンツを満喫(1/2 ページ)
韓国はブロードバンド環境が整っていることから、PCでネットゲームを楽しむ人は日本よりもはるかに多い。しかしそんな市場に最近、3Dゲームフォンや携帯ゲーム端末が参入し、ゲームを楽しむ方法の多様化が進んでいる。携帯端末メーカーや携帯電話キャリアなどがユーザー確保にしのぎを削る中、日本から参入したのがSony Computer Entertainment Korea(以下、SCEK)のPSPだ。
5月2日の正式リリース以来、売れ行きは好調
韓国でPSPが正式に発売されたのは、5月2日のこと。それから1週間後の5月10日時点での販売台数は4万5000台を超えるという。同時に発売されたソフト「リッジレーサーズ」や「ナムコミュージアム」も、準備していた2万本を売り切るなど、滑り出しは好調だ。4月13日から2万台限定で行ったインターネット予約も、5日間ですべてが完売したという。
韓国版PSPは対戦ゲームだけでなく、、標準搭載の無線LAN機能を利用して、ネットワークに接続してコンテンツも楽しめるのが大きな特徴だ。とはいっても、PCのように通常のWebページではなく、PSP専用サイトを楽しむ形となる。専用サイトへは、UMD型のネットワークユーティリティディスクを利用しへアクセスする仕組みだ。
オンライン接続は、韓国最大手の電話会社KTが提供する無線LANスポット「Nespot」を利用。これにより全国約1万4000ヶ所というNespotエリアで、オンライン対戦ゲームができるのはもちろん、さまざまなコンテンツも楽しめる。
Nespotの利用料金は7月31日までは無料、それ以降は月5000ウォン(約500円)となる。コンテンツも同様だが、8月以降の料金についてはいまだ未定だ。
PSPでオンラインに接続すると、SCEKによる専用サイト「PSP CLUB」と、KTによる「Nespot」にて、テレビ番組(録画放送)が見られるのを始め、映画やミュージックビデオ、塾の講義映像などの動画、音楽、電子ブック、漫画、最新ゲーム情報といったのカテゴリを楽しめる。
これらコンテンツのダウンロードについては「著作権問題を解決してから」(SCEKマーケティング本部リュウ・ハンナ氏)ということで、現在のところは見て楽しむだけとなっている。カテゴリが多い割には、実際に見られるコンテンツの量や大作などが少ない感があったものの、これから充実させる予定ということで期待したい。
現在のところリリースされているゲームタイトルは「リッジレーサーズ」「ナムコミュージアム」「ころん」「パズルボブルポケット」「Glorace」「ニード・フォー・スピード・アンダーグラウンド・ライバルズ」の6タイトルのみ。
ただし5月中には「真・三国無双」「みんなのゴルフ ポータブル」「FIFAサッカー」など一気に15タイトルをリリース予定とのこと。韓国国産ゲームも、現在20社が製作中であるほか、長期的には人気ドラマや、語学など教育関連のUMDもシリーズ化して出したいとしている。
VODでテレビドラマを見ている様子。現在は録画のみで楽しめるが、いずれはライブ放送にしたいという。写真はフルスクリーンモードで見ている様子で、画質は若干荒くなるものの、滞りのないスムーズな映像を楽しむことができた
「ゲーム機」というより「マルチメディア機器」という位置づけ
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