All Access Gaming――5歳から95歳をターゲットとする任天堂が賭ける“ノーライン”戦略:Nintendo E3 2005 Press Conference(2/2 ページ)
次世代ハードウェアが続々と発表された「E3 2005」事前ブリーフィング。ソニー、マイクロソフトに引き続き、最後に行われた任天堂のカンファレンスでは「WiFi Connection」を中心に同社が描くネットワーク戦略と、ユーザーターゲットが見えてくる。
そして「Revolution」「ゲームボーイミクロ」へ
そして、フィルズエイム氏の発表最後に登場したのが「ゲームボーイミクロ」だ。サイズは縦50×横101×厚さ17.2ミリ。重さは約80グラムで、「iPod miniよりちょっと大きくて、重さは1/3」(フィルズエイム氏)。日本での発売時期は未定だが、ゲームボーイアドバンスのソフトがすべて動作するとされており、ゲームボーイアドバンスSPより小型なアイテムの登場に、食指が動く人は多いだろう。
そして引き続き、任天堂の岩田社長が登場。Revolutionのプロトタイプを紹介した。
Revolutionには512Mバイトのオンボードフラッシュメモリを搭載し、SDメモリーカードスロットを内蔵するとのこと。自社のデジタル著作権管理ソフトを組み込んで、知的所有権の不正使用を阻止するそうだが、ハードウェアスペックについて語られたのはこれだけ。「これ以上のことは話さないで、これから話す要素にミステリーの要素を含めたい。パズルゲームと考えてもらえれば」(岩田氏)。
ただし、電源を入れた瞬間に「わっ」と驚くことは間違いない、と岩田氏。岩田氏また、「パートナーとなるIBMとATI Technologiesは任天堂と協業しているが、当社が推進しているテクノロジーは、ゲームと関係ない領域にも及んでいる。このあたりが“ミステリー”だ」とも。
そして、「競合他社はプロセッサの詳細と画面表示されるグラフィックのことを細かく言ってくる。しかし私はそれ以上のことを紹介しよう」と語り、Revolutionに搭載されるWiFi Connectionについて言及。家族全員にとって、機能的でアピールするデバイスを開発するのが重要であり、ゲーマーと思ってる人も、そうでない人にも関心を持ってもらうコンソールを開発する、とした。
「次世代のコンソールに、インターネットの機能を加えることが、当社にとって重要。コントローラー、コンソール、TV、インターネットがどう相互に関連するかが、Revolution設計上の重要なポイントであり、差別化のポイントだ」(岩田氏)
すべてがワイヤレスでつながることになるRevolutionのシステムだが、コントローラーも“ユニーク”なものになるとか。コントローラーは後日公開として、この場では語られなかった。
なお、Revolution向けのタイトルとしては、いくつかのWiFiをキーとするタイトルを開発中であると述べ、そのうちの1、2作は本体と同時発売で、そのうちの1つが「Super Smash Bros(スマッシュブラザーズDX)」であることも発表された。また、人気のキャラクターであるマリオやリンクについても発売されるようだ。
これに引き続き既報の通り、上位互換性が発表されたわけだが、岩田氏は「来年発売されるときには、完全なサービスを提供し、カジュアルゲーマーを魅了していく。コンシューマフレンドリーなコンテンツを、ゲーマーでないユーザーにもアピールする」と語り、「オールアクセスゲーミング」をキーワードに、Revolutionを展開すると述べた。
「グローバルな会社を運営するのが私の役割。コントローラーを手にとって、喜んだ顔を見ること。それが大事だ」(岩田氏)
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