ピーター・ムーア氏「次世代のゲームは現実以上の世界を作り出す」:E3 2005 Xbox Breafing(3/3 ページ)
Xbox Breafingで3人目のプレゼンターとして登場した、Microsoft副社長でマーケティング担当のピーター・ムーア氏は、Xbox 360向けの開発中タイトルを中心に紹介を行った。
Microsoft悲願だったスクウェア・エニックスの参入が決定
Xbox Breafingの最後を締めくくる形で、再度ロビー・バック氏が登場し、ある非常に重要な発表が行われた。「我々には最高のパブリッシャーがサポートしてくれている。そして今夜、新たに世界最高峰のパブリッシャーがXbox 360に参入することを発表しよう。」という最大限の賛辞で紹介された、スクウェア・エニックス参入の発表だ。
ロビー・バック氏によって迎えられた、スクウェア・エニックス社長、和田洋一氏は、次のように語った。
「スクウェア・エニックスとMicrosoftは、ゲームとエンターテインメントの未来におけるビジョンを共有している。我々は、ゲームにおけるインタラクティビティと独自の表現力を次のレベルに引き上げる、革新的なテクノロジーを創造する役割を担っているのだ。今夜、スクウェア・エニックスのソフトをXbox 360向けおよびXbox Live向けに提供することを発表でき、非常にエキサイティングな気持ちだ」。
さらに、Xbox 360のHDグラフィック、ネットワーク機能、コネクティビティ、パーソナライゼーションといった特有の機能に対する感動や、Microsoftのオンラインゲームに対する取り組みに感銘を受けているというように、こちらも最大限と言ってもいいほどの賛辞をならべてスピーチを行った和田氏。
Microsoft主催のプレスブリーフィングということで若干リップサービスが強いようにも感じたが、発表した「ファイナルファンタジーXI」だけでなく、実験的に作成したXbox 360を利用したリアルタイム描画のデモ映像も公開するなど、十分に力の入った内容であった。
「ドラゴンクエスト」シリーズや「ファイナルファンタジー」シリーズを擁するスクウェア・エニックスの参入は、Microsoftが長年待ち望んでいたことである。非常に好調な北米やヨーロッパ市場に対し、惨憺たる状況である日本市場をてこ入れするには必要不可欠なパブリッシャーである。そのスクウェア・エニックスの参入を実現させた今、Microsoftは日本市場に対する強い期待感を抱いているに違いない。
とはいえ、これで日本市場が安泰というわけでは決してない。北米やヨーロッパ市場では、Xbox 360も含めて拡大時期に入っているかもしれないが、日本市場ではこのスクウェア・エニックスの参入によって、ようやくスタートラインに立てただけ、と言っても過言ではないだろう。
そのため、Microsoftには、スクウェア・エニックス参入だけで満足するのではなく、より高いレベルで日本市場に力を注いでもらいたい。それによって、日本市場での成功も現実のものとして見えてくることになるはずだ。
スクウェア・エニックスが用意した、Xbox 360ベースで動作するリアルタイムのデモ映像。リアルタイムでここまでできるということを示す実験的な要素が強いようだが、これをベースとしてタイトルとして発展させる可能性もあるようだ
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