「10億台売るのではなく10億人のユーザー獲得が目標」――ピーター・ムーア氏インタビュー(2/3 ページ)
Microsoft副社長で、マーケティングを担当しているピーター・ムーア氏にインタビューする機会を得た。そこで、Xbox 360発売に向けたマーケティング戦略や、競合ハードウェアに対する意識などについて話をうかがった。
ITmedia では、初期出荷はだいたいどの程度の台数を考えていますか?
ムーア 現時点では具体的な台数はお話しできません。まだ製品は1台もできていませんしね。今年の夏から秋にかけて、具体的な数字がお話しできるようになると思います。少なくとも、今年のクリスマス時期に、3つの地域で販売するということは間違いありません。
ITmedia 価格はいつ頃発表される予定でしょうか
ムーア 夏の中頃から秋になるあたりに発表する予定です。
ITmedia 周辺機器として、リモコンやヘッドセット、CCDカメラなどが発表されましたが、本体同梱になる周辺機器はどの程度になるでしょうか
ムーア ワイヤレスコントローラ、フェースプレート(前面パネル)は確実に同梱されます。日本市場は他の市場とやや状況が異なりますので、ヘッドセットが同梱になるかもしれませんが、まだそれは確定していません。リモコンは、オプションとなるでしょう。またCCDカメラも同様にオプションとなります。
ITmedia コントローラから白と黒のボタンがなくなったのは、マーケティング上での理由でしょうか、それとも技術的な理由でしょうか?
ムーア Xbox 360のコントローラでは、白と黒のボタンのかわりに、「ショルダーボタン」を用意しました。トリガー部分の上に位置しています。これまでの白黒ボタンは、やや見た目が良くないこともありましたし、人間工学的にはショルダーボタンの位置のほうが使いやすいものになります。私自身もこちらの方が扱いやすいように感じています。
ITmedia プレイステーション 3が発表されましたが、それに対してどのように思っていますか?
ムーア 私は、まだプレイステーション 3の仕様書をしっかりと見たわけではありませんが、予想していたとおりのものが出てきたな、という印象です。ただ、ソニーブースを見てもおわかりのように、プレイステーション 3にはまだ実際にプレイできるタイトルは一切ありません。彼らは技術デモをやっているだけです。
彼らの技術デモは、CPUやグラフィックチップが期待通りのパフォーマンスを発揮すると仮定して行っています。しかし、実際にそれらが全て期待通りに動くとは限りませんので、どうなるかわかりませんよね。
ITmedia Xbox 360は、コンテンツダウンロードやオンラインショッピング機能など様々なネットワーク機能が用意されていますので、ゲーム機というよりもホームサーバーという位置づけのような気がするのですが?
ムーア 確かに、そのように感じるかもしれません。消費者はゲームだけでは満足しません。それ以上のものを求めているのです。オンラインコミュニケーションもそうですし、映画やゲームのトレーラーをダウンロードすることもできます。様々なデジタルエンターテインメントの経験ができる必要があるのです。しかしながら、Xbox 360の中心は、しっかりとしたゲーム機です。それは非常に重要なことです。
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