あの「HORI」がオリジナルスティックを製作――加熱するEVO2005 チャレンジ:昔の名前で出てみます「EVO2005 チャレンジ」(1/2 ページ)
ラスベガスで開催される世界最大格闘ゲームトーナメント「EVO2005」。現在の格闘ゲーム事情はどうなっているのかを現役プレイヤーにインタビュー。そして、コントローラー界の重鎮「HORI」にオリジナルスティックの製作を依頼、はたして結果は?
開催直前!「Evolution2005」情報
前回の続き。7月27日現在、「Evolution2005」の大会エントリーを行っているプレイヤーの人数は延べで1136人。もっとも大会参加人数が多いのが「Street FighterIII 3rd Strike」で、現時点で238名、優勝賞金が1666ドルとなっている。次点が筆者が参加を予定している「TEKKEN5」で、エントリー数189名、優勝賞金が1323ドル。エントリー数、賞金ともに、さらに増加していくことが見込まれるため、当日はかなりヒートしそうだ。
オンラインエントリーは現地時間の8月9日までとなっているので、「いってみようかなぁ」と思っている人は……今すぐパスポートと旅費を用意してエントリーしてみてはいかがだろうか。かなり急がないといけないのですが……。
また、「Street FighterIII」や「Capcom VS SNK2」、「鉄拳5」などの現役トップ日本人選手も多数エントリーすることが明らかになっている。日本国内での大会を総なめにしてきた彼らが世界を舞台にどんな試合を展開するのか。善戦が期待される。
現役鉄拳プレイヤーに聞く「鉄拳5」の現状と「EVO2005」試合予測
ラスベガス出発を間近に控えた筆者は、とある鉄拳トッププレイヤー「ハメコ。」氏にインタビューを試みた。数々のゲーム誌で連載を抱え、ゲーム攻略本も数多く手がけるライターで、鉄拳3以降、トッププレイヤーの1人として活躍している。そんな氏にEvolution2005鉄拳5大会についての予想を伺ってみた。
―― ハメコ。さんは「鉄拳3」から「鉄拳タッグトーナメント」、「鉄拳4」、そして「鉄拳5」をトッププレイヤーの一人として見続けてきたわけですが、「鉄拳5」はどうご覧になっていますか?
ハメコ。 鉄拳5になって、キャラクターの戦績保存やアイテムカスタマイズが可能になったカードシステムが実装されました。これのおかげで、かなり多くのプレイヤーが新しく鉄拳を始めたんじゃないかな、と思っています。それから遠隔地の対戦を配信するライブモニターの存在も秀逸ですね。
ただ、鉄拳の聖地と言われた「プレイマックス新宿店」がなくなってしまったので、「あそこにいけば必ず誰かがいる」という場所がないのが残念です。そのかわりに、池袋や新宿、渋谷などにプレイヤーが分散して、それぞれの場所で盛り上がっているというのが現状ですね。ただし「鉄拳4」に比べると、とにかくプレイヤーの数が多いのが魅力です。どこのゲームセンターに行っても、対戦が盛んに行われている、というのは本当に嬉しいです。
―― 今回、Evolution2005では、プレイステーション2版の鉄拳5が使用される予定です(アーケードのバージョンは5.1になり、システムや強いキャラクターの技に微調整が入ったものが稼働中)。大会では、どんなキャラクターが上位を占めそうですか?
ハメコ。 単純にキャラクターの性能だけを見ると、浮かし技の性能が高く、壁を絡めたコンボの爆発力が凄まじい「スティーブ」、接近戦での立ち回りが非常に強く、空中コンボからの起き攻めが強烈な「ニーナ」、全キャラ中屈指の反撃能力を活かした中距離での防御的な戦い方が強い「ヘイハチ」、ガードさせて有利となる浮かし技を持ち、壁へ運ぶ能力とそこからの攻めが強力な「ブライアン」、攻め守りともにバランスが取れていて、最強の8フレーム発生技である撲面掌を持つ「フェン」といった、いわゆる5強がのしてくるんじゃないかな、と思っています。
―― 海外にはどんなプレイヤーがいるんでしょうか?
ハメコ。 アメリカではニーナが多い、という話を聞いてます。自分の印象では、アメリカのプレイヤーは理詰めで戦う、というよりも、自分の得意な技を1つ持っていて、その技の当て方が非常にうまい、というイメージですね。
韓国は、スティーブと、風神拳ステップからの選択攻撃を使用できる「カズヤ」、「デビルジン」、「ヘイハチ」が多い気がします。韓国勢の風神拳ステップを使用した戦術のうまさは鉄拳タッグ時代に証明されているので、どういう形に進化しているのか、楽しみです。アジア圏は全体的に細かいテクニックに優れている、という印象がありますね。別のゲームですが「ビートマニア」にもかなり上手いプレイヤーがいますよ。
―― ちなみに、日本のプレイヤーは連続技、防御、攻撃ともに平均的にうまい、というイメージを持っています。
ハメコ。 そうですね、あとは情報に恵まれているという環境もあってか、理屈でプレイする人が上に来る傾向が昨今は強いですね。「フレーム」(注:フィルムで言う『コマ』。鉄拳では1フレーム=1/60秒で、技の発生時間、技の隙などをすべてフレーム数で管理している)を頭にたたき込んで「こう来たらこう返す」という感じで。
―― 今回、Evolutionに参加される日本のトッププレイヤーさんたちの中で期待されているのは?
ハメコ。 「ミシマスター」というヘイハチ使いですね。ヘイハチは反撃技に恵まれているので、氏の能力とも相まって、安定して結果を叩き出せるのではないかなと。また、5月に開催された鉄拳5最大のトーナメント「闘劇」ではヘイハチの使用が不可だったのもあって、大会でどれだけヘイハチが活躍するのか、というところにも期待をしています。もちろん彼だけでなくて、今回参加するプレイヤーたちはみんな関東でもトップクラスの実力を持っているので、是非とも日本勢に勝ってきてもらいたいですね。
―― 自分も久しぶりに大会に復帰することになったんですが、どうでしょうか?
ハメコ。 そうですね、ラスベガスはいいところなので、観光やギャンブルを楽しんできてください(笑)。
―― いろいろな意味でがんばります(苦笑)。
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