ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
レビュー

FPSを食わず嫌いの人も食指が動く?――「メダル オブ オナー ヨーロッパ強襲」(2/2 ページ)

今や1ジャンルとして定着したFPS。その中でも、第二次世界大戦に焦点を合わせたのが本作“メダル オブ オナー”シリーズだ。今回は、その最新作となる“ヨーロッパ強襲”をプレイしてみた。

PC用表示 関連情報
advertisement
前のページへ |       

 アクションゲームをプレイし慣れている人ならば、一度ではクリアできない任務でも、2度3度と繰り返しトライするうちに敵の配置を覚えるため、少しずつ先へ進めるようになっていくのもうれしい配慮。敵の場所を覚えてしまえば、遠くからしゃがんでライフルなどを使い、狙い撃ちにすこともできるので、かなり安全に進めるだろう。

 しかし、あまりにも慎重になりすぎると、敵を倒した後に出現するアイテムが消えてしまい、取れなくなってしまうのだ。敵をすべて倒すことに重点を置きアイテムは見逃すか、欲しいアイテムが現れたら敵を無視してでも回収するか……この絶妙なバランスにも、非常に感心させられた。


スコープ付きのライフルは、かなりお世話になる武器。ただし、遠くから攻撃しすぎると、アイテムが出現しても取りに行くまでに消えてしまう、なんてことも

 他にも一部ステージでは、複数の攻略ルートが設けられているところもあり、どこを通るかで生存率が全く変わってくる。このため、同じステージでも2回目は別ルートからの攻略を試すというように、何度も遊べるのだ。


それまで難しかったステージでも、別ルートが分かった途端にクリアできることもある。ステージが始まったからと言ってがむしゃらに進むのではなく、マップをじっくりと見ることも大切だ

 ユニークなのが、アドレナリンメーターと呼ばれる存在。満タン時に方向キーの上を押すとアドレナリンを解放でき、一定時間敵の行動が遅くなったり武器の威力がアップする。さらには、一部の武器を除き残段数が減らなくなるため、乱射OKになるのだ。俗に言う、“キレた状態”をゲーム的な方向で再現したものと推測しているのだが、これをうまく組み込んでいる点は、高く評価したい。これがあるために、地味な行動が多い中でも暴れられるため、ストレスが適度に発散できるというもの。実際、周りに誰もいないときは思わず「うぉー!」と奇声を発しながら、銃を乱射しつつ敵を倒しまくったほど(笑)楽しかった。


アドレナリンメーターは敵を白兵戦で倒したり、銃で頭部を撃ち抜くなどすると、大量に溜まる。しかし冷静に考えると、それって危ない人のような……

ロード時間と、ちょっと高めの難易度が……

 とはいえ、俗に洋ゲーや海ゲーと呼ばれる種類のゲームなだけに、国内向けタイトルには見られない“ん?”と思われる部分があるのも、また事実。一番目立つのは、ロード時間の長さではないだろうか。海ゲーは、ステージ開始前に大量のデータを読み込む傾向があるため、得てしてロード時間が長い。それらの中でも、本作は比較的早い部類に入るのだが、それでもロード中に表示される長いステータスバーを見ると、どうしてもうんざりしてしまう。全体マップを見るときもロードが入るため、参照したい気持ちを削がれてしまったことが何度あったことか。せめて、これぐらいはロードなしで、一瞬にして表示して欲しいところだ。


ステージ途中でのロードはないものの、代わりに最初のロードが少し長い。せめて、プレイしている最中にシームレスにロードしてくれるとありがたいのだが

 また、難易度も国内タイトルと比べると、若干高目と感じた。実際、敵の配置などを覚えても、なかなかクリアできないステージがあるので、アクションゲーム上級者以外には厳しいかもしれない。とはいえ、海外では簡単すぎるゲームは、メーカーに“簡単すぎてすぐに終わったじゃねーかよ!”との文句がいくという話を、本当か嘘かはともかくとして聞いたことがあるので、いたしかたないのかもしれない。これは、お国柄ということで納得するしかないだろう。前向きに考えれば、国内ゲームではぬるすぎて困っていたという強者にピッタリ、と言えるのだし。

 とはいえ、日本向けにポーティングする際には、コンティニュー回数が一定数を超えたら若干難易度を下げたり、アイテムが多目に出るなどの救済措置を入れた方が、間口を広げるのではないかと思うのだが……。


最初に難易度を選べるとはいえ、一番簡単なランクは選びづらいもの

従来のFPSに食傷気味な人向け

 日本ではそれほど流行っているわけではない(と思っている)FPSだが、それら作品の中でも、若干毛色の違うタイトルと言える本作。これまでの、撃つことだけに重点がおかれたFPSに飽きた人や、第二次大戦ものが大好きという人に、おすすめしたいタイトルだ。ただし、難易度は少し高めなので、腕前に自信のある人向けということも忘れずに……。

メダル オブ オナー ヨーロッパ強襲
対応機種プレイステーション 2/ゲームキューブ
メーカーエレクトロニック・アーツ
ジャンルミリタリーFPS
発売日2005年8月11日
価格6800円(税抜)
プレイ人数1〜4人
(C)2005 Electronic Arts Inc. All Rights Reserved


前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る