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渡哲也さん声優初挑戦――セガ「龍が如く」制作発表会(1/2 ページ)

世の中にあふれるゲームに飽いた大人たちに向けて――セガが2005年末に発売を予定しているPS2用ソフト「龍が如く」の制作発表会が行われた。価格は7140円(税込)。

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 8月23日、新宿歌舞伎町クラブハイツにて、セガが「Project J」として年末発売目指して開発を進めていた、プレイステーション 2用ソフト「龍が如く」の制作発表会が開かれた。

 まずはじめに、セガ常務取締役CS統括本部長 岡村秀樹氏が登壇し、今年末に市場に投入する本作のコンセプトとセガとしての位置づけについて説明。セガの新しい代表作として展開できるよう3年前から準備をしてきていたと言う。


挨拶に立った岡村氏は、本作制作にあたってスタッフには一切の妥協も許さない姿勢で臨み、セガを代表する作品になりえたと語る

 「セガの代表として送り出すからには、ただビジュアルがキレイであるとか、ボリュームがあるだとか、プレイ時間が長いだけのゲームでは、遊ぶに値しないという理念で制作してまいりました。今作のテーマは“人間性”というドラマティックな部分にフォーカスし、大人が楽しめる作品を生み出せたと考えている」と自信を覗かせた。

 昨今技術革新ばかりが注目される傾向にある中で、本作では改めて表現の革新を目指そうとしているとのこと。それは、人間に対する洞察であったり、人生における価値観であったり、思想、哲学を作品に折り込んでいくということであり、技術革新によっての表現力ということではないと岡村氏は強調する。

 ゲームとしての純粋な面白さを提供するだけでなく、表現の革新を目指すことで、プレーヤーに、生きるための本当のたくましさと優しさというものを感じてもらえるのではないか――「徹底的に人間ドラマを描くことで、ゲームの可能性をさらに拡げています。世の中にあふれるゲームに飽きてしまった大人たちにぜひ遊んでもらいたいと思います」と岡本氏は閉塞ぎみのゲーム業界において、新しい表現を提供できるのだと語る。

 この後、映像が流され、「Project J」=「龍が如く」であることが明かされ、映像が初披露。岡本氏の言葉にもあったが「ゲームに、飽いた人たちへ。そしてゲームを愛する人たちへ」と象徴的なメッセージが流されるとタイトルロゴが公開された。

 それに続いて登壇したプロデューサーの名越稔洋氏により、「龍が如く」のゲーム内容について説明された。

 ストーリーは重厚な人間ドラマを主軸に、桐生一馬となり眠らない街・神室町を舞台に展開される。


人間性あふれるたくましいドラマを作りたかったためにこのゲームを制作するに至ったと名越氏は、「龍が如く」は愛のドラマであると想いを語る

 本作は、名越氏が制作の経緯についてでも触れているが、「昨今のゲーム離れや表現の画一化などにより、あまりゲームに明るい未来を感じられなくなってきていると囁かれてきているが、自分は映画やコミックとは異なり“参加できる”というどんなエンターテインメントにも負けない高度な表現ができる媒体だと信じています。そんなゲームを見渡して、もっと別の間口があっていいのではないかと思うに至りました。たくさんの世代の人が楽しむことができるメディアであると証明するためにも、ゲームのメディアに世代解放をもたらしたい」と、どちらかというと上の世代をターゲットに据えている。

 ここで名越氏は「龍が如く」が、芯の通った中身のある強いドラマを構築するために、シナリオの専門家に監修をお願いしたと、著書に「不夜城」などを持つ馳星周氏を紹介。徹底的にシナリオに修正を入れてくる馳氏に驚愕しつつも、おかげでいい作品になったのではないかと、その世界観とシナリオに自信を持てたとのこと。


馳氏は瀬名秀明氏からの紹介で相談を受けたことが、「龍が如く」に関わるきっかけだったと明かす。馳氏が最初に名越氏に会った時の印象は「本当にサラリーマンかよ」と思ったのだとか……

 この後、本来はストーリーや世界観などの話となったのだが、それは後半にもとめるとして、まずは本日駆けつけてくれた声優陣の紹介をしたい。やはり注目は、上映された映像でもどうしてもその存在感を漂わせていた風間役の渡さんだろうか。


主人公・桐生一馬(きりゅうかずま)を演じた黒田崇矢さん(左)と謎の少女・遙を演じた釘宮理恵さん(右)。桐生は背中に背負った刺青から「堂島の龍」と恐れられた伝説の元極道。幼少時代、両親を事故で亡くして孤児院で育つ。その際、世話になった風間への恩もあり極道の道へ。10年前、親友と、愛する女性のために組長殺しの容疑を被り刑務所に入所。10年経ち仮出所したところから物語は加速していく……。そして、彼の目の前に現れる謎の少女・遙は、ある事件をきっかけに桐生を信頼するようになる。彼女の素性が事件の鍵を握る……

麗奈役の三原じゅん子さんと、情報屋の花屋役の藤原喜明さん。彼ら2人が主人公を支えるキーパーソンとなる。名越氏曰く「色気のある声といえば三原さんしか思い出せなかった」と、声だけでも艶が。また藤原組長は「セイユーは買い物にはいくけど、声優は初めて緊張したとのことだが、味のある情報屋役を演じきったようだ

今回の制作発表会の司会進行をつとめるケイ・グラントさんも実は出演している。本人もつっこんでいたが、リングアナウンサー役というまんまの役どころでやりやすかったのだとか。ちなみに嘘か誠か、右手に持っているのは焼酎で呑みながら演じたとか……?

 このほかにもホームレス役にハッピーハッピーさんや、Fカップの女マイ役ではグラビアアイドルのみひろさんなどが参加しているのだが、なんといっても驚愕は、桐生の恩人である風間新太郎役に渡哲也さんが声優に初挑戦していることだろう。


渡さんは、セガの取締役会長である里見氏と大学の同級生で、その縁で出演となったのだとか

 物語の要となる重要な役どころなだけに、名越氏も妥協したくなかったところに渡さんの起用が決定し、不思議な縁に感謝したのだとか。

 声優初挑戦となったことについて渡さんは、画面ではテンポよく物語が進んでいくが、情感というものを含ませることに苦労したようで、芝居がなかなかできなかったと漏らす。

 今回のコメントや、役者の布陣を見ても、大人をターゲットにしたタイトルとなっている。大人がゲームをやるための間口を広くしたいという試みが成功するかどうか、興味深く追っていきたいと思う。

「龍が如く」ストーリー

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