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一足お先に次世代機気分――HDTV+5.1chで現行機を遊ぶススメ Part3:Xbox編(2/3 ページ)

今回フィーチャーするのは、HDTV+5.1ch環境でこそ真の実力が発揮される「Xbox」。720pのHD映像や、ドルビーデジタル5.1chサラウンドでゲームが楽しめるのは、現行機でもXboxだけ。まさしく次世代機の雰囲気を垣間見ることのできるマシンなのだ。

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Xbox本体のシステム設定を変更

 ケーブル類の調達と接続が済んだら、次にXbox本体の映像・音声出力の設定を変更しておこう。Xboxのメインメニューで「設定」を選び、「ビデオ」と「オーディオ」を以下のように設定すればよい。

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「設定」メニューで、まず「ビデオ」を選ぶ
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次に「ビデオモード」を選ぶとこの画面に切り替わるので、ワイド画面TVを使っている場合は「ワイド(16:9)」を選択する
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「525P」(=480p)「750P」(=720p)「1125I」(=1080i)の3項目については、使っているTVが対応する映像出力に応じて「はい」か「いいえ」を個別に設定する。例えば、D4端子を装備するTVなら、3項目すべてを「はい」に。D3端子の場合は、「750P」のみを「いいえ」にすればよい。なお、これらの映像出力に関する3項目は、コンポーネントAVパックを接続した場合のみ表示される
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「設定」メニューに戻り、今度は「オーディオ」を選ぶとこのような画面になる。「オーディオモード」を「ドルビーサラウンド」に変更し、「ドルビーデジタル」と「DTS」の項目はいずれも「オン」にする

 Xboxでは、原則として映像や音声の出力形式をハード側で制御するため、上記の設定を一度行ってしまえば、ソフト側で個別に設定を切り替える必要はない。

 余談だが、コンポーネントAVパックを使って480p以上に対応するTVと接続したなら、コントローラーのLRトリガを押しながら左右のアナログスティックを押し込んでみよう。すると、メインメニュー画面も480p表示に切り替えられる(Xbox Liveのアップデートが完了していることが条件)。文字がクッキリとして見やすくなるので、ぜひお試しあれ。

 もうひとつ、DVDの再生についても補足しておきたい。XboxでDVDを再生するには、オプションの「DVDビデオ再生キット」(K01-00007、定価3990円)が必要で、PS2のように本体のみでは再生できない。なお、現在販売されているXbox本体には、このDVDビデオ再生キットが同梱されている。

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DVDビデオ再生キット(K01-00007)には、本体のコントローラー端子に取り付けるレシーバーと、専用のリモコンが付属する

 ただし、XboxのDVD再生画質については、あくまでも「再生できる」といった程度で、解像感が甘く、色ムラも出やすいのが難点だ。また、プレイステーション 2(ただし型番がSCPH-50000番以降のもの)はDVDのプログレッシブ再生も可能だが、XboxではコンポーネントAVパックを使った場合でもそれができない。

「ENTER THE MATRIX」は1080iと720pに両対応

 筆者の場合、コンポーネントAVパック、変換ケーブル、光デジタルケーブルの3つを購入して、トータル7500円ほど費やした。現行機の中では、HDTV+5.1ch対応のために最もコストがかかったハードだったが、結論から言えば「投資した甲斐があった」の一言に尽きる。何といっても、高画質出力やサラウンドに対応したソフトが豊富であるし、HDTV+5.1ch環境の導入効果を実感しやすいソフトが多い。映像とサウンドの向上で、これまで以上にゲームに没入しやすくなったせいか、導入以降はXboxの稼働時間が他のハードよりも長くなったくらいだ。

 それだけに紹介したいソフトもいろいろあるのだが、まずは「ENTER THE MATRIX」(バンダイ)からピックアップしたい。このソフト、日本では2003年6月にXbox、プレイステーション 2、ゲームキューブの3機種で同時発売されているが、うちXbox版だけが480p、1080i、720pのすべてに対応している。1080i/720p両対応のXbox用ソフトというと、海外では5本ほど存在しているようなのだが、日本に関してはこのENTER THE MATRIXのみとなる。

 タイトルからも分かるように、これは映画「マトリックス」3部作の一環として、映画本編と並行して制作されたもの。2作目の「マトリックス リローデッド」から登場するナイオビとゴーストを操作し、マトリックスならではの華麗なカンフーアクションや銃撃戦がゲームで楽しめる。

 これをHDTVに表示してみると、ゲームを始める前のローディング画面からすでに違いが分かる。映画の中にもたびたび出てくる緑色の文字が画面上に流れるのだが、その文字のひとつひとつが極めて精細に表示されるのだ。

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ローディング中に、マトリックスではおなじみの緑色の文字がザーッと流れていくが、1080iで出力すると文字のクッキリ感がまるで違う

 実際のゲーム画面でも、画質の向上が見て取れる。コンポジット端子やS端子の480iでは輪郭がかなりぼやけてしまうが、480p以上で表示すると鮮明で見やすい映像になる。グラフィックに関しては、もともと飛び抜けて優れているソフトではないが、1080iや720p出力の映像は他機種版と比べても明らかにキレイ。特にPS2版は解像感がやや粗く、コマ落ちもひどかったが、Xbox版ではフレームレートも安定していて、なめらかな動きだ。

 なお、480p/1080i/720pの映像出力は、Xbox本体側の設定(メニューの「設定」−「ビデオ」)が反映され、ソフト上では切り替えることができない。先述の「ビデオ」設定(525P/750P/1125I)では、「1125I」が優先されるため、この3項目をすべて「はい」に設定している場合は自動的に1080iで表示される。もし、720pの映像を見てみたいなら、「1125I」を「いいえ」に設定し直したのち、改めてENTER THE MATRIXを起動してみよう。

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ENTER THE MATRIXを720pで表示したいときは、本体の「設定」−「ビデオ」で「1125I」を「いいえ」に変更したうえで再起動
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480p
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1080i
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720p
写真では違いが分かりにくいが、480pよりも1080i/720pの方がわずかながら輪郭がなめらかで、衣服などのテクスチャもより詳細に描かれている印象。ただ、プレイステーション 2の「GT4」ほどの画質差は見られず、1080iと720pの差異も、実際に動いている映像でもほとんど感じられない

 ドルビーデジタルによる5.1chサラウンドについても、なかなか効果的な使い方をしている。特に、「FOCUS」発動時の音が聴きどころ。映画の中でも見られたが、「FOCUS」を発動すると動きがスローになり、敵や自分が銃を撃つと、その弾道が見えるようになる。このとき、弾丸の音がプレイヤーの耳元を掠めていくように「シュン」「ヒュン」と響くのだ。

 また、銃撃戦でガラスの割れる音や、石の壁が壊れて崩れ落ちる音が鋭角的で、思わずハッとさせられるシーンも。映像と音の方向感がかみ合わない場面も一部にあるが、映画「マトリックス」に似せた音響表現は一聴の価値あり、だ。

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Lトリガを押して「FOCUS」を発動すると、弾丸が残像を描きながらゆっくり飛んでいくが、このときプレイヤーの耳元を弾が掠めていくような音が楽しめる。まさに、映画「マトリックス」の中に入り込んだような気分
Enter The Matrix video game (C)2003 Warner Bros, and Atari, Inc. All rights reserved. All other trademarks are the property of their respective owners. Manufactured and Marketed by Atary, Inc. New York,NY. Published and distributed in Japan by BANDAI
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