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これぞ男のロマン。文明の利器がほとんどない無人島で、キミは生き残れるか?「サバイバルキッズ〜Lost in Blue〜」レビュー(2/2 ページ)

コナミが贈る、本格的サバイバル生活アドベンチャー、「サバイバルキッズ〜Lost in Blue〜」。文明の利器がほとんどない無人島で、15歳の少年・だいちのサバイバルが、今始まる。

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いきなり毒キノコの洗礼

 ここからは、プレイレポートをお届けしよう。

 浜辺にひとり打ち上げられた主人公のだいちを操作してさっそくゲームスタート。まずは、濡れた服を乾かして休むため、洞窟を探し、火を起こさなければならない。波打ち際を歩いていると、ヤシの実を発見した。ひとまず拾って食べてみる。水分ゲージが20%から30%へと回復、でも、お腹はあまり膨れなかった。

 浜辺から離れて野原を歩くも、洞窟は見あたらず。そうこうするうちに、上画面のパラメータを見ると、満腹ゲージは早くも25%を切り、“お腹すいたな……”と、主人公のつぶやきが聞こえた。これはマズい。早く食べ物を探さなくては。

 しばらく歩くと、運良くきのこが固まって生えている一帯に到着! 拾ったのは「キノコ(橙)」。説明を読むと「平たくてオレンジ色のキノコ」とのこと。今ひとつ勇気がでず、躊躇していると、満腹ゲージがとうとう0%を記録した。ここは決断の時! オレンジ色のキノコを食べてみる。えーい、バクッ。空腹度はあまり回復せず。

 しかし、どうやら大丈夫だったらしい……と、思ったのも束の間、“う、お腹が痛い……”との表示が!! やはり毒キノコだったようだ。こうなると、しばらくは何も食べられず、パラメータは減る一方。幾多のゲームをクリアしてきた筆者が、不覚にも開始5分でゲームオーバーになってしまった。さすがサバイバル、恐ろしい。

 気を取り直して2回目に挑戦する。これは計画的にプレイしないとダメだ。ウロウロしていては始まらない。右端から崖に沿ってくまなく歩く。ヤシの実も、いざという時まで取っておくことにした。やがて洞窟らしき穴を発見! これで一安心だ。

 途中で見つけていた、木の皮と木の棒を合成して「火起こし器」を作り、人生初となる火起こしにチャレンジしてみる。R・Lボタンを交互に押して木をこすり、ゲージが一定以上になったら、今度はニンテンドーDS本体のマイクにフーフー息を吹きかける。1度目はボタン押しのリズムが狂って失敗したが、2度目で火がついた。チャッカマンがあればいいのに……。

 1晩寝て、2日目は食料探し。木をタッチで揺すってヤシの実を落とし、食いつなぐ。浜辺を調べ、タッチスクリーンで砂を掘って潮干狩りもやってみたが、貝は生では食べられないらしい。困ったなあ。

 3日目は、少しこの生活にも慣れてきたので、思い切って遠出を試みる。川を渡り、ちょっと歩くとイベントが発生、なんと女の子と遭遇した! どうやら同じ船の乗客だったらしい。

 “ケガはないんですが、波打ち際でメガネを落としてしまって”。“ああ、それなら僕も探すよ”。“バキッ!”。思い切り女の子のメガネを踏んづけてしまっただいち。責任をとって、仕方なく、あおいと名乗る彼女の手を引いて、本拠地の洞窟へ連れていくことに。これからは、2人でのサバイバルが始まる。

 翌日、話を聞けば、あおいは料理ができるという。そこで貝やワカメ、ヤシの実を渡すと、「ワカメの串焼き」を2つと「シジミの妙なサラダ」を作ってくれた。“すいません、ちょっと失敗しました”との言葉通り、満腹ゲージの回復は24%どまり。でも、食事は楽しい。何はともあれ、冒険する体勢は整った。明日からは、もっと島の奥を目指そう……。

 ゲームはこのあと、自然との触れ合いばかりでなく、島に残る遺跡の謎を解く展開に発展する。「2人で協力してスイッチを入れる」なんて仕掛けもある。

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ジャングルや草原、湖など、いくつかのエリアに分かれている無人島。未踏地域に入るたび、雲が晴れていく
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手で火を起こす、無人島のお約束をゲームで体感。やや不便だが、生活環境が改善されると、この作業にも変化が訪れるかも!?
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パートナーとして、本拠地でだいちを支えるヒロインのあおい。料理の腕は、最初はいまいちだが、徐々に上達する

2人を待つ運命は?

 無人島での暮らしもいいが、だいちとあおいのコミュニケーションも本作のポイントだ。あおいの“この島は無人島なんでしょうか?”という問いに“そうかも知れないね/ははは、それはないでしょう/僕がいるから無人島じゃないよ”といったような三択を選ぶシチュエーションも登場する。答え次第では2人の関係も変わり、さまざまなイベントも発生する。相談に乗ってあげたり、手をつないで川を渡ったり……。

 たった2人しかいない無人島。これもある意味“男のロマン”といったところか!? とはいえ、あおいはひとりでは何もできず、彼女のHPが0になってもゲームオーバーなので、2人になれば喜びも2倍だが、負担やプレッシャーも2倍になる。

 最後に結論を言うと、本作は最近のソフトでは珍しく、ゲームオーバーと隣り合わせの厳しいタイトルだ。見え見えのチュートリアルなどはなく、何をするにも“生き延びる”ことが第一条件。そのギリギリのバランスにしびれる。クリアしたいからといって、どんどん先へ進んでは命取りになる。少しずつの積み重ねが、未来を切り拓くのだ。

 テーマの無人島という切り口はゲーム的に別段珍しいわけではない。こうした厳しいゲームも過去にはPCなどを中心に、しばしば見られた。だが、昨今のコンシューマゲームでは、逆に新鮮に映る。

 本作はルートが分岐するマルチエンディング方式。そのうえ、クリア後にはあおいでプレイするモードや、何日生き延びられるかを競うチャレンジモードもあり、ボリュームが少ないと言われるニンテンドーDSソフトの中でも、本作に限っては、かなりの遊びごたえを誇る。

 都会の中で、毎日なんとなく生きている現代人よ、「サバイバルキッズ〜Lost in Blue〜」で、生きる喜びを体感しよう。

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あおいの手を引いて移動するだいち。スピードは遅くなるが、島の奥に行くためには、あおいの力が必要な局面もある
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家具を作る「大工モード」。ベッドや棚を本拠地に備え付け、快適な無人島ライフを作り上げれば、もう帰りたくなくなるかも!?

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

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