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元テストパイロットも参戦――「ワールドエアフォース(仮称)」イベント東京ゲームショウ2005――タイトーブース

タイトーブースでは、Xbox 360ソフト「ワールドエアフォース(仮称)」のイベントが行われていた。プロデューサーであるタイトーの河上聖治氏と、元航空自衛隊テストパイロットの田中石城氏が登場。今作についてのデモを行った。

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タイトーブースで行われている「ワールドエアフォース(仮称)」のデモコーナー。F14と思われるノーズ風の筐体も

 田中石城氏は防衛大学校卒で、元航空自衛隊のテストパイロット。2000年12月に定年退官したそうだが、F1やF-2の開発にも携わったほか、戦闘機からヘリコプターまで、さまざまな機体を扱ってきたそうだ。もちろん、F15は扱える。

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プロデューサーであるタイトーの河上聖治氏(左)と、元航空自衛隊テストパイロットの田中石城氏(右)。田中氏はもちろんパイロットスーツで登場

 ワールドエアフォースの開発に携わった経緯だが、航空カメラマンで有名な徳永克彦氏からの紹介がきっかけ。プロデューサーの河上聖治氏から、空を飛んだことのない子供に夢を与えたいと口説かれて、参加を決めたそうだ。

 田中氏からのアドバイスは多岐にわたる。たとえば、宙返りの時の高度や速度、また何Gでループを行うかとか、その頂点の時の高度や速度はどれくらいか、そして機体の推力や抵抗の状態、離陸時の滑走時間、加速に至るまで、機体性能の細かいところをチューンしていったとのこと。

 「かなり細かいところまで見てくれたので非常にうれしかった。兵器を積んでいるときと、積んでいないときの挙動は違うし、なんといってもF15にはそうそう乗れるものじゃないですから」と河上氏。

 F15は最大9Gまでかけられるそうだ。エレベーターに乗っているときにかかる重力は1.1〜1.2G。4Gになると、ひざに置いてある手が上がらなくなり、5〜6Gでは息ができなくなる。「実際に乗っているときは、首を引っ込めてなるべく心臓と頭が近くなるようにして9Gに耐えるんです。宙返り時から機体を引き起こすときに、それくらいになりますね」(田中氏)。ちなみにスペースシャトル発射時は最大3G。それを考えると、どれくらいの重力がかかるか分かると思う。

 田中氏は、F15搭乗時のエピソードとしておもしろい話を披露してくれた。「何Gかかったかモニターされているんですが、訓練時など9Gを下回ると、整備の人から『隊長、もっとGかけないとダメじゃないですか』って怒られるんですよ(笑)。やっぱり機体の性能を最大限に発揮させないといけないですからね。だから1日何回もやるとぐったりです」。

 イベントでは、河上氏によるデモプレイも行われた。TGSバージョンでは、F15およびF18を操縦できる。河上氏は「ワールドエアフォースは、Xbox 360の“ハイデフエンターテイメント”により実現できた部分も多い。計器類は細かいところまですべて動作していますし、空のビジュアルもきれいに再現できた。雲の感じや、遠くまで見渡せる地面を見てほしい」と語る。

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舞台はとある「極東の国」。何となく羽田空港っぽい地形も見えるんですが……
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視点変更で計器類の全体が見渡せる。実際にデモプレイで、細かく動くさまを体験してほしい

 TGSバージョンではラダーやエルロンなどをうまく操作しないと操縦できないが、そういった操作になれていない人向けに、製品版では簡単操作バージョンも用意されるとのことだ。

 筆者もブースでデモプレイを体験してみたのだが、機体を引き上げたり、旋回させるときの動作が何となく鈍く感じたものの、動作する計器類は確かにリアルで、ヘッドアップディスプレイが全体に表示される1人称視点のモードだと、本当にコクピットに座っているかのような錯覚を覚えた。

 ただし、河上氏によると、現状ではまだ35%程度の開発段階。今後はさらなるブラッシュアップが図られるに違いない。

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ロックオンされると赤く表示。左下では敵機の位置が分かるようになっている

 「ワールドエアフォースは、前作のエナジーエアフォースの流れをくんだ作品。パイロットの気分をリアルに体験したいと思って作った作品なので、コアユーザーをうならせたい。これからもクオリティアップをしていくので期待してください」(河上氏)。

 なお、同じイベントは9月18日午前10時半からも行われる。生のテストパイロットの声を聞きたい方は、是非参加してみるといいだろう。非常に興味深い話を聞けて、筆者も楽しかった。

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