我が道を行く強さ「ファミリーサーキット」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)
日本GPも間近に迫ったことですし、今回もレースゲームで。ずいぶん前にいただいていたのですが、JETBOYさんからのリクエストで、「ファミリーサーキット」(ナムコ)を取り上げてみました。
F1チームとゲーム雑誌の類似点
セナとプロストが鈴鹿の1コーナーでクラッシュして、鈴木亜久里選手が表彰台に立った1990年。
私は、あるマイナーなゲーム雑誌で、ライターデビューしたばかりだった。
今にして思えば、デビューしていきなり連載を書かせていただくのは、大変ありがたいことだったのだが、その頃の私はむしろ、雑誌で連載を持っていても、自分の知名度が一向に上がらないことにいらだち始めていた。
そんな時期にちょうどF1ブームが到来。テレビ中継を何度か見ているうちに、「F1のチームと、ゲーム雑誌は似ている」と思ったのだ。
F1の場合、上位のチームに所属するドライバーは、F1のファンじゃなくても名前くらい知っているが、下位チームのドライバーは、ファンにもあまり知られていない。
ゲーム雑誌も同様で、売れてる雑誌で書いてる人は、ゲームファンじゃなくても名前くらい知っているが、売れてない雑誌のライターは、ゲームファンにも知られていない。
私はいつしか、下位チームのドライバーに、自分の境遇を照らし合わせて、先頭争いよりも、真ん中から下のほうに注目するようになっていった。
だから今でも、ジョーダンでデビューして、すぐさまベネトンに引き抜かれたシューマッハよりも、ミナルディからスタートしてあちこち渡り歩いた、フィジケラとかトゥルーリとかウェバーあたりが気になる。
F1ブームの頃はレースゲームも、そんな下位チームから上位チームへの移籍ができる、あるいはパーツを買ってマシンを強化できるものが多かった。
前回も書いたが、RPGのレベルアップと一緒で、初めは勝てなかった相手に、後半は楽に勝てるようになるという快感が得られる。
また、終盤ほかのマシンと性能差がつくことで、あまり上手じゃないプレイヤーでも、ゲームをクリアーできるようになる。
しかし、今回取り上げる「ファミリーサーキット」は、ブームが来る前の1988年に発売されたこともあってか、移籍やパーツ購入によってマシンを強化するという要素はない。
あるのはセッティングによって、マシン性能をカスタマイズするという要素である。
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