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数字よりも中身がすごいんです──ATI Technologiesが「R520」こと新GPU「RADEON X1000」シリーズ発表グラフィックスチップ(4/5 ページ)

10月5日(現地時間)、ATI Technologies(以下ATI)は新世代アーキテクチャを採用したRADEON X1000シリーズを発表した。新世代GPUではシェーダモデル3.0に対応するなど、内部アーキテクチャに関して大きな変更が加えられている。

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イメージの表示品質にも配慮したRADEON X1000シリーズ

 RADEON X1000シリーズでは3Dイメージの品質も向上している。これに最も貢献しているのが、進化したHigh Dynamic Range(HDR)の機能だろう。従来のGPUでもHDRはサポートしていたが、RADEON X1000では、アンチエリアシング(AA)の機能を同時に利用できるHDRがサポートされている。例えば、X1000シリーズでは、適応型アンチエリアシングがサポートされており、これをHDRと組み合わせて利用できる。適応型アンチエリアシングは、マルチサンプル程度の負荷でスーパーサンプリングのイメージクオリティを得ることが可能になっているので「金網」といった一部が透過する場面での表示品質などを上げるのに威力を発揮するという。

 さらに、RADEON X1000シリーズでは、ATIが先日発表したAVIVOと呼ばれるビデオ高画質化技術をサポートしている。RADEON X1000シリーズではMPEG-4 AVC(H.264)のHD解像度コンテンツのアクセラレーション機能も実装されている(当初、RADEON X1800のみの機能であるように記載されていましたが、RADEON X1000ファミリーすべてで使えます。お詫びして訂正いたします)。HD解像度のMPEG-4 AVCはCPUだけを使ったデコードでは処理がかなり厳しいことが知られている。そのため、GPUを使ったアクセラレーション機能は必須機能の1つになると言われている。ただ、最初のドライバでは、MPEG-4 AVCのデコード機能はイネーブルになっていない。こちらは年内にリリースが予定されている新ドライバで有効になる予定だ。

 RADEON X1000シリーズでは、ディスプレイ出力時に従来のGPUでもサポートされていた8ビット、10ビットの色表現だけでなく、浮動小数点を利用した16ビットでの色表現も可能になっている。色の表現力が大幅に向上し、明るいところはより明るく、暗いところはより暗く、といった広いダイナミックレンジを生かしたより鮮明な映像表現が可能になるという。ただし、浮動小数点16ビットを使った出力には、デュアルリンクDVIが必須になるほかにディスプレイ側が対応している必要がある。今後、ATIは液晶ディスプレイベンダなどに採用を呼びかけていくが、すでにカナダのベンチャー企業であるBRIGHTSIDEが試作機を発表している。


新たに採用されたAdaptive Anti-Aliasingの効果。金網にみられるジャギーが減っているのが分かる


米国で行われた説明会で展示されていた浮動小数点16ビットの色表現デモ。対応済みのBRIGHTSIDEの液晶ディスプレイが使われていた

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