あの日の輝きをもう一度――ノスタルジー上等! 時をかけるゲーム:「オレたちゲーセン族」レビュー(2/4 ページ)
まだ、ゲームセンターに勢いがあった80年代。その時期にリリースされたタイトルをPS2に移植したソフト「オレたちゲーセン族」の第2弾が4本まとめて登場した。これらタイトルを年代順にレビューしつつ、当時のゲームセンター事情などを振り返ってみたい。
イー・アル・カンフー(1985年:コナミ)――16の技を駆使して敵を倒せ! ではなく、数個の技で敵を倒す
コナミといえば、横スクロールシューティングゲームの元祖とも言えるスクランブルでアーケードゲームデビューを果たし、今現在はフィットネス事業をも手がける巨大な会社だ。一部の人には、「グラディウス」シリーズや「ときめきメモリアル」などのタイトルをあげると、分かりやすいかもしれない。
そんなコナミが「イー・アル・カンフー」をリリースした1985年といえば、「グラディウス」や「ツインビー」がゲームセンターにデビューした年でもある。グラフィックの美しさに定評のある同社が手がけた格闘ゲーム、それがイー・アル・カンフーだった。
このタイトルはアーケードだけでなく、ファミコンやMSXなどにも移植されたので、プレイしたことのある人も多いだろう。しかし、それらはアーケード版とはまったくの別物。だが、下手な移植ではなく、コンセプトはそのままにハードの性能を見極めた、正しい方法でのコンバートだったといえる。とはいえ、そのオリジナルとなったアーケード版をプレイした人は意外に少ないのではないだろうか?
そんな本作だが、ゲーム付属のマニュアルを読んでいて、おもしろいことが書かれているのに気づいた。それは、「イー・アル・カンフー」というタイトルの意味だ。今まで、何か適当にゴロを合わせただけだろうと思っていたのだが、解説によると“イチ、ニのカンフー”という意味になるそうだ。 もちろん、それを調べたという作者も、開発者に確認を取ったわけではないので、それが本当かどうかは分からないと書いてあったが……。
ゲームは、8方向レバーと2ボタンでのプレイとなり、敵と1対1(一度だけ1対複数もアリ)での対戦が繰り広げられる。この時代の作品なので“防御”などという概念は存在せず、ひたすら逃げるか攻撃するか、どちらかの操作を繰り返すのみ。とはいえ、攻撃はレバーとボタンの組み合わせで16通りもの技を繰り出せるようになっているので、今のちょっとした格闘ゲームよりも豊富に揃っているのだ。
例えば、方向キーを上に入れながらパンチボタンを押せば上段突きになり、左に入れながらキックボタンを押せば上段回し蹴り(?)になるといった具合だ。ところが、技が16あっても実際に使い物になるのは数種類のみというのが、なかなかユニークなところ。敵が強くなるにしたがって、プレーヤーは手堅い技ばかりを使うようになっていくのだが、それもしかたのないところといえるだろう。
また、主人公は自由にジャンプできることができるので、これを上手に利用し攻撃しては逃げるを繰り返すのが、勝利のコツかもしれない。
なお、登場する敵は全部で11人。9人目から難易度が突然上昇し、10人目のトンファンと11人目のブルースに至っては、慣れないうちは“インチキ?”と思えるぐらい強い。そこまでの道のりが単調なので、人によっては飽きるのも早いかもしれないのが残念なところ。とはいえ、現在の格ゲーの基礎を作った1本であることには間違いないので、「バーチャファイター」や「鉄拳」をプレイしている人たちには、一度はプレイしてもらいたいタイトルだ。
テラクレスタ(1985年:日本物産)――合体の感動は残っているけれど、今回は自動合体で楽チン
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